*myblu(blu)は、2021年5月をもって日本国内での販売を終了しました。
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昔からの喫煙者ながら、いわゆる電子タバコには手を出さなかった自分。
「何か違う」という違和感や、フツーのタバコ以上の割高感(実際の運用コストもたぶん高くつく)、さらには本体の入手難易度が高すぎたことも一因かと。最近はマシになってきたようですが、少し前までは、期間限定で事前申し込みをした上に抽選販売などが当たり前。それこそ「欲しいなら売ってやる」的な殿様商売に、バカらしさを感じていたのも確かです。
で、フと思い立って試すことにしたのが、VAPEのmyblu。
最初は「VAPEって何?」でしたが、ニコチン&タールを含まないなら…と。ニコチンを含む加熱式タバコなら、従来通り紙巻きタバコのほうがいいやという感覚でしたから。ちょっと調べて、「VAPEなら試してみようか」となったわけです。
リキッドと呼ばれるフレーバー入りの液体を加熱し、発生した蒸気を吸引する。要は、水蒸気をプカプカするだけ。水蒸気な分、通常のタバコより煙モクモク感は強い。
加熱式タバコ
タバコ葉をペースト状にした、ニコチンも含む固形物を加熱&吸引する。ニコチンが含まれるので、吸った際には通常のタバコに近い満足感が得られる(らしい)。
電子タバコ
VAPEと加熱式タバコの総称。日本のメディアでは「電子タバコ」表記(意味合い)に一貫性がないため、様々な混乱も生じている。
とまぁ、簡単に(強引に)整理すると、こんな感じ?
いちばんの違いは、VAPEはニコチンやタールといった有害物質を含まない嗜好品だということ。本当に無害で安全なのかどうかは諸説あるので、断言できませんが。
もっとも、日本とはタバコに関する法律が違う欧米では、VAPE=電子タバコという概念が一般的なのだとか。うーん、ややこしい。
そのVAPEの代表格が、myblu。たばこメーカー世界ランキング2016によると売上高世界一なイギリスのタバコメーカー:インペリアルが販売する製品です。
日本市場では2018年6月から販売が始まったばかり。ヨーロッパでは同じデザインの「blu」が2009年から販売されていたものの、そちらはニコチンを含む加熱式タバコ。新たにVAPEとして開発されたのが、「myblu」なのだとか。日本では過熱する加熱式タバコ市場に参入し遅れたため、VAPEで別市場を狙ったのでしょう。
「blu」ブランドを展開するのは、Fontem Ventures。インペリアル自体が複雑な経緯で現在に至る合弁企業で、成り立ちや組織構成が複雑すぎるため、日本ではわかりやすく「インペリアルタバコのVAPE:myblu」というプロモーションになっているようです。
Fontem Venturesの拠点はオランダとアメリカにしかなく、mybluが販売されている国はイギリス、ドイツ、フランス、イタリア、ロシア、アメリカ、日本だけ。日本の市場開拓には出稼ぎ感も拭えませんが・・・(苦笑)。
本体+メンソール・フレーバー+USB充電ケーブルをセットにしたスターターキット:通常3,780円が、新規市場参入のキャンペーン価格で2,700円だったことも、お試しに踏み切れた一因ですね。
正直、通常価格の3,780円なら高いと感じ、導入しなかったかも。
*mybluを1ヶ月半ほど使用してみた印象
「うーん、悪くない」。他の加熱式タバコは未経験なので、比較もできず、そんな感想しか思い浮かばない(苦笑)。
タバコ=口寂しさを紛らわすもの、という感覚の方なら、けっこうスムーズに移行できそう。ガムやキャンディで口寂しさを紛らわす感覚とは、明らかに違います。よりタバコっぽいとでもいうか…。
ただ、ニコチン中毒が進んでいるヘビースモーカーには無理でしょう。自分も、当初は食後の一服に物足りなさを感じ、紙巻きタバコに手が伸びていましたから。でも、しばらくすると食後もmybluだけでOKだったり、そもそも一服せずに済んでしまうことも。半月ほどで、紙巻きタバコはほとんど吸わなくなりました。まだ完全に絶てたわけではありませんが。
- VAPEでニコチン絶ち
- 紙巻きタバコほどクセがないので、慣れれば吸う回数が減少するのでは
- そのうち、アホらしくなって完全禁煙
自分的にはこんなステップを想定していたので、そこそこ順調なようです。
ただ、吸い口からの(フレーバーの)液漏れには閉口しますね。本体の置き方や持ち方、吸い方などをいろいろ試したものの、解決策はナシ。問い合わせても「構造上、致し方ない」という返答なので、どうしようもなく。不具合がわかっているのに改善しない姿勢は、どうかと思いますが。
付属のUSB充電ケーブルは、100均のUSBケーブル(Type-B)でも代用できました。ケーブルの長さは純正品も短いため、100均製品でも変わりません。コンセント用ACアダプタ、車のシガーソケット用シガープラグも、100均セットでOK。スペック上はフル充電まで20分ですが、実際には15分程で充電中ランプが消えます。
ただ、PCのUSB端子からは充電しないほうがいいかも。バチバチと音をさせながら煙(水蒸気)モクモクな「吸いっぱなし」状態に陥り、慌てて外したことがあります。すぐに気づいたので事なきを得ましたが、あのままだと本体の故障や発火・爆発に繋がった可能性も? 怖いので、それ以後はコンセント充電専用にしています。
*mybluフレーバー全8種類の印象
フレーバーは、いずれも1箱(1,080円)に2本入り。全種類1本ずつ入りの「お試しセット」でもあればいいんですけれどね。
一通り試すまでは、どれがいいのか悩されるはず。公式パンフのチャート図がけっこう参考になるので、引用しておきます。
- メンソール
- スターターキット付属の標準フレーバー。「メンソール」の名称からイメージすると肩透かしで、清涼感や、鼻に抜ける爽快感は皆無。ほぼ無味無臭? すごく微妙なハッカ感といったほうがいいかも。
- アイスミント
- 「メンソール」よりもメンソールらしい。といっても強烈なものではなく、やはりハッカ感といったほうが近い。メンソール感・フレッシュ感・ミント感など、いずれも「アイスミント」>「メンソール」。
- チェリークラッシュ
- 軽い香りだが、爽やかなフルーティー感が心地良い。ほのかなチェリー味で、「フルーツ・メンソール」のようなイメージ?
- グリーンアップル
- 「チェリークラッシュ」と同路線。こちらは名称通り、ほのかな青りんご味。「チェリークラッシュ」より少しだけ軽く、甘酸っぱさも。
- マンゴーアプリコット
- 「チェリークラッシュ」や「グリーンアップル」と同系統ながら、メンソール感を弱め、フルーティな味わいを強めた感じ。メンソール系が苦手な人は、こちらのほうがいいかも。
- タバコ風味
- 不味い。とにかく不味い。吸っているうちに気持ちが悪くなる。タバコというより葉巻やシガー。
- タバコバニラ
- 言い得て妙なネーミングで、まさにタバコ味のバニラ? 甘いのだけれど甘ったるすぎない、微妙な(絶妙な?)味がけっこう癖になる。甘いものが苦手な人には不向き。
- カフェラテ
- 基本的に甘さテイストな8種の中では、もっとも「甘くない」フレーバー。甘さと苦味のハーモニーとでもいうか。非メンソール系タバコの代用品には、これが最適かも。
個人的には「マンゴーアプリコット」、「タバコバニラ」、「カフェラテ」の3種類が定番になりそう。
ちなみに「タバコ風味」、「タバコバニラ」、「カフェラテ」は、他のフレーバーより長持ちする印象だったり。この3種類以外はメンソール&フルーツ系なので、爽快感を求めて無意識に吸い込む量が多くなるのかも。つまり、非メンソール&フルーツ系のほうがコストパフォーマンスは高い?
新規発売時にはメディアで「コンビニで買えるVAPE!」などとも報じられましたが、コンビニでの取り扱いは福岡県内のファミリーマートだけ。順次、九州全域へと広がるようですが、全国販売は遠い先?
現状ではmyblu公式サイトのオンラインショップなどを利用しなければならず、ちょっと面倒ですね。フレーバーがなくなると、入手までに最短でも数日かかってしまうので。
公式サイト以外のネット通販はAmazonだけでしたが、楽天市場にもmyblu store 楽天市場店がオープンし、購入しやすくなりました。
ただ、上にも記したように、Amazonや楽天市場での販売は限定的。全てのフレーバーを1箱単位から購入できるのは、公式サイト・オンラインショップだけ。これって公式サイト+会員登録でユーザーを囲い込みたいから? それとも、ネット通販での自由販売に何か規制が?
*myblu公式サイト・オンラインショップから何度か購入してみた利用感
- 発送は平日のみ、土日・祝日は休み。金曜に注文しても、週が明けないと発送されない。
- サイトの各所に「当日14時までの注文で当日発送」「翌日発送」などの表記が散見されるものの、正しくは「3営業日以内の発送」。7月の連休時にパンクし、配送遅延が続出。方針を変更したもののサイト更新が間に合わず、古い情報が残っているらしい。
- パンクした際は発送まで1週間以上かかったが、最近は安定。注文当日か、翌営業日には発送される。
- 当初は、注文してから確認メールが届くまでに数時間~数日かかっていた。在庫確認~メール送信が手作業で、営業時間外は放置状態だったためだとか。最近は改善され、すぐに確認メールが届く。(自動返信に変更された?)
- 届いた荷物の伝票には「依頼主:絹川屋運送 myblu Japan」と表記され、この絹川屋運送(福山通運の子会社?)が実質的な製品販売・発送を担うらしい。日本国内には、倉庫と発送管理システムがあるだけ? myblu store 楽天市場店も、住所は同じ。
- 配送はヤマト運輸。スターターキットは宅急便、フレーバーは複数個の同時注文でもネコポス(最大6個まで確認)。ポスト投函なのは有り難いが、箱は同サービスのサイズ制限ギリギリ(31.2×22.8×2.5cm)と大きめなので、ポストの形状によっては投函不可かも。
- 「フレーバー2箱注文で1箱無料」など、購入サービスらしい次回有効のクーポンコードがある。必ずもらえるわけではないため、一定の期間毎に発行なのかも。会員登録すると、会員向けのクーポンコードも不定期に発行。お試し購入ユーザーの繋ぎ留め対策?
- カスタマーサービスの電話は繋がりやすく、対応も悪くない。ただし、おそらく外注で拠点も海外なため、相手によっては日本語が不自由なことも。
【↑ ネコポスで配送されるフレーバー注文用の外箱。中にはフレーバーが8個まで入るため、同時注文8個まではネコポスでOK?】
コメント
タバコは一切吸わないのですが、「ニコチン0、タール0、副流煙無し」に惹かれて、
昨年、mybluと同じ電子VAPEの「スムースビップ」を公式サイトから購入しました。
フレーバーの匂いや煙についておそらくmybluと同じだと思います。
ただ、PCのUSBで充電しても問題無く充電出来ました。
あと、「液を本体に入れる」手間は掛かりますが、
上手く入れさえすれば、吸い口から液が漏れる事はありませんでした。
ですが、別商品ですが、海外での爆発事故多発のニュースを知って、
吸う時の過熱時の「ジュジュ」という音が怖くなって、
今は吸うのを止めてしまいました。
コメントありがとうございます、管理人です。
なるほど、どの製品も一長一短なのでしょうね。
mybluを試したのも「たまたま」に近いですから、いずれ他製品を試しても問題ないのですが、そもそも最近はmybluすら吸わなくなってしまい…。
煙草に戻ったわけでもなく、当初の目論見どおり禁煙に成功してしまった形なので、せっかく教えていた情報を活用できそうにありません。
まぁ、悪いことじゃないのですが…。
VAPEに関しては大小様々な企業が参入しているので、利用者も安全性などを見極める目が必要になりそうですね。