「ヨン・サン・トオ」で知られる、昭和43年(1968年)10月の国鉄ダイヤ白紙改正。今年はちょうど50周年ということで、各社からそれ系の書籍などが出版されているようです。
改正前後の昭和43年9月号&10月号の時刻表をセットにした「ダイヤエース時刻表復刻版」も、そのひとつ。
ダイヤ改正を挟んだ9月号と10月号がセットなので、「この復刻版セットだけで、ダイヤの白紙改正ぶりを比較できますよ」と。上手い商売してくれますわ(苦笑)。4,310円(税込)と高価なので迷ったものの、3,000セット限定(一部書店を除き受注販売)のプレミア感にも勝てず、迷っただけでなく血迷ってポチッ(苦笑)。
今や、Amazonでは買えないことがステータスになりつつあるような…。なわけで本日、無事に受領しました。

受注開始は8月初旬からだったようですが、迷っていた自分が申込んだのは9月中旬のこと。販売告知から1ヶ月以上が経過しても、申込みが3,000セットに達していないのか…と思ったものですが、既に発売となった現在でも、注文できるようです。うーん、未だに3,000セット売れてないのか…。版元としては、予想外?
国鉄時代は「国鉄監修」で公式扱いだったJTB時刻表に比べ、弘済出版社のダイヤエース時刻表はマイナーだったからでしょうか。判型がJTB時刻表より一回り小さく、デザインもJTB時刻表より野暮ったい。そのため、ちょっと安っぽいイメージもありましたからね。
ちなみに、ダイヤエース時刻表とは、現在の「JR時刻表」の前身です。
弘済出版社が現在の交通新聞社に変わり、ダイヤエース時刻表が「JR監修」のJR時刻表に生まれ変わったわけです。
「国鉄監修」だったJTB時刻表は、国鉄の分割民営化とともに、“公式”の冠を失いました。今やJR時刻表よりマイナーな立ち位置でしょうから、やはり「監修=公式」の意味は大きいですね。

【表4(裏表紙)まで、ちゃんと復刻。初代カローラは名車ですね。コカ・コーラの広告モデルは誰?】
【時刻表2冊が収納できる化粧箱と、昭和43年10月1日・2日の交通新聞も付属】
時刻表の中身はいろいろと興味深いわけですが、こうなると、「ヨン・サン・トオ」こと昭和43年10月改正の解説本も欲しくなるわけです。
復刻版時刻表セットには、こんなチラシも内包されておりまして。評判も良さげなので、一緒に持っておいたほうがいいのかも…うーん。
てか、ダイヤエース時刻表復刻版の購入者向けに、セット割でもあればいいのに。旧態然とした出版界って、そーゆーことができない仕組みなんですよね。。。
【← 楽天ブックス】
【← Amazon】
(しばらく鉄道の話題から遠ざかっていたので、時事ネタではないものの記録メモを兼ねて)
新潟県・JR糸魚川駅が、北陸新幹線の開業に合わせて生まれ変わるらしい。
それだけなら「へぇ~」で済むことなのですが、鉄趣味な人にとって気になるのが…。
「新たな新幹線駅舎1階部分に、糸魚川市が糸魚川駅高架下施設(仮称)を整備し、大糸線で運用されていたキハ52 156を展示」
という話題。
駅舎内に引退車両が展示(静態保存)されるなど、聞き覚えのない話で。前代未聞の、画期的な保存方法といえるかも。
同車両は金沢総合車両所で保管されており、行く先が決まって何よりといったところでしょうか。動態保存の話もあったようですが、現実には静態保存が無難な流れ。「静態保存」といいつつ、実際には野ざらしのまま赤錆びていく保存車両も多いので、幸せな末路かもしれません。
*糸魚川市・特設サイト:「糸魚川駅高架下施設(仮称)平成27年春オープン」より引用
平成27年春の北陸新幹線糸魚川駅開業にあわせて、糸魚川駅高架下にジオパークをはじめとする糸魚川市の魅力や鉄道や鉄道模型の魅力を凝縮した糸魚川駅高架下施設(仮称)がオープンします。
糸魚川市は、平成21年に日本で初めて、世界ジオパークに認定されました。糸魚川ジオパークを知る、体感するためのスタート施設となります。また、糸魚川駅は昔から大糸線や北陸本線が交差する鉄道の要所でした。そして来春には、北陸新幹線の停車駅として、さらに鉄道との関わりが深まります。糸魚川駅にこそ相応しい鉄道関連施設です。
そこには大糸線で活躍していた「キハ52」の実車を展示。往事の雄姿を間近に見ることができます。
また大糸線や北陸本線など糸魚川駅近隣の情景を形にした大型鉄道模型ジオラマも2セット展示される予定です。情景を作り込んだ精巧なHOゲージとNゲージのジオラマで、実際に電車を運転して楽しむことができます。糸魚川駅や大糸線、北陸本線の歴史なども展示される予定。
鉄道を実車、ジオラマ、歴史など、さまざまな角度から楽しみ、体験することができます。お子様はもちろんのこと、さまざまな年代の方々が鉄道を通して交流できる場を目指しています。
平成27年春にオープンします。どうぞご期待下さい。
「大糸線や北陸本線など糸魚川駅近隣の情景を形にした大型鉄道模型ジオラマ」も、興味深いところ。
同・特設サイトの施設概要によると…
HOゲージ及びNゲージのレンタルレイアウト各1台展示。来場者が実際に鉄道車両を走らせて楽しむことができます。
糸魚川駅の歴史や大糸線、北陸本線の鉄道関連のアーカイブスの収集・展示を致します。
キハ52の写真や資料の収集・展示を致します。
とのことで、楽しみ。観光客や鉄道ファン交流の場として発展させようという構想なのでしょう。「鉄道の町」として観光誘致に積極的な姿勢を見せていた、糸魚川市らしい施策とも言えそうです。
いわゆる「その場限りのお役所仕事」に終わらず、いい形で長続きすることを願いたいですね。
また、同市サイトの糸魚川駅および駅周辺整備事業の概要:「新しい糸魚川駅の概要」ページには、以下の記載も。
24時間開放のトイレのほか、ジオパークを中心とした観光情報の発信施設やイベントなどに利用できるスペースを設けます。また、かつて大糸線を走っていたキハ52を展示します。
あわせて、同じく糸魚川駅構内で機関車検修の場として活躍してきたレンガ車庫の3連アーチ外観を、駅前で復元再築します。
惜しまれつつも解体された、糸魚川駅構内の赤レンガ車庫。その一部が予定通り、新駅舎のモニュメント的な存在として甦ることに。
本当は完全移築保存され、キハ52の動態保存とともに「鉄道パーク」的な整備を為されれば理想だったのですが、日本では無理な注文でしょうね。これがイギリスなら、鉄道ファンの聖地にでもなりそうな場所が誕生したかもしれない…。
などと妄想を膨らませるのは、夢のまた夢ですか。
しかし、これで糸魚川駅も様変わりするのでしょうね。
かつて訪れた際は、正直言って「何の変哲もない地方の主要駅」といったイメージでしたから。
市内鉄道網の再構築まで含めた大変貌を見せようとしている富山駅と同様に、新幹線開業とは、いかに「歴史的偉業」なのかを実感させられますわ(苦笑)。
昨年8月24日未明からの集中豪雨被害で、区間運休が続いていたJR三江線。江津本町-石見川本駅間で路盤や橋梁など72箇所に大きな被害が発生し、江津-浜原駅間でバス代行輸送が行われてきました。
その不通から約11か月、ようやく全線復旧の目処が立ったそうです。被害箇所のうち67か所では復旧工事が終わり、残る5か所も今月末には工事完了の見込みだとか。大規模な土砂流出があった川戸-田津間では、島根県が幅53.5メートルの砂防ダムを設置。江津本町-千金間の斜面崩落箇所は、格子状のコンクリートで修復したそうな。(日本海新聞記事より)
JR西日本・米子支社の発表によると、運転再開予定は7月19日の始発列車より。
中国山地を走るJR西日本ローカル線でも屈指の非採算路線だけに、そのまま廃線になるのではないかと、一時は復旧が危惧されましたからね。無事に全面復旧するとのことで、何よりです。
また、昨年7月28日未明からの集中豪雨被害で不通になっていたJR山陰本線:須佐-奈古駅間、JR山口線:地福-津和野駅間も、8月中に運転が再開される見込み。
新山口-津和野駅間を運休し、津和野-鳥取駅間で運行していた特急《スーパーおき》も、ようやく全面的な運転再開に。新山口-地福駅間に運転区間が短縮され、C56の片道運行(復路は往路の後補機だったDD51が牽引)となっていた《SLやまぐち号》も、元の姿に戻ると。
同列車の牽引機がC57からC56に変更されたのは、津和野駅の転車台が使えずDD51牽引となる復路での、牽引重量の問題なのかしらん。それとも、どうせDD51を往路の後補機に付けるなら、C57 1号機の走行距離を伸ばさないためにもC56で、という理由から?
いずれにせよ、C56はJR西日本にとって、万能の便利な動態保存機だということでしょうね。
春日井市のMPO法人:愛岐トンネル群保存再生委員会が、愛知・岐阜県境にまたがる旧国鉄中央線の愛岐トンネルを保全するため、土地ごと所有者(名古屋市内の建設会社)から買い取ったそうです。
買い取られたのは、トンネル群13基(9号は既に消滅)のうち、愛知県側の4基を含む約16ヘクタール。市民から募った寄付で土地を購入する「ナショナルトラスト」手法で、日本ナショナル・トラスト協会によると、自然ではなく文化的な価値として土地を買い取るケースは全国的にも珍しいとのこと。(NHK NEWS WEBより)
こうした取り組みが、全国にも広がっていけばいいですね。
トンネル群は1900年の中央線・名古屋-多治見間の開通に先だって1896年に着工され、1966年に複線電化に伴い廃線となった延長約8キロで、同委員会は100年以上前のれんが造りのトンネル群を「貴重な近代産業遺産」として2007年に前身の市民グループを結成。08年から毎年春秋の2回、線路跡の見学会を開いてきた。
(読売新聞記事より引用)
愛岐トンネル(あいぎトンネル)は、JR東海中央本線の古虎渓駅 – 定光寺駅間にあるトンネルである。
岐阜県多治見市と愛知県春日井市の間にあり、愛岐トンネルの名称は、愛知県と岐阜県の県境のトンネルであることに由来する。
全長2,910m。JR東海所管の中央本線では、最長のトンネルである。
1966年(昭和41年)3月12日より使用開始。同年5月14日に瑞浪駅-名古屋駅間電化。
1900年(明治33年)7月25日、名古屋駅-多治見駅間が開業時、高蔵寺駅-多治見駅間の庄内川(土岐川・玉野川)の渓谷地帯は14箇所のトンネルがあり、この工事には多くの犠牲者がでたという。これらのトンネルは廃線となり、保線用道路などにも使用されている。
2009年(平成21年)2月に「旧国鉄中央線の隧道群」として近代化産業遺産・続33に認定されている。現存するトンネルは13ヶ所(春日井市側に6基、多治見市側に7基)。
(Wikipediaより引用)
さよなら列車などを中心に、北海道の廃線映像をまとめたDVDとして話題の《スイッチバック 北の鉄道》。
制作・販売はSTV(札幌テレビ)で、もともとはミニ番組用に編集された映像をDVD化したもの。
そのシリーズ全3作が完結したので、『スイッチバック 北の鉄道』(Vol.1)、『スイッチバック 北の鉄道 2号車』(Vol.2)、『スイッチバック 北の鉄道 終列車』(Vol.3)をまとめて注文しました。基本は北海道内での販売なので、送料無料のamazonでも扱いがあるのは有り難い。
もともとがミニ番組なので、各本編は5分ほど。簡単な路線紹介や歴史を踏まえながら、さよなら列車の映像や、おそらく当時の赤字ローカル線問題として取材された映像であろう通常運行時の記録で構成されています。各巻ごとに収録路線数が異なるのは、さよなら列車の映像が多くある場合、同一路線が2~3編に分けて収録されているため。
国鉄の赤字ローカル線問題が取り沙汰され、一種の廃線ブームが沸き起こった時期に廃線となった路線が多いので、こうした記録映像が地元局に残されているのでしょう。また、そうしたブーム以前に廃止されてしまった根北線などは、さよなら列車や日常光景の映像が残っているだけでも貴重なのでは。個人的には感涙モノです(^^;;
ただ、札幌からの距離やアクセスの関係からか、映像の量には路線ごとに差があります。同時期の廃線が相次いだこともあってか、地味な存在だった興浜南線・北線など、編集に苦労した痕跡が伺えるほど情報量が少ない路線もあるのは残念。。。
資料提供もされた、作家で元・国鉄車掌長の田中和夫氏による副音声解説は興味深いもの。全ての路線に乗務されていたわけではないので、路線ごとに解説の“濃さ”が異なるのは致し方ないとしても、知られざるエピソード的なモノも語られます。
細かい点を突っ込み始めればキリがないものの、こうした内容で各巻1,980円なら、かなりお買い得なのでは。
個人的にも、購入して損はなかったと思いますよ。お勧めです。
あ、でも。映像の大半は4:3なので、16:9のテレビで見れば当然、左右に帯が入ります。その部分のデザインセンスが……最悪(苦笑)。
パッケージデザインが、敢えてウェザリングされたものになっている点も注意ですね。パッケージ写真をよく見ればわかりますが、開封した際にパッケージの汚れか、印刷工程のミスかと勘違いしてしまう人もいるのでは? そうした全体のセンスは、ちょっとイマイチかなぁ。