新潟県・JR糸魚川駅が、北陸新幹線の開業に合わせて生まれ変わるらしい。
それだけなら「へぇ~」で済むことなのですが、鉄趣味な人にとって気になるのが…。
「新たな新幹線駅舎1階部分に、糸魚川市が糸魚川駅高架下施設(仮称)を整備し、大糸線で運用されていたキハ52 156を展示」
という話題。
駅舎内に引退車両が展示(静態保存)されるなど、聞き覚えのない話で。前代未聞の、画期的な保存方法といえるかも。
同車両は金沢総合車両所で保管されており、行く先が決まって何よりといったところでしょうか。動態保存の話もあったようですが、現実には静態保存が無難な流れ。「静態保存」といいつつ、実際には野ざらしのまま赤錆びていく保存車両も多いので、幸せな末路かもしれません。
*糸魚川市・特設サイト:「糸魚川駅高架下施設(仮称)平成27年春オープン」より引用
平成27年春の北陸新幹線糸魚川駅開業にあわせて、糸魚川駅高架下にジオパークをはじめとする糸魚川市の魅力や鉄道や鉄道模型の魅力を凝縮した糸魚川駅高架下施設(仮称)がオープンします。
糸魚川市は、平成21年に日本で初めて、世界ジオパークに認定されました。糸魚川ジオパークを知る、体感するためのスタート施設となります。また、糸魚川駅は昔から大糸線や北陸本線が交差する鉄道の要所でした。そして来春には、北陸新幹線の停車駅として、さらに鉄道との関わりが深まります。糸魚川駅にこそ相応しい鉄道関連施設です。
そこには大糸線で活躍していた「キハ52」の実車を展示。往事の雄姿を間近に見ることができます。
また大糸線や北陸本線など糸魚川駅近隣の情景を形にした大型鉄道模型ジオラマも2セット展示される予定です。情景を作り込んだ精巧なHOゲージとNゲージのジオラマで、実際に電車を運転して楽しむことができます。糸魚川駅や大糸線、北陸本線の歴史なども展示される予定。
鉄道を実車、ジオラマ、歴史など、さまざまな角度から楽しみ、体験することができます。お子様はもちろんのこと、さまざまな年代の方々が鉄道を通して交流できる場を目指しています。
平成27年春にオープンします。どうぞご期待下さい。
「大糸線や北陸本線など糸魚川駅近隣の情景を形にした大型鉄道模型ジオラマ」も、興味深いところ。
同・特設サイトの施設概要によると…
HOゲージ及びNゲージのレンタルレイアウト各1台展示。来場者が実際に鉄道車両を走らせて楽しむことができます。
糸魚川駅の歴史や大糸線、北陸本線の鉄道関連のアーカイブスの収集・展示を致します。
キハ52の写真や資料の収集・展示を致します。
とのことで、楽しみ。
観光客や鉄道ファン交流の場として発展させようという構想なのでしょう。鉄道の町として観光誘致に積極的な姿勢を見せていた、糸魚川市らしい施策とも言えそうです。その場限りのお役所仕事に終わらず、いい形で長続きすることを願いたいですね。
また、同市サイトの「糸魚川駅および駅周辺整備事業の概要:新しい糸魚川駅の概要」ページには、以下の記載も。
24時間開放のトイレのほか、ジオパークを中心とした観光情報の発信施設やイベントなどに利用できるスペースを設けます。また、かつて大糸線を走っていたキハ52を展示します。
あわせて、同じく糸魚川駅構内で機関車検修の場として活躍してきたレンガ車庫の3連アーチ外観を、駅前で復元再築します。
惜しまれつつも解体された、糸魚川駅構内の赤レンガ車庫。その一部が予定通り、新駅舎のモニュメント的な存在として甦ることに。
本当は完全移築保存され、キハ52の動態保存とともに「鉄道パーク」的な整備を為されれば理想だったのですが、日本では無理な注文でしょうね。これがイギリスなら、鉄道ファンの聖地にでもなりそうな場所が誕生したかもしれない…。
などと妄想を膨らませるのは、夢のまた夢ですか。
しかし、これで糸魚川駅も様変わりするのでしょうね。
かつて訪れた際は、正直言って「何の変哲もない地方の主要駅」といったイメージでしたから。
市内鉄道網の再構築まで含めた大変貌を見せようとしている富山駅と同様に、新幹線開業とは、いかに「歴史的偉業」なのかを実感させられますわ(苦笑)。
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