九州各地に大きな被害をもたらした9月の台風14号により、高千穂鉄道が全区間で不通に。川水流-上崎間、亀ヶ崎-槙峰間の鉄橋流失が主要因で、同社サイトには被害状況が写真入りで解説されている。
被害はテレビニュースでも報道された橋梁流出のみならず、路面崩壊、のり面の崩壊、日之影駅構内の道床流出など多岐に渡っている模様で。中でも、橋桁どころか橋脚までが流されてしまった第1五ヶ瀬川橋梁(北方町川水流)、第2五ヶ瀬川橋梁(北方町滝下)の被害は甚大だとも。
しかし、公式サイトでこのように被害状況を詳しく、写真入りで発表する例も珍しい。今回の被害が同社にとって大きな痛手で、運行再開が困難を極めるという証でもあるのでしょう。地元では既に、「運転再開は不可能、このまま廃止か」などの声も聞かれるとか…。
同社の黒木睦郎社長(高千穂町長)によると、今回の台風による災害保険は最高で約4億円。被害総額は明らかでないものの、復旧費用は国や県と沿線自治体が各4分の1を負担し、残りが同社の負担になるらしい。赤字経営の同社は基金も3億5000万円まで減っているため、社長自ら「心情的には存続させたいが、長い将来を考えたら、厳しい事態だ」と述べたそう。
なんとか、運転再開が叶うことを願いますが…。
高千穂への観光手段として脚光を浴び、トロッコ列車名や日之影温泉駅の駅内温泉など、鉄道に乗車すること自体が観光として注目されてきた高千穂鉄道。様々な経営努力が、ようやく実り始めてきたところでしたからね。
「このまま終わらせて欲しくない」。それが偽らざる思いです。
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