はてなアンテナが正常に更新を拾ってくれないおかげで、情報を見落としていました。
1985年8月28日以来、JR豊肥本線:熊本-宮地間を運行してきた『SLあそBOY』が、8月28日をもって運転終了となるそうな…。
その理由は、牽引機:58654号機(8620形式)の車歴83年に伴う老朽化から、SL単独での牽引運転が困難になったこと。熊本日日新聞の記事【SL「あそBOY」 8月28日で運行終了 JR九州豊肥線(2005.06.21)】によると、台枠(ボイラーと車輪の間部分)の痛みが激しいため、車軸に均等に荷重がかからず、上り勾配を自走できなくなっているとのこと。
赤水のスイッチバックを自力登坂できなくなっていた今年からは、後補機にDE10(ディーゼル機関車)を連結運転していたんですね。
JR九州によると、台枠そのものが、もはや延命不能な状態。設計図面がないため、新造修理をすることも不可能だという。
うーん、図面が残っていないんですか? こうした資料も、国鉄民営化の際に行方不明となってしまったものが多いのでしょうか。
7月31日、8月21日の『SL人吉号』(熊本-人吉間)は、予定通りに(DE10後補機で)運行されるので、今年も「里帰り」は実現されるわけですね。JR肥薩線・矢岳駅前の《人吉市SL展示館》で静態保存されていた同機を復活させる際、「人吉へ年に一度は里帰りさせる」との約束が、管理者の方とJR九州の間で交わされたそうですから。
気になる運転休止後の同機は、取扱が未定だとか。
JR九州によると、「復活の可能性を精査し、困難な場合は保存方法も含め検討します」とのことですが、その「困難な場合」には、元の展示館に戻してあげるのが最良ではないかと。
現在、D51170号機だけが静態保存される同展示館には、58654号機の保存スペースがそのまま残されていますし。あの、ぽっかり空いたスペースって、何とも物悲しかったりするんですよね…。
【↑ 矢岳駅前:人吉市SL展示館。現在はD51 170号機のみ展示。(2004.07撮影)】
《さよならSLあそBOY》記念オレンジカード、《さよならSLあそBOY》&《さよならSL人吉号》記念入場券・乗車券も発売中で、乗車した際には記念乗車証明書も発行されるとのこと。夏休み時期なので、指定券(同列車は全席指定)の入手は困難でしょうね…。
同列車にはなかなか乗車する機会がなく、「そのうちに…」と思っていただけに、いきなりの発表で面食らいました。
運行開始当初は、機関車の「ウェスタン風デコレーション」や、連結される「ウェスタン風客車」が気に入らず、積極的に乗車しようとする意欲が薄かったのも確かです。が、近年は機関車のデコレーションもシンプルな様相に変更され、ようやく「乗ってみてもいいかな」と思えるようになっていたのに。
せめて、一年ぐらい前から「来年限り」などのように発表して欲しかったとも…。
全国各地のSL保存運転も、その大半は同じ機関車の使い回しで、実際に稼働している車両は数えるほど。函館本線のC62も結局は復活できないようですし、今後は同様の事態が多くなってくるのでは…。
保存鉄道やSL運転が盛んなイギリスとは、環境から鉄道の歴史など、成り立ちが根本から違うのでしょうね。
コメント
JR九州 「SLあそBOY」引退へ
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JR九州ホームページ:ニュースリリース
我が国における現役最古のSLと言えば、JR九州の看板列車「SLあそBOY」に使用されている8620型ですが、この8620型が経年によって単独運転が困難になってきた為、8月28日の運転を最後に引退することになりました。
残念では