日本シリーズ第1戦 中日VS西武 抗議中断

[Sports] BaseBall

 1時間近い中断には、あの阪急VSヤクルト(1978年)の1時間19分の中断(最長記録)を思い出しました。ヤクルト・大杉のレフトポール際へのホームランを巡っての、阪急・上田監督の執拗な抗議…あれは今でも、ファールだと思いますけどね。シリーズの流れを変える重要な判定だったけれど。。。
 今回の事実関係。テレビ中継のVTRで確認。
 5回裏、中日の攻撃。一死一塁から谷繁の打球はキャッチャーゴロ。キャッチャー野田がボールを拾い、谷繁にタッチしかけるも空タッチ。が、この時点で主審の橘高(セ・リーグ)がアウトの宣告。野田はそのまま二塁に送球し、セカンド・高木はフォースプレイと判断してベースを踏んだだけで一塁に送球。二塁塁審・杉永(セ・リーグ)はアウトを宣告。1塁もアウトでダブルプレー成立。
 ここで中日・落合監督が「二塁はタッチプレーのはず」と抗議。なんと判定が覆り、ノータッチの一塁→二塁走者のリナレスはセーフ、二死二塁で再開しようとしたところ、西武・伊東監督が抗議。
 この後は審判団と伊東監督との話し合いが延々続いたわけですが、伊東監督の抗議は当然でしょうねぇ。そもそもアウトorセーフの判定が覆ること自体、おかしいのだから。どんなにおかしな判定でも、アウトorセーフに関しては覆らないのが過去の常識(判例とでも言うのか?)。西武側は、「そもそも野田は打者走者の谷繁にタッチしていない」という部分も含めて抗議していた模様。
 事実関係だけを見るなら、二塁塁審の誤りor主審の誤り。いずれにしても審判団のミスなものの、それ以上に、中日の抗議で判定が覆り、西武の抗議は認められないことに納得できなかったのでは。当然でしょーが、これではどうしようもないなぁ…と思っていたら、結局、審判団が“二塁塁審のミス”を場内放送で認めて謝罪することで、二死二塁の試合再開に落ち着いたと。
 これ、西武側からすれば苦渋の選択でしょうねぇ。まるで伊東監督が悪者扱いにされたまま、放棄試合にでもなれば0−9で負けですから。実際には2−0での勝ちゲームなのに。まー、次打者の英智がキャッチャーファールフライでチェンジになったからいいようなものの。。。これで点が入っていれば、シリーズの行方すら左右しかねない。
 審判の権威がどうこう言われるけれど、これだけミスジャッジやお粗末な対応が多い以上、実験的にでもVTRで確認するなどの方法が導入されてもいいんじゃないのかなぁ。日本シリーズは、両リーグの審判がジャッジするという特殊な状況なのだし。例の阪急VSヤクルト戦じゃないけれど、問題になる判定はたいていパ・リーグ側に不利なもので、そのジャッジはセ・リーグ審判によるもの、なのだし(苦笑)。まぁ、今回の件は“人間には間違いがある”レベルのものだと思いますが。主審も二塁塁審もきちんと自己判断した判定をし、それがたまたま誤りだったということがわかるだけに、何とも言えない部分がありますねぇ。


追記

 しかし、橘高審判って関西審判部主任なんですねぇ。気になってちょっと検索してみたら、事件が出るわ出るわ…。そっか、橘高って、あの審判か…。自分の判定に自信を持つのはいいけれど、ミスジャッジと思われる判定も多く、技術に問題があるのでは? と事あるごとに疑問視されていた審判じゃん。その頑固さに問題があると判断されても仕方ないのでは?
 この日も、最初の場内放送での「伊東監督を説得し…」との説明に西武側が激怒。確かに、それではまるで伊東監督が悪者だ。さらに、西武側の選手が誰も出てこないのに一方的に「試合再開」を宣言、伊東監督の不満いっぱいな表情が画面に映し出され…再度、審判側の非を認める場内放送をしたことでようやく試合再開というドタバタ劇。
 最後の最後に場内放送で審判の非を認め、観客に謝罪したことは珍しいし、評価できるとしても、そこには過去のいろいろな事件に関わっていた当事者だから…という背景があったのかも。結局、自らのミスジャッジは認めていないわけで。
 火のないところに煙は立たない。これだけ問題を起こす審判に日本シリーズの主審を任せる意味は何なんでしょうね。

*過去の主な事件

 1998年7月31日、阪神VS巨人戦の主審。試合序盤から判定にイライラ感を見せていた巨人・ガルベスは、6回の投手交代時(坪井にホームランを打たれた)、橘高主審をめがけてボールを投げつけた。ガルベスは無期出場停止処分(シーズン終了まで)。

 2000年5月6日、中日VS横浜戦の主審。7回、カウント2-1から見逃した球をストライクと判定された立浪が、身体を突いて退場処分に。怒った星野監督にパンチ、ベンチから飛び出してきた大西に跳び蹴りを食らい肋骨を骨折、刑事事件になるかと騒がれたときの当事者。なお、立浪は出場停止5日間・制裁金20万円。星野監督は出場停止5日間・制裁金50万円、大西は出場停止10日間・制裁金20万円・減俸100万円の処分。

 2000年6月7日、巨人VS阪神戦の主審。7回、数回打席を外した阪神・和田に対し、巨人・メイが和田の顔面付近に投球。危険球の判定も阪神側からの抗議もなくその場は収まったものの、試合後、メイが「アメリカでは3度以上(打席外しを)やると故意に威嚇することがある」と発言したことから問題に。

コメント

  1. 匿名 より:

    日本シリーズ第一戦・場内マイクで不手際を詫びたスーパー球審・橘高

    何処かで聞き覚えがあった名前なので調べてみました・・・そして納得しました・・・・場内マイクでわざわざ謝った訳が・・

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