PanasonicとSONYの4K対応BDレコーダーを比較

[Audio&Visual] Misc

(2024.09、加筆修正)

blog休止中に購入したブルーレイレコーダー2機種、Panasonic:DMR-4CT401とSONY:BDZ-FBT4100に関して、覚え書き的なメモを。
どちらも4K対応3チューナー・4TBモデルと基本スペックは同一で、DMR-4CT401が2020年10月発売、BDZ-FBT4100が2021年6月発売。世代的には前のモデルですが、最新現行モデルも各種仕様はほとんど変わっていないはず。両社とも4K対応に伴い基本システムを新開発・構築しているので、4K対応BDレコーダー比較にはなるかと。
結論を先に言ってしまえば、どちらも一長一短で「困ったもんだ」なのですが…。

Panasonic:DMR-4CT401

従来の2Kモデルと比較して真っ先に感じた点は、一番組当たりの録画容量が増加したこと。ひょっとして、データ放送まで録画するようになった?(未確認)
2K時代のPanasonicレコーダーは、不要なデータ放送を録画しないことがメリットだったのですが。4K対応に伴い仕様変更されたのなら、改悪ですね…。

長時間モード録画がDRモード変換だらけになる仕様

使用時にとにかく不便なのが、何かといえば「DR録画~事後変換」になってしまうこと。予約が長時間モード指定でも、以下のケースでは強制的にDRモード録画~事後に変換となってしまいます。どれだけDR変換が好きなのよ…。

  • 3番組同時に長時間モードで録画中、再生や予約確認を行う
  • 2番組同時に長時間モードで録画中、ダビングを行う
  • 2番組同時の長時間モード録画が連続する
    • 例えば、20時~21時に2番組、21時~22時に各2番組を予約していた場合、21時の時点で4番組とレコーダーが判断し、計4番組の全てがDRモード変換になってしまう。
  • 長時間モードで録画時、出力(テレビに映る)チューナーが4Kの場合
  • 長時間モードで録画中、4K録画された番組を再生する
  • DRモード変換中に次の予約録画が始まる
    • 2Kレコーダー時代は、DRモード変換=電源オフ・未動作時の動作に限られていました。が、4K対応機からは、電源オンや次の録画開始に関係なくDRモード変換が行われるように。予約録画が連続する時間帯は、延々とDRモード録画~事後変換が続き…。変換中のコンテンツを再生すると変換が停止してしまうため、録画済番組を視聴することもできません。
    • この仕様変更、発売当時はメーカーサポート窓口も把握しておらず。2Kレコーダー時代の「変換は未動作時のみ」認識しかないため、問い合わせても話が噛み合わず困りましたねぇ。
  • 長時間モードで録画中、「音楽」「写真」「新番組」を使用する

ちなみに、もともとDRモードで録画したコンテンツを、手動で長時間モードに変換指定する場合は別。変換中に新たな番組を長時間モード録画しても、DRモード変換にはなりません。(変換作業は裏で継続)
ユーザー視点では、これが正しい動作仕様だと思うのですが。ややこしくて訳が分からん…。

リモコンの余計な新機能ボタンが…邪魔!

前述した「音楽」「写真」「新番組」は、4K対応機から搭載された新機能。レコーダーを多機能プレイヤー化し、音楽や写真をテレビで再生する機能なのですが……んなもん、いらんわ。
こうした新機能のボタンが、リモコン中央部に「ドーン!」と配置されている点も困りもの。再生・早送り・巻き戻し等の基本ボタンと、十字キーの間に配置されるため、編集作業時に「うっかり新機能ボタンに触れてしまう」押し間違いが多発するわけで。
長時間モード録画中に、別の録画済番組を編集するケースは少なくないはず。そこでボタンを押し間違う度、録画中の番組がDRモード変換になってしまいます。
だいぶ慣れましたが、この最悪なボタン配置に、購入当初は何度リモコンを投げつけたくなったか…。間に新機能ボタンが挟まった分、再生等の基本ボタンと十字キーの間隔が、2K時代モデルと比べて明らかに広がっています。指をズラすだけでは届かず、いったん離して指を動かし、押しなおす。編集(CMカット等)の際、この手間がどれだけストレスになるか…。
編集時だけでなく、たまたまリモコンの上に何かが…てな際も、長時間モード録画中の番組がDRモード変換に。リモコンの中心部=もっとも押されやすい部分に、余計な新機能ボタンが鎮座しているので…。

リモコンの受光角度・範囲が狭い

リモコンに関しては、本体側の受光角度・範囲の狭さも難点。ちょっと角度や方向がズレただけで反応しなくなり、イラつくこともしばしば…。
その感覚に個人差はあるでしょうが、敢えて明後日の方向へ向けても動作するSONY機に比べ、受光角度や範囲の狭さは明らか。これはDIGAだけでなく、使用中のVIERA(テレビ)も同じ傾向なので、Panasonic製品全般にいえることかもしれません。

ディスクドライブ周りは遅い&弱い

搭載されたディスクドライブに関する性能が、根本的に低いと感じます。
HDDとの相互ダビング、コンテンツの消去、フォーマットなど、ディスクに関する動作は総じて(イラつくほど)遅く。ストレスフリーで動作するSONY機とは、雲泥の差といってもいいほど。使用頻度が高いダビング速度だけを見ても、SONY機と比べ1.5~2倍の時間がかかります。ドライブディスクの基本性能だけでなく、ディスク管理のソフトウェアにも問題があるような。
書き込みが甘かったり、盤面等に多少問題があるディスクにも弱いですね。SONY機だとフツーにダビングできるディスクが、Panasonic機では(読み込み・再生はできても)ダビング時にエラー停止してしまうケースを何度も経験しているので…。
PCでもエラーが出るディスクは仕方ないともいえますが、それでも使えてしまうSONY機と比べ、弱さは否定できません。ディスクドライブの性能は、「レコーダー用>PC用」だと思っていたのですが…。

基本性能は高いのに製品コンセプトが…

Panasonicは、様々な(余計な)機能を付加して多様性を持たせることが、機器の進化だと勘違いしているのかもしれません。多かれ少なかれ国内メーカー全般に見られる傾向ですが、そのために機器としての基本動作・性能が妨げられるなら、本末転倒なのでは。
各部の基本性能は高いのに、それらを組み合わせて製品化すると、まとまりがなく使い勝手も悪いモノになってしまう。いうなら、典型的なPanasonic仕様でも? ビデオデッキなどアナログ録画機器の時代から感じていたことですが、メーカーの悪しき伝統は、いつまで経っても変わらないのでしょうか…。
BDレコーダーを販売していながら、録画用BD(ディスク)の製造をやめてしまったメーカーに、何を言っても無駄ですかね…。
ちなみに、予約録画終了時刻の数秒前に録画が終わる(停止する)仕様も、2Kモデル時代から変わりません。番組枠の終了時刻ギリギリまで放送されると、番組のラスト2~3秒が切れてしまう困った仕様です。

SONY:BDZ-FBT4100

Panasonic:DMR-4CT401で感じた不満点は、全て問題なし。
3番組同時の長時間モード録画中にダビングしようが、終了時間と開始時間が同じ予約をいくつしようが、編集しようが、視聴チューナーが4Kだろうが、DRモード変換など行われません。
余計な機能もないため、リモコンの使い勝手や、各種動作・作業に気を使う必要もなく。素晴らしい。(というか、それが当たり前なのでは?)
が、手放しでは喜べない難点がいくつも…。

動作フリーズやエラーが頻発

いちばんの問題は、(おそらく)内蔵・搭載メモリ容量が少なすぎること。必要最低限か、それ以下のメモリしか実装していないのでは…。
おかげで、頻繁に動作がフリーズします。予約録画に失敗するなど致命的なエラーは吐きませんが、以下のような事象が頻発するので…。

  • 録画中に別番組の編集を行うと、早送りや巻き戻し状態のまま動作を受け付けなくなる。
  • EPG(番組表)がスムーズに動かず、数秒ほど一切の動作を受け付けなくなる。

要は、負荷が高まる動作時にフリーズするんですね。メモリ不足のPCがディスクへのスワップを繰り返し、フリーズ状態になる現象と同じような。単純にシステムプログラムにバグがあるだけかもしれませんが…。
ただし、基本的な動作はPanasonic機より圧倒的に早い。(パナ機が遅すぎてイラつく)

(2024.09追記)
また、訳がわからないエラーも起こります。
例えば録画済番組を削除しようとした際、「他機器と接続中なのでNG」的なエラーメッセージが出て、削除できない。
家庭内LANで繋がった機器とのDLNA絡みだろうとは思いますが、根本的な発生要因は不明。唐突に発生し、電源オフでの再起動をしても変わらず。リセットボタンを押して強制リセット・再起動すると、フツーに削除できるようになるのですが。もう呆れますね。
(追記ここまで)

録画番組一覧表示に難あり

録画番組の一覧まとめ表示にも、問題が。Panasonic機は(2Kレコーダー時代から)まとめ表示する番組を自由に選択できますが、こちらはダメ。レコーダーが番組名から同じ番組かを判断し、「まとめる」or「まとめない」を決める仕様なので、融通が利きません。
同じ番組でも、タイトルの英語表記が大文字か小文字か、数字が全角か半角か、「-」「ー」の違いなど、EPGの表記次第でまとめ表示になったりならなかったり…。
別扱いされてしまった番組をまとめるには、番組名表記の違いを見極め、タイトルを手動で修正するしかありません。ものすごーく、手間! なぜ、利用者に(好きなように)まとめさせてくれないんでしょか。いかにも、SONY的な考え方かもしれませんが…。

また、録画タイトル表示の文字数が、最大で全角40文字(半角80文字)と少ない。英字や数字をすべて全角で表記するバカヤロウなEPGが少なくない中、これでは足りません。まぁ、近年の(ラノベ原作)アニメに多い、やたら長いタイトルもやめて欲しいところですが…。
Panasonic機の最大文字数は不明ですが(取説がわかりにくすぎて記載を見つけられない?)、SONY機よりは明らかに多いわけで。こうした使い勝手に直結する部分を、どうして削ってしまうのか。これまた、SONYらしいといえばそれまででしょうが…。

(2024.09追記)
このまとめ表示では、番組Bを録画中に、録画完了済みな番組Aを視聴した場合、けっこうな頻度でバグが発生します。
番組Aの視聴後(まだ番組Bは録画中)に録画済番組の一覧画面を開くと、録画中番組Bのまとめ表示に、番組B録画中に視聴した番組Aが混ざってしまいます。毎週録画された番組B表示の最上部に(最新回として)番組Aが表示される状態に。
この状態から番組Aの編集などをしようとすれば、完全な挙動不審に…。怖いのでそれ以上はしませんが、仮にこの状態で番組Aを削除などしたら、番組Bのほうが消えてしまうかもしれません。
いったんホーム画面に戻り、再び録画済番組一覧画面を開けば直っているので、完全にバグでしょうね。そうなる度に「またか」と慣れてしまいましたが、あり得ない挙動なので、本来は容認すべきじゃないと。
(追記ここまで)

録画予約が2ヶ月先までしかできない時代遅れ仕様

番組予約の期間が、今どき2ヶ月間しかない仕様も「はぁ?」。
Panasonic機は1年間なので、雲泥の差。2ヶ月以上先の番組を(時間指定)予約できないなんて、いつから進化してないんでしょう。
録画予約のインターフェイスに関しては、時間指定予約時の時刻が12時間(AM・PM)表記なのも困りもの。好き嫌いもあるでしょうが、午前と午後を間違えるリスクに、絶えず気を遣わなければならないので。なぜ24時間表記じゃないんだ…。

スカパー!プレミアムの予約録画に欠陥

スカパー!プレミアム(外部チューナー/LAN接続)のアニメ専門チャンネル、AT-Xの録画でも問題発生。視聴年齢制限がかかった番組の、直後の番組を予約録画すると、放送の冒頭部が10秒近く欠けてしまうのです。どうやら、視聴年齢制限の解除でタイムラグが発生するらしく…。
カスタマーセンターとのやりとりでわかったのは、これが2Kレコーダー時代にはなかった問題で、4K対応モデルから生じた事象なこと。同モデルが新規発売された当初から把握されていた事象にもかかわらず、数世代を経ても改善されていないこと。プログラムのバグなのか、ハードウェア的な問題なのかは不明ですが、次期システムを開発するまでは(少なくとも4K対応モデル世代の間は)修正する気がないようで(呆)。
視聴年齢制限番組を録画するわけでもないのに、年齢制限が悪さをするって…。その後、AT-X契約をスカパー!(内蔵チューナー)に変更し、事なきを得ました。「内蔵チューナーのスカパー!では生じない問題なのだから、いいだろ?」と、ソニーから言われているような…。
ちなみに、Panasonic機でも同様に、視聴年齢制限解除によるタイムラグが発生します。が、そちらは「言われれば気づく」程度で、せいぜい2~3秒。AT-Xの各番組は、放送枠の冒頭(本編開始前)に5~10秒ほどチャンネルロゴを使ったフィラー的なタイトルが流れるので、Panasonic機での録画はそれが一部欠ける程度。いっぽうSONY機は、その後に始まる本編冒頭部ギリギリまで欠落してしまいます。本編が欠けたかどうかは判別が難しいものの、精神衛生上、とてもよろしくないわけで(苦笑)。

ディスクトレイが出てこなくなる

(2024.09追記)
使い始めてから約2年間で、覚えているだけでも4~5回は(リモコンや本体の開ボタンを押しても)ディスクトレイが出てこない事象に遭遇。
リセットボタンで復活することもあれば、何度リセットしても動かず、本体前面のディスクトレイ部を何度か引っ叩くと動いたことも。もう何なんですかね、これは。叩いたら動くなんてアナログ前時代的な動作から、明らかに機械的な不具合ではないかと。安物としか言いようがない。
(販売価格は総じてPanasonicより高いのに)
かといって、メーカーサポートに出せば「修理」でなく「交換」になることは明らか。アナログ時代と違い、昨今のメーカーサポートは全パーツ使い捨てで、「修理」などしませんから。
で、ディスクドライブ交換になると、ファームウェアから何からリセットは必然。HDDもフォーマットされ、録画済コンテンツは全て消失。それを救出しようにも、ディスクを使えなければ直結しかなく、そのためにはレコーダーをもう1台、新規に購入しなければならない…。それこそ馬鹿げた話で。
なわけで結局、ビビりながら使い続けていると。
(追記ここまで)

製品としての完成度に疑問あり

最初にも触れた通り、こと「録画」に関する使い勝手はPanasonicを上回ります。
それだけに、融通が利かないユーザーインターフェイス、不安定な動作やシステムが残念で。完成度という意味でも、製品として販売するレベルに至っていないような。いつBDレコーダー市場から撤退してもおかしくない状況に、多くを望んではダメなのかもしれませんが…。
この個体は2022年6月上旬に購入し、その直後からの長期不在中に録画予約失敗が多発。帰宅後の7月初旬、サポートから「初期不良なので交換する」といわれてメーカーに送ったところ…半月も経ってから「症状再現ができず、そのまま返す」。もちろん納得できないので、やりとりを繰り返した結果、システムをリセットすることに。その作業にも日数を要し、手元に戻ってきたのは8月末のこと。
6月上旬に購入して、まともに使えるようになったのは9月頭という、フザけた話だったりします。
つまり、メーカーサポートがシステムをリセットし、動作確認後に返却されてきた個体での問題点だと(呆)。

BDレコーダー・リモコン
【両機のリモコン(左:SONY BDZ-FBT4100/右:Panasonic DMR-4CT401)】
【右(Panasonic)の赤枠で囲んだ部分が、邪魔な新機能ボタン】

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