今年も、何かと話題な(不平不満いっぱいな)二輪車定率割引が発表されました。
要は「二輪車の高速道路通行料金が軽自動車と同じなのはおかしい」「二輪車は普通自動車の半額相当が適正」との考え方から、現状の「軽自動車と同じ」料金から37.5%を割り引くというもの。なぜ37.5%という中途半端な割引率なのかといえば、それで普通自動車の半額になるから。
昨年までは100km以上の走行に適用でしたが、今年は80km以上の走行に条件を緩和。でも、それで「利用しやすくなりました!」と謡う姿勢には呆れますね。そもそも二輪車の適正な通行料金を考えるなら、距離制限を設けるほうがおかしいわけで。
*2024年:二輪車定率割引
- 適用期間:4月6日(土)~11月30日(土) *昨年までと同じく4~11月の土日祝日 *北海道は10月27日(日)まで
- 対象車両:ETC搭載車
- 対象道路:NEXCO三社および宮城県道路公社が管理する高速道路
- 第三京浜道路、横浜新道、横浜横須賀道路、第二阪奈道路、第二神明道路、関門トンネル、沖縄道、東京湾アクアライン(走行距離判定には含む)を除く
- 対象走行距離:80km以上
- 割引率:37.5%(通常=平日ETC通行料金比)
土日祝日のETC利用限定との条件が付くため、実際の通行料金はETC休日割引との比較に。
ETC休日割引(地方部)は30%割引なので、そちらを適用した普通自動車との割引差は7.5%に過ぎません。数百円から、せいぜい1,000円程度の違い? これが、最初の落とし穴。
次に引っかかりやすい罠が、無料区間や一般道(自動車専用道バイパス等)を挟んでも「一走行(80km以上)と見なす箇所」。
NEXCO各社共通のニュースリリースには「一走行と見なす箇所」が別紙扱いで記載されています。
個人的な利用形態では、東富士五湖道路:須走IC~新東名・東名の御殿場間が問題に。中央道から東富士五湖道路~須走道路を経由し、新東名・東名までが「一走行」と見なされるかどうかで、利便性がけっこう変わるのです。
で、件の別紙「一走行と見なす箇所」を見ると、以下のように記載されています。
- 東富士五湖道路 須走IC(須走料金所)⇔御殿場IC(御殿場料金所又は御殿場東料金所) 東名高速道路
つまり、東富士五湖道路の終点:須走IC~須走道路(無料自動車専用道)・御殿場バイパス(一般道)~東名:御殿場ICと走行する分には、有料高速をいったん降りても「一走行」と見なされるわけです。
例えば、中央道:上野原ICから東富士五湖道路:須走IC~国道138号経由で東名:清水ICへ向かう場合。上野原-須走と御殿場-清水の走行距離はそれぞれ80km未満で二輪車定率割引の対象外ですが、特例で一走行と見なされ、2区間の合計距離は80km以上になるため、同割引が適用に。
ん? じゃ、新御殿場ICから新東名に乗ったら?
須走ICから須走道路・御殿場バイパスを御殿場方面へ走ると、まず新東名:新御殿場ICが現れます。その先で新東名の高架をくぐり、さらに数km走ると、東名:御殿場ICへ。この新御殿場IC~御殿場IC間は御殿場市街地を通る一般道で、絶えず渋滞気味。手前に新東名のICがあるのだから、西へ向かうなら新御殿場ICから新東名へ…とは、誰もが考えるはず。
が、前述の別紙「一走行と見なす箇所」には、新東名(新御殿場IC)が記載されていません。
念のため当該区間を管轄するNEXCO中日本に問い合わせても、答はNO(新東名:新御殿場ICは一走行の適用外)。
「はぁ?」という感じですが、その理由を説明されて納得(仕方ないと思っただけ)。
- 二輪車定率割引は、従来からの割引区間・条件、「一走行と見なす特例区間」等を前提にしている
- 東富士五湖道路~御殿場IC経由の東名は、従来から各種割引で「一走行と見なす特例区間」だった
- 東富士五湖道路~新御殿場IC経由の新東名は、従来からの「一走行と見なす特例区間」になっていない
いやそれ、「従来の一走行と見なす特例区間」が、新東名の開通以前に定められただけでは?
新東名(新御殿場IC)の開通後、制度を見直していないだけなんじゃ?
フザけた話だとは思いますが、東富士五湖道路から新御殿場ICで新東名に乗った場合、「一走行」にならないことは確かなようで。
今秋には国土交通省が高速道路通行料金見直し(重量区分けの細分化?)に向けた動きを始めるようですが、早いとこ二輪車が軽自動車枠から外れ、別扱いになることを願いますわ…。
*追記
関連記事:「東名リニューアル工事の迂回料金調整は、二輪車定率割引だと対象外」
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