Welcome to airkyon.com , enjoy your stay!

JR日豊本線、竜巻による脱線横転事故

2006年9月17日 - Posted by reibo - Inside [Traffic] Railway   このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加
17 9月.

 宮崎県延岡市のJR日豊本線・南延岡駅構内で、17日14時05分頃、別府発宮崎空港行の特急『にちりん9号』(485系5連/レッドエクスプレス仕様)が脱線、先頭2両が横転。
 同列車は、一駅手前の延岡駅にて、台風の影響から南延岡以南の運転打ち切りが決定。終着目前での事故ですか。。。が、そのためか乗客が30人と少なかったのは不幸中の幸いですね。負傷者は5人だったそう。
 原因は、どうやら竜巻。九州上陸を果たした台風13号の影響でしょうか。
 しかし、昨年末のJR羽越本線『いなほ』が、やはり竜巻で脱線転覆した件に比べると、ずいぶん報道が少ないような。。JR福知山線事故から1年以上経過している、事故の規模がやや小さい、東京から遠い宮崎県の事故、死者がいない、3連休中など、諸事情はあるでしょーが、“風と鉄道”の問題であることに間違いはないわけで。


 くしくも、12日に国土交通省から「45の鉄道事業者が全国370カ所に風速計を新設、増設する」という発表があったばかり。
 これはJR羽越本線事故を受けて発足した鉄道強風対策協議会の中間報告によるもので、風速計の設置箇所が、現在の152事業者1,009カ所から162事業者1,379カ所に増加するそう。JR、大手私鉄、公営地下鉄は今年11月末までに、中小私鉄は2007年度末までを目処に設置。
 JR各社の内訳を見てみると、

 と、JR東日本の設置箇所が圧倒的に多いんですね。日本海沿岸の強風路線で知られる羽越本線、五能線を管轄するとは言え、ここまで多いのは、やはり「事故再発を防止します」というアピール意図の表れでしょうねぇ。
 いっぽう、同様に強風注意箇所を多く持つ山陰本線、北陸本線を管轄するJR西日本の5カ所とは…調査中とは言え、どうなんでそ。現在の設置箇所データがないので、新設数だけを論じても意味がないのかもしれないけれど。山陰本線では、1986年、餘部鉄橋で突風による転落事故(死者6名、重傷者6名)という、鉄道史に残る大惨劇も起きているだけに。。。
 ちなみに、当時の餘部鉄橋の列車停止風速は25メートル。このときは、警報が作動しているにも関わらず列車を停止させなかった人為的ミスによる事故だったわけですが、事故後、同区間(香住−浜坂)は風速20メートル以上で運転中止することに改められました。
 なお、羽越本線では昨年の事故を経て、運転中止風速が30メートルから25メートルに、時速25km制限が25メートルから20メートルに改められています。餘部鉄橋事故が当時の国鉄の風対策を見直させたように、今後は、餘部鉄橋と羽越本船事故の両件が、JR各社の風対策の基本となっていくのでしょう。

 とか思っていた矢先の、今回の日豊本線での事故。
 今年3月には、国土交通省が「運転規制の判断は平均風速ではなく瞬間風速で行なうよう」、各鉄道事業体に指示。JR九州でも瞬間風速による運転指示を行なっていて、その規制は他JR各社より厳しいものだとか。
 先の報告によるJR九州の風速計新設箇所は、わずか3カ所。当該区間は香椎線、筑肥線で、日豊本線への新設はなかったものの…仮に今回の事故の当該区間に風速計が増設されていたとしても、事故が防げたかどうかは疑問でしょうね。
 竜巻の発生は突発的で、風速計の増設でどうにかなる問題ではないですからねぇ。もちろん、抑止効果はそれなりにあるでしょうが。。
 今回の事故当時も、現場から約2キロ離れた五ケ瀬川橋梁で38〜40メートルの突風が計測されたとか。その30分ほど前には、同橋梁で20.5メートルの風速を記録。『にちりん9号』は一駅手前の延岡より南延岡まで時速25km以下の速度規制指示を受け、徐行運転で南延岡駅構内に進入したところ、架線にトタンが引っかかっているのを運転士が発見。非常制動で停止したにもかかわらず、突風で横転してしまったんですね。駅構内なので通常運転時でも速度は低かったでしょうが、早めの安全対策が功を奏してこの程度の事故で収まった、とも言えそう。
 同区間の運転規則は、風速20メートル以上〜25メートル未満で時速25km以下の徐行運転、風速25メートル以上で運行停止、という一般的なもの。40メートル近い風速が記録され、運行停止指令を出したとしても、その時点で走行中の列車は竜巻に見舞われているわけですからね。
 また、事故直前に同橋梁で計測された風速は、一時的にせよ10メートル以下まで落ちていたそう。このことからも、突風=竜巻発生による事故予測は不可能だった…と言うJR九州の発表はもっとも。

 それにしても、羽越本線『いなほ』同様、軽量化以前の、国鉄時代に製造された重量級の485系(先頭車両は重量43トン、2両目は44トン)が横転するのだから、相当な威力でしょう。しかも、今回は走行中ではなく、停止状態の車両。羽越本線事故の場合、列車が時速100km程度で走行していたため、様々な浮力が働いて脱線転覆したと言われているのですが…。
 過去の例を見ても、突風による脱線転覆事故は走行中の列車に起きたものばかり。停車中の車両が横転したケースはなかったはず。映画『ツイスター』のような大竜巻が全てを破壊し尽くすなんて、日本では起こりえないことだと思っていましたからねぇ。
 その後の調査で、今回、延岡市で110人の死傷者を出した竜巻は、竜巻の威力を表す六段階分類(Fスケール)でF3(風速70〜92メートル)だった可能性が高いとか。F3相当の竜巻は国内でも数例しか確認されたことがないそうで、要は国内最大規模の竜巻だったんですねー。

 そのいっぽうで、JR九州の安全対策には、以前から疑問を抱いていたのも確か。九州へ行く度に、何かしらトラブルに巻き込まれるので…。福知山線や羽越本線のような大事故が起きていないため大々的には報道されないものの、トラブルの発生頻度が尋常ではないのでは?
 そもそも、事故から7時間が経過した21時になっても、公式サイトに事故、日豊本線不通の案件が掲載されていないとは…。これも毎度のことですからねぇ。
 正直、次に鉄道大事故が起こるとしたら九州かな…。個人的にはそう思っていただけに、それが誤りであり、今回の件で体質改善が進んでいるとわかった…のであれば、いいのですが。

関連記事&資料
  Check  拍手する

コメントを投稿する

CAPTCHA


*