甲子園の夏の高校野球も盛り上がってきたところですが、今年もやっぱり気になるのが、いわゆる野球留学に関すること。大会公式プログラムにも指定されている週刊朝日・増刊号を元に、出場各校の県外出身者数を一覧にしてみました。
とは言え、ただ県外出身者数を出すだけではあまり意味がない。私立であれば、立地や条件によっては隣県エリアから越境通学するのが当たり前だったりもしますからね。自分の出身校である東京の私立校も、運動部とか関係なく、一般生徒の4割は都外からの通学者でしたから。なので、県外出身者数とは別に、隣接県を除いた“遠隔地”出身者数も同時に数えてみたと。
遠隔地の出身でも、家庭の事情や様々な背景からそうなっているケースもあるでしょうし、遠隔地=野球留学とは一概には言えません。ただ、その数がかなり多ければ、そうなのかな? と思うわけで。
それと、付属中学の出身者数もカウントしてみることに。付属中学卒業=県内出身になるとしても、最近は中学から野球留学するケースも少なくないらしいので…。ある意味、中高一貫教育ではあるのだけれど。。
お見事なのは島根・立正大淞南(苦笑)。なんと県外出身者率100%です。それも関西&神奈川が全てで、島根県はおろか、中国地方の出身者すら皆無という…。恐れ入りました。
お馴染みの野球留学校では、山形・酒田南や大分・明豊に、青森・青森山田も予想通り。毎度、大阪代表のような酒田南は今年もレギュラー9人中6人が大阪。これでも例年より少ないですね。明豊は隣接県の福岡を含めると県外数値が跳ね上がる…のも例年通り。青森山田は、遠隔地出身者+附属中学出身者がベンチ入り18人17人を占めるという結果に。ある意味、立正大淞南と肩を並べる?
山形や青森からは、もう純粋な地元校の出場は難しいんでしょうねぇ。。
付属中学出身率では、高知や静岡・常葉橘も高いですね。いずれも中高一貫が基本の学校だからだろうと思うのですが、常葉橘の系列校・常葉菊川は、オール愛知&関西とでも言うべき陣容で甲子園を湧かせたので…そのへんはよくわかりません。
いっぽう初出場校はどうかと言えば、石川・日本航空石川がすごい。「能登地区から初の出場」と言われてもなぁ。。。日本航空は山梨の本校が出場したときも同様なので、これが方針なんでそか。
同じ初出場校では、香川・寒川も。石川や香川、それに山梨には、こうした留学校が多いですねぇ。山梨・山梨学院大付は隣接県の東京・神奈川の出身者が大半ですが、隣接県と言っても、東京や神奈川からわざわざ山梨の学校へは通わないよ。
かつては野球留学校として知られた福井・敦賀気比は、意外に地元出身者が増えてますね。久々の出場ですが、それなりに地元に根付いてきたということでしょうか。
逆の意味で意外だったのは、京都・龍谷大平安。古豪・平安=名門のイメージですが、京都出身者4名を除くと、オール大阪・兵庫軍なのでした。古豪の名前を守るためには、形振り構っていられないのかなぁ。京都代表も近年は関西選抜の学校が増えてきて、そうしないと予選を勝ち抜けない? 滋賀学園が関西選抜でも驚かないけれど、平安が関西選抜だと驚いてしまうわけで(^^;;
そう考えると、毎回、ほぼ地元出身者で占められるPL学園や智弁和歌山の強さが、改めて浮き彫りになってくる。他府県の関西選抜校が寄ってたかって戦っても敵わないこの2校は、やっぱりすごい?
で、別にね。野球留学を全面的に否定するつもりはないのですよ。
夢を抱いて野球に取り組んでいるのだから、憧れの指導者の下で実力を磨きたい。そう思うのは当然のこと。指導者次第でどうにでも変わってしまうのが高校野球ですから。
その意味では、かつて東北を率いた名将・若生監督を慕って全国から選手が集まる、福岡・九州国際大付なんかは「それもありかな?」と思えなくもない。わざわざ激戦区の福岡へ行くのだから、安直に出場しやすい弱小県へ留学するのとは話が違うので。
同じ九州で気になったのは、長崎日大に沖縄から2人行っていること。なんで? と思ったら、選抜優勝の沖縄尚学を率いた金城監督が、現・監督なんですね。なるほどなぁ。
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