6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震。
当日昼頃からずーっとテレビ中継にかじりついていたのですが、ヘリの映像に映し出された、見覚えがある駒の湯温泉の痛々しい姿には…。おそらくヘリからの映像による第一報を見たのだと思いますが、「エッ」と目を疑いました…。
亡くなられた方のご冥福をお祈りしますが、いっぽうで営業再開は難しいのでしょうね…。こうした被災に遭われたからこそ、それを乗り越えての営業再開を願うのは、やはり勝手な想いなのかもしれません。。
徐々に被害の全貌が明らかになっていくうち、なかなか情報が出てこなくて気がかりだったのが、国道398号線沿いの花山三湯(温湯温泉・湯の倉温泉・湯浜温泉)。398号線が寸断されて孤立状態にあることは容易に想像できましたが…。
そして後日、せき止めダムにより増水した迫川の泥水に屋根まで浸かり、無残な姿を見せる湯の倉温泉に絶句…。昭和4年(1929年)に建てられたと言われる趣深い旅館が水没し、あの赤い屋根しか見えない状況になっているのですから…。例え398号線が開通しても、営業再開には相当な日数と困難を要するのでは…。花山三湯が二湯になってしまわないことを願うばかりです。
当初は、三湯の中ではもっとも上流にあたる湯浜温泉が、いちばん被害が大きいのではないかと心配したものですが、こちらは大きなダメージは受けていない模様ですね。398号線が開通するまでは、休業も致し方ないところです。
同時に、温湯温泉・佐藤旅館の、あの古い旧館は大丈夫だったのだろうか…というのも気がかりで。大正時代から昭和初頭にかけて建築されたと言われる建物で、明治〜大正モダンをも感じさせる趣には、とても心を惹かれるものがあります。現地の正確な震度がどれぐらいだったのかわかりませんが、倒壊したというニュースは聞かないので、一安心…なのでしょうか? 398号線が寸断されているため孤立化し、現状の詳細が不明なようです。お湯が止まったとの情報もあるのですが、果たして…。
いっぽう岩手県側では、一関市厳美町の一関温泉郷にある真湯温泉・真湯山荘が、被災により営業再開を断念するという残念な報道もありました。国道342号線が寸断されて開通〜営業再開の目処が立たないためとのことですが…。もともと営業的に窮地だったこともあり、体力的に再開を待てないのでしょうね。。。
その他の休業中の温泉は、いずれも道路開通とともに営業再開という状況なようで、何よりです。
また、秋田県側では、湯沢市の大湯温泉・阿部旅館で源泉の一つが止まり、もう一つの源泉にも濁りが出ているそう。いずれも一時的な現象なら良いのですが…。報道では「100年前から使っていた源泉が止まった」とあるので、あの、140年前に作られたという河畔の湯小屋のほうなのでしょうね。大湯温泉の名物が消えてしまうとしたら、悲しいです。。。
*岩手県で震災により全面休業中の温泉
真湯温泉、祭畤温泉、須川高原温泉、ひめかゆ温泉(クアパークひめかゆ)、国見平温泉、黒滝温泉
*秋田県で震災により全面休業中の温泉
須川温泉
*2008.06.26、追記
報道によると、湯の倉温泉周辺のせき止めダム(土砂ダム)の水抜き=排水工事が始まるそう。
完工まで2年はかかるという予測もさることながら、排水路の最低部は湯栄館が建っていたところより数メートル高くなるため、完全な排水は無理だという見込みが…。つまり、建物は3メートルほど水に浸かった、半水没状態のままで放置されると…。工事を担当する国土交通省東北地方整備局によると、「営業再開は無理」らしく…。
絶望的なのでしょうか。。。
*2008.07.05、追記
休業中だった須川温泉の栗駒山荘が、7月6日から日帰り入浴を再開。
ただし、国道342号線が17時〜09時まで通行止めになるため、入浴受付は16時まで。16時半までには館内の利用客がゼロになるよう指導を受けているとか。宿泊のほうは、壁にヒビが入っている3階を除く1〜2階の客室を使い、10日から再開の予定。
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