東京−苫小牧フェリー航路が廃止に

[Traffic] Misc

 東京から北海道への旅客フェリーといえば、かつては釧路への近海郵船(現・近海郵船物流)、苫小牧へのブルーハイウェイライン(日本沿海フェリー/現・商船三井フェリー)が人気だったもの。長距離フェリーが華やかだった時代ですね。
 が、釧路への航路は1999年で休止され、航路自体は存続したもののRORO船化。利用機会を逸しました。
 苫小牧航路のほうは、1995年に一度だけ(徒歩で)利用したことがあります。
 何度めかになる北海道旅での、いわば気まぐれオプションですね。東京湾を出るまでに丸一日かかり、こりゃ効率が悪いよなぁ…と思ったものです(苦笑)。5月末の閑散期だったこともあり、乗船したさんふらわぁさっぽろの船内はガラガラ。早朝の苫小牧港で下船しても連絡バスなどはなく、路線バスは数時間後。仕方なく苫小牧駅までタクシーを利用したところ、数千円もかかって泣いた覚えが…(苦笑)。
 苫小牧西港なら、そこまでの金額はかからなかったでしょうが。東京からのフェリーは、苫小牧市街地から遠く離れた、苫小牧東港に発着していたわけで。当時は、苫小牧にフェリーターミナルが2ヶ所あることも知りませんでした。まぁ、純粋な徒歩利用客なんて自分だけだったようですし…。
 そうした効率の悪さ、利便性の低さが利用率の低迷にも繋がったのか、その後は旅客扱いをやめ、貨物フェリー化されることに。
 余談ですが、九州へのオーシャン東九フェリーが発着する有明ターミナルビルは、当時から苫小牧便との共同利用でした。フロアの半分が商船三井フェリーの苫小牧便用(貨物専用)なので、オーシャン東九フェリーを利用する度、回顧に浸っていました。閑散とした苫小牧便の窓口周辺を眺めては、かつてここで乗船券を購入し、乗り込んだよなぁ…と。

 とはいえ、無人車航走で利用する機会があるかも…とは思っていました。
 北海道への旅客フェリーが発着する、東京からもっとも近い港は大洗。でも、高速に乗れない125ccでは遠く、東京・有明フェリーターミナルからの無人車航走は利便性大。自分は飛行機で行けばいいわけで、今年は久々に(バイクでは初めて)北海道へ渡ってみようかと。

 が。3月末をもって同航路の廃止が決定。
 長距離フェリー受難の時代とは言え、1975年から運航されてきた伝統ある航路だけに残念です。
 2005年には川崎-宮崎のマリンエキスプレス(日本カーフェリー/現・宮崎カーフェリー)が廃止され、今度は苫小牧便まで…。
 首都圏発着で残る長距離航路は、徳島・門司へのオーシャン東九フェリーだけに。でも、九州を旅するなら南下したいと考えるのがフツーなので、門司は北すぎて不便。大分へのシャトルハイウェイラインは、出港地の横須賀が大洗と同じぐらい遠いし…。
 いっぽう北海道へ向かう航路は、大洗からの商船三井フェリー(苫小牧便)、新潟からの新日本海フェリー、仙台からの太平洋フェリー、もしくは八戸・青森まで自走という選択に。いずれにしても、乗船までの距離と時間が…。
 
 4月からの東京-苫小牧航路は、近海郵船物流と川崎近海汽船が共同運航するRORO船に変更されます。これまでがRORO船でなく貨物フェリーだったこと自体、奇跡なのかもしれないですね…。

 *商船三井フェリー:Information 「(貨物フェリー)東京~苫小牧間貨物定期航路の休止及び共同運航解消のお知らせ」

お客様各位 2007年1月22日

川崎近海汽船株式会社(代表取締役社長:荒木 武文、本社:東京都千代田区)と商船三井フェリー株式会社(代表取締役社長:中村 清次、本社:東京都港区)は、この度、下記のとおり東京/苫小牧間の定期航路を本年3月末で休止し、共同運航を解消することといたしましたのでお知らせいたします。

1975年(昭和50年)北海道/首都圏間の大動脈として、苫小牧〜東京間に「貨物フェリー」として営業を開始、1999年(平成11年)からは、現在の高速船での運航を行い、今日まで30有余年に亘り、北海道と本州を結ぶ幹線航路として、その役割を担ってまいりました。
しかしながら、当該航路運営は昨今の原油価格高騰の影響により現行のまま本航路を継続することはきわめて困難な状況となり、現在まで合理化対策等の諸施策を行い、航路の維持、ご利用の皆様への安定的サービスの提供を目指し航路運営に努めてまいりましたが、両社による合理化努力では限界があり、誠に遺憾ではありますが、2007年3月(平成19年3月)をもって、本航路を休止することを決定いたしました。

同社プレスリリース

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