キャベツ

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 先月中旬のことですが、昔からよく行っていたトンカツ屋に久しぶりに寄ってみたところ、付け合わせの千切りキャベツの量が激減しているのに驚き。ほとんどお供え物のよう(^^;; 定食の値段は変わらないので、キャベツの値上がり分だけ減らしました、てな感じ。
 そのキャベツ、卸・小売価格とも昨年同時期の3倍という高値だそうで、今年の異常気象、上陸台風の多さがこんなところにまで影響しているのか…と思いきや、実は他にも理由があるらしい。

 ちょっと調べてみたところ、キャベツには大きく分けて春系・冬玉の2種類があり、それぞれ細かな品種を組み合わせると真夏を除いてほぼ一年じゅう育成収穫ができるものなんですね。で、その春系を代表するのが金春という品種。柔らかくて食味が良いことから、“春キャベツ”の代名詞でもあるそう。
 ところが、今年6月頃から、正常に育たない種が金春の種として販売され、そのまま産地で蒔かれてしまったのだとか。8月頃からは産地でも「(育ちが)おかしい」との声が出始め、9月になって販売メーカー(サカタのタネ)が調査したところミスが発覚。が、そのミスが判明、公表されたのは10月18日のことで、既に種が蒔かれてしまった畑では11月の収穫期を迎えても商品にならないキャベツしか育っていない…という事態に発展しているのだそう。
 産地では慌てて種蒔きをやり直しているものの、次の収穫・出荷は来年3〜4月になるとのことで、ただでさえ発育不足で品薄・価格高騰しているキャベツ市場にさらなる打撃を与えることになったと。

 なんだかなぁ。そもそもこの“金春”という品種の種は人工的な異品種受精によって作られるそうで、その採種段階で種を取り違え、さらに出荷前の点検でもそれを見逃した、メーカー(サカタのタネ)の二重ミスが原因だそう。同社サイトの謝罪文によると、問題の種は《キャベツ「金春」20ml袋詰種子のロット番号「#198025」》だそうで、販売期間は2004年6月18日〜9月8日。ちなみに、こうした種って20mlパッケージに約2,200粒が入っていて、販売価格はおよそ¥4,000なんですね。一粒2円ぐらいなのか。。。
 なお、この問題の種は全国に12,775袋(約5,000万円相当)が出荷され、そのうち4割が九州なのだとか。そのため福岡市場ではキャベツ不足が深刻で、急遽、中国からの大量輸入に踏み切っているそう。

*関連記事:西日本新聞WEB(2004.10.19)
(元リンク先:http://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/20041019/morning_news017.html)

 この品種は寒さに弱いため、出荷先の北限は神奈川県あたりまでのよう。首都圏でも知られる“三浦半島の春キャベツ”って、これだったのか。。。ここ数年は耐寒性のある《春々丸》という品種が増え、グリーンスターというブランド名で多く出荷されているそうですが。とは言え今回の金春事件は神奈川県でも被害が出ていて、少なからず首都圏への出荷にも影響を与えているんでしょうねぇ。

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