バイクでも高速道路走行時は停止表示灯が必要
以前は四輪車用だと思われていた非常時の「停止表示灯」ですが、近年はバイクでも(高速道路を走行する際は)所持を義務付けられていることが知られてきました。
四輪車では、「三角停止板」を車載することが一般的でしょう。
でも、四輪車用の三角停止板は大き過ぎて、バイクには積めません。なわけで、バイク用(=バイクでも使えそうな)停止表示灯をいくつか購入し、いろいろわかったことをまとめてみます。
バイク用の小型サイズ三角停止板 エマーソン:EM-359
小型化されたバイク用の三角停止板も販売されているので、実際に購入してみましたが、やはりデカい…。
メットインがあるスクーターならともかく、通常のバイクではトップケースやサイドケース・バッグに入れるしかないわけで。しかも、けっこうなスペースを食ってしまいます。
製品自体はよくできていて、特に問題もなさそうだっただけに、収納に問題がないならお勧めでしょう。
ニューレイトン:EM-359 エマーソン バイク専用三角停止表示板
(エマーソンは同社の自動車用品ブランド名)
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【組み立ては簡単。収納ケースが三角板のベース固定部を兼ねる設計で、良く考えられた製品です。バイクに固定するベルトも付属】
LED発光式の停止表示灯 エーモン:パープルセイバー
ちなみに、道路交通法の停止表示灯に関する項目を要約すると…。
- 昼間200mの距離から確認できる
- 反射光や蛍光は赤色 *三角停止板が赤色な理由
- 発光タイプの発光色は紫色で、点滅式であること
- 停止表示器材を使わず停車していた場合、「故障車両表示義務違反」で反則金と違反点数が課せられる可能性あり
なるほど、三角停止板の代用品として認められている、LED発光式の停止表示灯もあるのか。
そこで導入してみたのが、LED発光式のエーモン:PURPLE SAVER(パープルセイバー)。
確かにコンパクトで、三角停止板とは大違い。サイドケースキャリア装着の小物入れ(BUMOT純正品)にも、余裕で収まります。
幸か不幸か利用機会はなかったものの、これで停止表示灯はOKかと思っていたところ…。
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積みっぱなしで半年ほど経過した頃、電池は大丈夫かと取り出してみれば、点灯しない。電池切れかとチェックしても問題なく、「???」となったところで気づきました。
この製品は、電池収納スペースの蓋が製品下部にあり、スライドして蓋を取り外す仕様。蓋の裏側が電池用端子を兼ね、電池を抑え込むように閉めるのですが、時間経過とともに、蓋のスライド部がバカになってくるんですね。カチッと閉まらなくなり、ちょっと浮き気味になった結果、接触不良を起こしてしまう。
安物のライト類によくある、ほぼ確実に接触不良となるダメ仕様。かつて購入した安物ミニ蛍光灯ライトも同様で、蓋をガムテープで留めたものの、すぐ点灯しなくなるため廃棄処分に…。
また、点灯するための押し込みボタンがヤワで、小物ケース内で他のモノに触れると電源が入ってしまう。小物入れ内で点灯し続けた挙げ句、電池切れに。
コストダウン製品故でしょうが、上記2点の安直な設計(=設計ミス)から、肝心なときに使えない可能性が否定できません。非常用に持ち歩く製品としては、うーん…。
【赤枠で囲んだ部分が問題。3枚目は防水カバーで覆われているためわかりづらいが、当該部分をガムテープで固定。防水カバーを外し、テープを剥がした4枚目では、電池蓋が浮いている。このままでは接触不良で点灯しない。経年劣化どころか、1年も経たずにこうなる】
パープルセイバーのバイク専用品:パープルセイバーMoto
こりゃアカンと思っていたところ、バイク専用の新モデルとして、PURPLE SAVER Moto(パープルセイバーモト)という製品が発売されていました。
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より小型化され、ミラーに付けて使用する方式に。Webサイトで製品画像を見る限り、設計変更により電池蓋の問題はクリアできているように見えます。
が、あちこちで購入者レビューを見てみると、電源ボタンが誤作動しやすい(他のモノに触れただけでONになってしまう)欠点は相変わらずな様子。メーカーの商品設計思想自体が、問題なんでしょうか。カー電源周りのパーツでは定番のエーモンですが、完全体の製品では…?
LED発光式の本命? セイワ:IMP233
で、次に見つけたのが、セイワ:停止表示灯 IMP233。
パープルセーバーを購入した当時は知らなかったので、新しい製品なんでしょうか。(Amazonでの取扱開始日は2023年12月)
1,000円ほど安価なパープルセーバーMotoと迷いましたが、たまたまセールで500円ほど安く販売されていたため、違うメーカー製品を選んでみようと購入。商品画像や、購入者レビューなどを見ても、大きな問題はなさそうだったので。
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「バイクでも使える」四輪車用として開発されたものらしく、パープルセイバーよりは大きめ。
LEDが面点灯なので、一灯3連のパープルセイバーより、視認度は明らかに上。これなら、昼間の200メートル先でも視認できるかと。
電池蓋の設計は問題なさそう。電源ボタンはけっこう固く、指先に力を入れないとONできませんが、逆に誤作動の不安は少ないはず。電池を入れっぱなしで常備する物ですから、これぐらいが正解でしょう。
また、本体2ヶ所にある磁石も強力。磁石だけで(横向きでも)しっかり固定されます。磁石が本体底部1ヶ所しかなく、吸着力も脆弱で補助的な役割しか果たさなかったパープルセイバーとは大違い。
実際に手にとってみると、パープルセイバーとの市場売価1,000円差は納得で、価格差以上に完成度の違いを感じました。製品開発時の、しっかりした設計思想が伺えます。
【オレンジ色の部分がLEDで全面点灯。ボタンを押す毎に紫LED点灯・紫LED点滅・白色スポットライトと切り替わる。上部の白色スポットライトは明るく、夜間のちょっとした作業でも便利】
【背面のフックで車体突起部に引っ掛けても(=吊るしても)使える】
【紫色バー状の部分が90度曲がるため、鉄ではない(磁石が吸着しない)場所でも自立させられる】
【赤枠で囲った部分が磁石。かなり強力で、横向きに付けても落ちない】
バイク用三角板、パープルセイバー、IMP233の大きさを比較
セイワ:IMP233は製品満足度こそ高いものの、唯一の欠点は(もともと四輪車用の設計だけに)大きめなサイズ。
収納スペースが限られるバイクで使うには、正直、コンパクトとはいえず…。
なわけで、ここで取り上げたバイク専用三角停止表示板:EM-359、パープルセイバー、セイワ:IMP233の大きさを比較してみます。
【上から三角停止板:EM-359、パープルセイバー、セイワ:IMP233】
【わかりやすいように500mlペットボトルも並べて】
当方はサイドキャリアの小物ケースに収納するため、IMP233でも問題なし。キャリアの小物ケースはどのメーカーでも似たような大きさだと思いますが、IMP233を寝かせて奥まで入れた場合、奥行きは半分ぐらい、高さは半分以下、横幅は2/3ぐらいでしょうか。パープルセイバーに比べ、特に「大きくなった」感はなく。
ちなみにシート下だと、V-Strom650の2022年モデル以降は厳しい。排ガス欧州規制対策で余計なブツがシート下に設置されたため、ETCを装着すると空きスペースがほとんどない…。それがない2021年以前モデルなら、パープルセイバー、IMP233とも収まりそう。
常備品の停止表示灯には漏れない乾電池を
マンガン乾電池(特性的に液漏れしない)では発光に不安がある停止表示灯だけに、どうしてもアルカリ乾電池を使いたくなります。
(IMP233は単4乾電池3本、パープルセイバー・パープルセイバーMotoは共に単4乾電池4本)
が、アルカリ乾電池で問題になるのが液漏れ。100均などの安物は、液漏れしなければラッキー。Amazonやヨドバシカメラ等のPB(プライベートブランド)製品、国内メーカーブランド製品も、漏れるときは漏れます。
いつ使うかわからず常備しておく停止表示灯には、少なくとも数年は液漏れしない乾電池を入れておきたい。いざというときに使えなければ、意味がないわけで。
なので、今回のIMP233導入に合わせ、液漏れしにくいと評判で10年保証もつく富士通(FDK):Premium Sシリーズを選択。同じく10年保証のマクセル:VOLTAGE(ボルテージ)シリーズも定評ありますが、市場流通量が多いだけに、通販購入だと使用推奨期限が短い物も届くようで…。概ね取り寄せなFDK製品なら、使用期限も長い物が送られてくるだろうと思ったところ(苦笑)、2034年まで大丈夫な商品でした。
超メジャーなPanasonic:エボルタは、経験上、けっこうな確率で液漏れします。10年使える長期安定性を謳いながら、保証をつけない販売方法にも疑問ありですね。
そのあたりを突き詰めればリチウム乾電池のエナジャイザーですが、売価が違いすぎるので…。
(懐中電灯にはエナジャイザーを使用中で、その高性能さは体験済)
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