今日のNHK『サンデースポーツ』。以前から気になっている話題が取り上げられていたため、思わず見入ってしまった。と言っても、ネタ元はおそらく、下記の【関連記事】でリンクした朝日新聞の記事だろうけれど。。
その話題とは、ボブスレー日本チームのソリ。日本チームが乗るソリって、実は長野五輪以前から使用されている中古品。それを地道に改造しながら国際大会に出場してきたと。映画『クールランニング』の世界を地で行っている(苦笑)。って、映画じゃあるまいし(実話がベースだけれど…)、んなもんで勝てるわけがない。勝てるレベルかどうかには技術の問題もあるけれど、少なくとも上位の可能性が最初から0に等しい戦いをしてきたのは確か。ボブスレーには関心があるので五輪中継を欠かさず見てきましたが(五輪以外でTV中継なんてないですからね)、その度に、ソリ問題の現実を哀しく感じていたわけで。
新しいソリを使えば、それだけでタイムが数秒は短縮できると言われるボブスレー。マテリアル競技とも言われる所以で、海外の有力チーム(ドイツとかロシアとかアメリカとか)は、五輪に合わせて新しいソリを導入しています。ボブスレーという競技、強いてはウインタースポーツ全般に、日本よりはるかに理解があり、またお金もありますからね。新品ソリの値段は最低でも600万円から。改造費等を含めれば、1000万円近いシロモノだもの。そんな予算が、日本ボブスレー・リュージュ連盟にあるわけもなく…。
ちなみに、ロシアチームは1億円の予算で新品ソリ10台、ランナー(エッジ部分)25セットを一括購入し、バンクーバー五輪に備えているとか。向こうは国家プロジェクトですからねぇ。いっぽうの日本チームは、もう13年も使っているドイツ製ソリを一生懸命に改造して…。今回の改造予算は、日本チームでは破格の150万円!
そんなことまでは『サンデースポーツ』で取り上げていませんでしたが、とにかくそのソリを現チーム・石井和男監督の知り合いである三重県の自動車整備工場:ファブリルチタン工芸がカスタマイズして、バンクーバー五輪を目指すというお話。この方針で2000年に購入した2人乗りソリを改造したところ、アメリカズカップ(W杯の下部大会)で総合2位に入り、来季W杯の出場権も獲得。ならば五輪出場権が微妙な4人乗りでも…ということらしい。
ソリを製造しているメーカーは、世界でもわずか数社。じゃぁそれを使えばいいのかと言えば、そうでもない。世界の強豪は、それをさらにカスタマイズしてしのぎを削っているのだから。中でも著名なのはドイツのチューナー:SINGERで、強豪国はこぞってここのソリを使っていたはず。。。でも確か、ロシアが独占契約を結んだとかいう話も…。いずれも数年前に耳にした話なので、現状はよくわかりませんが。
このSINGERにしても、本業はクルマのカスタマイズチューナーなんですよね。だったら手先が器用で、家内制手工業的な先進技術に長ける日本のメーカーでも、同様に最高クラスのソリが作れるんじゃないのか? とは、以前から(世界の強豪の間で)言われていたそう。
その昔には、あの童夢がボブスレー用ソリを手がけるなんて話もありましたが、いつの間にか立ち消えてしまい。。。今回のケースは、それ以来の話じゃないですかね。なので、すごーく楽しみです。
まずは、このソリでバンクーバー五輪の出場権を獲得すること。国際ボブスレー・トボガニング連盟(FIBT)ランキングで、昨シーズンの日本男子は2人乗りが25位、4人乗りは41位。五輪の出場枠は30。11月からシーズンインする国際大会でどこまで成績を上げられるのか、密かに期待しています。出場してくれなきゃ、五輪でのボブスレー中継自体がなくなっちゃうかもしれないものね。。。
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