三木鉄道の廃止が決定

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 兵庫県三木市の三木と、加古川市の厄神(JR加古川線と接続)を結ぶ三木鉄道が、2008年3月をもって廃止されると決定。
 廃止は時間の問題かと思われていましたが、4月26日の同社臨時取締役会議で、正式決定に至ったそう。
 近年の利用者は年間約18万人、累積赤字は2億5,000万円。国鉄三木線から第3セクター化された際、約52%を出資した三木市からの赤字補填は毎年6,000万円程度。市民アンケートでも約7割が廃止に賛成だそうですから、廃止も致し方ないのかもしれません…。
 路線長にしても、旧国鉄から第3セクター化された路線では最短の6.6km(第3セクター最短は芝山鉄道)。長距離で複数の自治体に跨がる路線ならともかく、事実上、三木市民のための路線でもあったわけですから。未だに公式サイトがなく、列車時刻表が三木市サイトに掲載されていることからも、同鉄道の置かれていた立場が伺い知れます。
 その地元からも見放された状況では、もはや存在価値が失われてしまったということなのでしょうね…。

三木鉄道
  • 1916年、播州鉄道(現・JR加古川線)の一部として厄神−別所間が開通。
  • 1923年、本線(現・JR加古川線)、各支線(旧・国鉄三木線、北条線、鍛冶屋線)とも播但鉄道に譲渡。
  • 1943年、播但鉄道の国有化とともに、国鉄三木線となる。
  • 1985年、旧国鉄の特定地方交通線第1次廃止対象として廃止され、第3セクター・三木鉄道に転換。
  • 1986年、宗佐駅、下石野駅、西這田駅、高木駅が開業。
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  • 来春、三木鉄道廃止 (2007.04.27/朝日新聞)

    来春、三木鉄道廃止
    2007年04月27日

    播州鉄道として1916(大正5)年に開通して以来、90年余の歴史に幕を下ろすことになった。26日、来年3月ごろの廃止が決まった三木鉄道。運行する第三セクターの最大出資者である三木市は、代替バスを走らせ、駅舎などへの商業施設の誘致などをめざす考えを明らかにした。
     この日、三木市役所で開かれた三セクの臨時取締役会には、三木市から社長である薮本吉秀市長ら2人、三木鉄道と県、市商工会議所、神姫バス、加古川市から各1人の計7人が出席。「廃止」方針をめぐる採決では賛成が6、反対が1だったという。
     この結果は5月18日の臨時株主総会に諮られ最終結論が出るが、総会は取締役会とほぼ同じ顔ぶれのため了承される見通しだ。
     取締役会の後、薮本市長は記者会見し、「今後は鉄道廃止に伴う代替バスの運行方法や跡地利用について検討していく」と述べた。代替バスは鉄道と同じ時間帯、本数を原則とし、跡地利用は沿線集落が廃れないようコンビニ店など集客力のある施設の誘致を検討するという。
     三木市と加古川市を結ぶ三木鉄道は85年、三木市や加古川市、県などが出資した第三セクター会社が、国鉄三木線を引き継いで運行を始めた。三木市は約52%(1億3千万円)を出資した。
     三木市では70年ごろから神戸市側の東南部でニュータウン開発が進み、それにつれて三木鉄道が走る西南部の加古川市方面への通勤・通学の流れは減少。96年から恒常的に赤字が続き、三木市が穴埋めのため毎年6千万円程度を支出してきた。
     経営改善のため、線路と道路の両方を走ることができる車両を導入し、三木鉄道の三木駅と約900メートル離れた神戸電鉄の三木駅間を走らせ、神戸―加古川を一気に結ぶことも一時検討した。
     しかし、財政改革のため三木鉄道を廃止することを公約に掲げた薮本市長が06年1月の市長選で初当選したことで、この車両導入の話は立ち消えになり、一気に廃止の方向へと進んだ。昨年11月に発表された市民アンケートでは7割が廃止に賛成し、同月に出た公認会計士らによる外部監査も「経営は事実上、破綻(は・たん)している」という結論で、市議会からも存続の声は出なかった。

  • 三木鉄道廃止決定 「残せないか」の声も (2007.04.27/神戸新聞)

    三木鉄道廃止決定 「残せないか」の声も
    2007/04/27

     二十六日に臨時取締役会を開き、賛成多数で鉄道事業の廃止を決めた三木鉄道。出席者からは、跡地の有効利用や代替交通手段の確保を求める声が上がった。一方、唯一反対に回った同社関係者は「せっかくの財産。何とか残せないかというのが本音」と話した。
     取締役八人のうち、社長を務める薮本吉秀市長をはじめ、県や商工会議所、加古川市、バス会社の関係者ら七人が出席した。
     三木市側は、同社の経営難が続いたため、市民アンケートや沿線住民らの対策協議会設置、個別外部監査などに取り組んだ経緯を紹介。結果を踏まえ、廃止やむなしの結論に至ったと説明した。
     駅舎や線路の跡地利用では、メモリアルパークや地域の集いの場、サイクリングロード、桜並木の整備案を挙げた。代替交通は、バスで現在と同じ条件を確保する案を示した。
     最終的に、三木鉄道の斎藤浩鉄道部長を除く六人が、鉄道廃止に賛成。斎藤部長は「鉄道事業に長年取り組んでおり、愛着がある」と残念そうな表情で話した。
     同市は、嘱託を含む社員十六人と面談し、再就職の相談などに応じている。
     薮本市長は「社員は努力しており、責任はない。安心安全の運転を続ける姿には頭が下がる思いだが、苦渋の決断をせざるを得なかった」と話していた。

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