郵便貯金通帳への、主務者印の捺印禁止

[Travel] Misc

 旅行貯金愛好家には欠かせないものだった主務者印が、いよいよ全廃される方向に?
 旅行貯金好きな人の間では、通帳に局名のゴム印と主務者印を捺印してもらうのが楽しみだったわけですが、郵政が日本郵政公社へと公社化されて以来、新規の通帳にはその主務者印の捺印欄がなくなったんですね。

旅行貯金についてはこちらで解説

 ただ、その後も実際には、通帳の欄外や余白部分などに主務者印を捺印してもらうのが旅行貯金派の常識だったんですね。自分も、(主務者印欄のない)新しい通帳に切り替わった際、これでゴム印だけか…と思ったものですが、とある局に立ち寄ったところ、「余白部分に主務者印も押しますか?」と尋ねられ、「いいんですか?」と答えた覚えが(^^;; 
 その親切な局員氏によると…

  • 捺印欄がなくなったからと言って、捺印が禁止されたわけではない。
  • 余白部分に主務者印を捺印しても、通帳の読み取り等に支障はない。

 とのことだったので、喜んで捺印してもらいました。その後も、黙っていても「どこに押しますか?」と聞かれたり、こちらから頼まないと捺印してもらえなかったりと対応は局によって様々だったものの、捺印を拒否されるケースは皆無だったわけで。

 が、5月6日に福岡市内の博多祇園局を訪れたところ…。
 いつものようにゴム印の押された通帳が返ってきたものの、主務者印はナシ。窓口で「すいません、主務者印もお願いできませんか?」と尋ねてみたところ、係員が奥の局長に尋ね、「いいよ」といった合図をもらって捺印。。。ん、なんか雰囲気がヘンだな?
 続いて、福岡空港内局を訪れると…今度は、はっきりと「主務者印は押せなくなりましたので」と拒否されました。えー!?
 すると奥から局長氏があらわれ、3月から押せなくなったことを親切に説明して下さいました。考えてみれば、旅行貯金は2月末以来のことだったので…今回、初めてそのことを知ったわけで。この局は空港内局ということもあって訪れる旅行貯金派も多く、これまでにも何度か同様のケースがあったのでしょう。もちろん、そこで「せっかくの楽しみなのに申し訳ありません」と何度も謝って下さる局長氏にあーだこーだ言うのも申し訳なく、すぐに納得しましたけれど。
 もともと、主務者印欄のない通帳になった時点で捺印の必然性はなくなったわけで、捺印するかどうかは局員の判断…つまり、皆さんが親切&サービスで捺印してくれていたものですからね。遠くないうちにこうした事態になるのでは…とは予測もしていたので。

 ちなみに、捺印不可の理由は、「余白部に余計な印があるとATM等、機械での読み取りに不具合の出る可能性があるから」という公社からの通達内容によるもの。調べてみると、3月11日付で日本郵政公社から全国へ文書通達が出されているんですね。
 しかし…これまで、余白部に主務者印が捺印されているためのトラブルなど、一切経験したことはないと。つまりこれは、
“小口預金者が大半の旅行貯金者のために窓口業務を煩雑化させる必要はない”
 という判断としか思えないですね。
 そりゃ、窓口が混雑しているときには、こちらも申し訳ない気持ちで通帳を差し出すわけです。少額とは言え貯金なのだから、本来は恐縮することなどないものの、趣味の世界を窓口業務に持ち込んでいるのは確かですからね。おまけに、「すいませんが主務者印も…」(^^;;
 この段階で、と言うより、旅行貯金者とわかった段階で、いかにも面倒臭そうに対応する局員も少なくないのも現実。まぁ、その気持ちもわからないではないですが…。が、いっぽうで、気持ちよく対応してもらえると、こちらも旅の気分がいっそう盛り上がるんですね。窓口がヒマなときには、二言三言でも会話を交わしたり、その区域の郵便局マップなどをくれたりと、旅行貯金者に優しい局(局員の方)も多いのです。

 郵政の分割民営化が推し進められる中、合理化がその第一目標であることに異論はないものの、いっぽうで、サービス拡大もその前提ではないのかと。そうした流れの中、旅行貯金がどう展開していくのかは、微妙ではあるでしょうね。。。
 もともと、風景印や記念切手収集など、郵政の郵便事業には、趣味の世界との深いつながりがあったんですね。その郵便事業と貯金業務を兼任する郵便局ならではの趣味として自然発生的に生まれたのが、旅行貯金。郵政の分割民営化で郵便事業と貯金業務が完全な別組織となった場合にどうなるのかも、気がかりで。。。

 もっとも、そんなことを気にする前に、合理化で地方の小局(その大半が何かと話題にされる特定郵便局)が統合縮小されてしまえば、“旅先の記念に旅行貯金”でもなくなるのですが。旅先に郵便局がほとんどない、のでは、記念にしようがないですからねぇ(苦笑)。
 また、主務者印が通帳上の“余分なもの”であるなら、趣向を凝らした各局のゴム印も同じ運命をたどるのでは…という恐れもないわけではないと。
 そうして考えていくと、何かこう、味気ないですよねぇ。うーん、せめてゴム印だけは、現状のまま残って欲しいのですが。

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