今年のミラノモーターサイクルショー「EICMA」では、個人的にかなり注目していた3モデル、KTM:790 Adventure、ヤマハ:テネレ700、Moto Guzzi:V85TTが正式発表に。
しばらく前から海外動画などで目にして、多少の情報は把握していたものの、早く詳細スペックを知りたい=正式発表を待ちわびていたわけです。
主に知りたかったのは、(フロント)タイヤサイズ、(フロントサス)トラベル、重量。まぁ、アドベンチャーモデルはその3要素がキモだと思うので。それプラス、いわゆる快適装備系はどうなのかな、と。
(というか、非公開スペックが多すぎだろー)
KTM 790 Adventure
- タイヤ:フロント21インチ、リア18インチ
- サスペンション トラベル(ストローク):フロント200mm/240mm(Type R)、リア200mm/240mm(Type R)
- 全長:?、ホイールベース:?
- 装備重量:?/(半)乾燥重量:189kg
- 快適装備:クルーズコントロール、クイックシフト(アップ&ダウン)、TFTカラー液晶メーター
ヤマハ テネレ700
- タイヤ:フロント21インチ、リア18インチ
- サスペンション トラベル(ストローク):フロント210mm、リア200mm
- 全長:2365mm、ホイールベース:1590mm
- 装備重量:約205kg/乾燥重量:?
- 快適装備:特にナシ
Moto Guzzi V85TT
- タイヤ:フロント19インチ、リア17インチ
- サスペンション トラベル(ストローク):フロント170mm、リア170mm
- 全長:?、ホイールベース:?
- 装備重量:229kg/乾燥重量:208kg
- 快適装備:クルーズコントロール、TFTカラー液晶メーター
ちょっと期待外れだったのはV85TT。ルックスから、もう少し本格的なアドベンチャーモデルをイメージしていたのですが…。フロント21インチで、シャフトドライブなのに軽量で…なんて妄想は崩れ去りました。
実際には、ムルティストラーダやF750GSあたりが対抗馬? 作り込みや高級感は実車次第ですが、マニアックなエンジンとシャフトドライブという特徴だけでは、市場競争力に欠けるような…。ちょっと中途半端な印象は拭えないかも。Moto Guzziならでは的な面白さを、期待しすぎたのかもしれません。
ちなみに、オプション(?)のアルミ製サイドパニアはMyTech製らしいです。日本では正規輸入されていないため無名ですが、欧州ではそれなりにメジャーなイタリアのパニア&トップケース・メーカー。
テネレ700は、まぁ予想通りですかね。もっと重いとの情報もあったので、205kgは妥当? どうせなら、200kgを切って欲しかったところ。
また、ストイックに走りを重視したモデルなことは重々承知しているものの、装備系の情報が何もないのは?
せめてクイックシフトぐらいは…。でも、ヤマハはフラグシップモデルのNIKENですら、クイックシフトはアップだけ。ブリッピングが必要なシフトダウンには未対応な上、動作は4,000回転以上という縛りまであるそうな。いや、それって日常使いとしてどうなの? まともに使わせる気があるとは思えない…。
メーターパネルも相変わらずのモノクロ液晶で、日本車らしいコスト意識が強く感じられすぎるというか…。それでいて、ものすごく割安なわけでもない。ヤマハにしろもホンダにしろ、利益優先の姿勢が露骨に見え隠れしてしまう面は何とも…。
液晶メーターパネルに関しては、TFTカラー液晶のBOSH・欧州連合から日本メーカーが弾かれているだけかもしれませんが。
790 Adventureには、違う意味で驚かされました。ミドルクラス・アドベンチャーモデルの大本命だろうとは思っていましたが、ここまでとは…。スペック上の比較だけなら、もはや「ぶっちぎり」。
「君たち(ライダー)の声は聞いた。我々はそれに応える」と、事前の公式動画で言い放っただけのことはありますね。ツアラー向け装備も手を抜かず、クルーズコントロールまで付けてきたあたりに、市場を席巻しようとする本気度が。
てか、これじゃ1090 Adventureの立場がないじゃん。自社の従来(上位)モデルを蹴落としてでも、新モデルを売り出そうという戦略は、日本メーカーが逆立ちしてもできない部分なのでは。
ただ、KTMのスペック重量は「半乾燥」という独自仕様(苦笑)なので、189kgの数値は多少マジック。燃料タンク容量が20リットルと多いこともあり、一般的な装備重量に換算すると、テネレ700と大差ない数値に? 重量が装備重量なのか乾燥重量(さらには半乾燥重量とか)なのかは、統一基準にして欲しいですよね。
ABSやトラクションコントロールは気にせず。前者は必須、後者も当然の装備になってきていますから。
日本ではまだABS=特別装備みたいな感覚ですが、それって国内メーカーが一致団結し、規制化を欧州より遅らせたからですよね。ヨーロッパでは既に、「ABSなんて当たり前」感覚なので。2018年10月の規制化直前、9月に続々と国内向け新モデルが発表されたのも、悪い言い方をすれば「規制逃れ」。例え開発段階からの課題が潰せていなかったとしても、9月の発表・発売は既定事実だったわけで。こーゆー姿勢は正直、どうなのかと…。
で、個人的な気になるモデルとのスペック比較を自分用メモ。すぐ忘れるから(苦笑)。
- ホンダ CRF1000Lアフリカツイン(DCT) 重量:253kg(アドベンチャースポーツ)/240kg(標準モデル)、Fトラベル:220mm、タイヤ:F21・R18(チューブ)
- ホンダ X-ADV 重量:238kg、Fトラベル:120mm(日本仕様)/150mm(海外仕様)、タイヤ:F17・R15
- スズキ V-Strom 650 重量:212kg、Fトラベル:150mm、タイヤ:F19・R17、装備:ローRPMアシスト
- ヤマハ TMAX 重量:215kg、Fトラベル:120mm、タイヤ:F15・R15、装備:クルーズコントロール、シートヒーター
- ヤマハ NIKEN 重量:263kg、Fトラベル:110mm、タイヤ:F15・R17、装備:クルーズコントロール、クイックシフト(アップのみ)、ローRPMアシスト
- BMW C400X/C400GT 重量:204kg/212kg、Fトラベル:110mm、タイヤ:F15・R14、装備:TFTカラー液晶メーター
- BMW F850GS 重量:236kg、Fトラベル:230mm、タイヤ:F21・R17、装備:クルーズコントロール、クイックシフト(アップ&ダウン)、TFTカラー液晶メーター
- トライアンフ タイガー800XCx 重量:205kg、Fトラベル:215mm、タイヤ:F21・R17、装備:クルーズコントロール、TFTカラー液晶メーター、シートヒーター
- Moto Guzzi V9Roamer 重量:199kg、Fトラベル:130mm、タイヤ:F19・R16
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