スイッチバック 北の鉄道

[Traffic] Railway

 さよなら列車などを中心に、北海道の廃線映像をまとめたDVDとして話題の《スイッチバック 北の鉄道》。
 制作・販売はSTV(札幌テレビ)で、もともとはミニ番組用に編集された映像をDVD化したもの。
 そのシリーズ全3作が完結したので、『スイッチバック 北の鉄道』(Vol.1)、『スイッチバック 北の鉄道 2号車』(Vol.2)、『スイッチバック 北の鉄道 終列車』(Vol.3)をまとめて注文しました。基本は北海道内での販売ですが、Amazonでも扱いがあるようです。

  • スイッチバック 北の鉄道
    • 収録路線 定山渓鉄道、手宮線、万字線、根北線、白糠線、相生線、勇網線、興浜南線・北線、三井芦別鉄道
    • 特典映像 『義経号の記録映像』
      • 北海道の開道100年を記念して、北海道の鉄道開業時にアメリカから輸入された1号機・義経号(神戸・国鉄鷹取工場に保存)と系列機の静号(北海道鉄道記念館に保存)が1968年(昭和43年)に小樽で再会したイベント時の記録映像。
  • スイッチバック 北の鉄道 2号車 (Vol.2)
    • 収録路線 士幌線、標津線、池北線、広尾線、天北線、美幸線、羽幌線、名寄本線、深名線
    • 特典映像 『きかんしゃ慕情 D51~12人兄弟の生涯~』
      • 国鉄苗穂工場で製造された“道産子”D51型12両の生涯を追ったドキュメンタリー。1976年にSTVで放送された番組を短縮版に再編集したもの。
  • スイッチバック 北の鉄道 終列車 (Vol.3)
    • 収録路線 胆振線、松前線、岩内線、富内線、瀬棚線、歌志内線、函館本線上砂川支線、夕張鉄道、三菱鉱業大夕張鉄道、幌内線
    • 特典映像 『青函連絡船の軌跡』

 もともとがミニ番組なので、各本編は5分ほど。簡単な路線紹介や歴史を踏まえながら、さよなら列車の映像や、おそらく当時の赤字ローカル線問題として取材された映像であろう通常運行時の記録で構成されています。各巻ごとに収録路線数が異なるのは、さよなら列車の映像が多くある場合、同一路線が2~3編に分けて収録されているため。
 国鉄の赤字ローカル線問題が取り沙汰され、一種の廃線ブームが沸き起こった時期に廃線となった路線が多いので、こうした記録映像が地元局に残されているのでしょう。また、そうしたブーム以前に廃止されてしまった根北線などは、さよなら列車や日常光景の映像が残っているだけでも貴重なのでは。個人的には感涙モノです(^^;;
 ただ、札幌からの距離やアクセスの関係からか、映像の量には路線ごとに差があります。同時期の廃線が相次いだこともあってか、地味な存在だった興浜南線・北線など、編集に苦労した痕跡が伺えるほど情報量が少ない路線もあるのは残念。。。
 資料提供もされた、作家で元・国鉄車掌長の田中和夫氏による副音声解説は興味深いもの。全ての路線に乗務されていたわけではないので、路線ごとに解説の“濃さ”が異なるのは致し方ないとしても、知られざるエピソード的なモノも語られます。

 細かい点を突っ込み始めればキリがないものの、こうした内容で各巻1,980円なら、かなりお買い得なのでは。
 個人的にも、購入して損はなかったと思いますよ。お勧めです。
 あ、でも。映像の大半は4:3なので、16:9のテレビで見れば当然、左右に帯が入ります。その部分のデザインセンスが……最悪(苦笑)。
 パッケージデザインが、敢えてウェザリングされたものになっている点も注意ですね。パッケージ写真をよく見ればわかりますが、開封した際にパッケージの汚れか、印刷工程のミスかと勘違いしてしまう人もいるのでは? そうした全体のセンスは、ちょっとイマイチかなぁ。

コメント

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