ふるさと銀河線、その後

[Traffic] Railway

 廃止の決定した北海道ちほく高原鉄道(ふるさと銀河線)が、鉄道事業廃止届出書を北海道運輸局長に提出。

(公式サイトより)

お 知 ら せ

北海道ちほく高原鉄道株式会社では、さきに急告でお伝えしました取締役会での鉄道事業廃止決議に基づき、4月17日午後、臨時株主総会を北見市内で開催し、鉄道事業法に基づく廃止届を国土交通大臣に提出することを提案、賛成多数で提案どおり決議されました。
これを受け、4月21日午後、当社代表取締役社長神田孝次が北海道運輸局(札幌市中央区大通西10丁目)を訪れ、伊藤國男北海道運輸局長に対し、鉄道事業廃止届出書を提出いたしました。
廃止届出書では、予定廃止日を平成18年4月21日としておりますので、鉄道事業法の規定に基づき原則として同年4月20日までふるさと銀河線は運行されます。

 これで、廃止日が2006.04.20と決定したわけですね(寂)。
 何とも中途半端な日付という気はしますが、その直前は青春18きっぷシーズンなので、全国から利用者が押し寄せるんでしょうね…。

 そのいっぽうで、グッズ制作へのアイデア募集が未だに行なわれているというのも、何とも言えない一面で・。

新グッズの制作企画についてのアイデアの募集

 当社では、平成17年度における新たなグッズの制作に当たり、広く皆さんのアイディアを募集したいと考えております。つきましては、4月28日までに当社HPトップページの「ご意見・ご要望」欄からお知らせいただければ幸いです。

1 制作品数  2〜3種類
2 制作数   1000〜2000個(企画内容にて判断)
3 販売価格  数百円から数千円程度まで
4 その他   採用分については薄謝を進呈いたしますので、必ず連絡先を記載願います。

 果たして、営業最終年度にどんなグッズが誕生することやら…。

 ちなみに、もうずいぶん昔、1996年に北見駅併設の本社事務所で購入したグッズが、下の写真(壁に飾ってあります)。

 ふるさと銀河線グッズ

 いろいろグッズが販売されていると聞いていた当時。
 少しでも営業収支の改善に協力しようと、1階に設けられた《ふるさと銀河線コーナー》なるスペースをウロウロしてみるも、まったくの無人で売店などはナシ。その片隅に、「事務所にてグッズ販売中」と書かれた紙が申し訳程度に貼られていました。
 おそるおそる階段を上がり、いかにも職場ですといった雰囲気の2階・事務所で尋ねてみれば、職員の方が販売員に変身した(笑)という記憶も甦ります。考えてみれば、当時から「やる気があった」とは思えないんですよねぇ…。
 せっかく作ったグッズも、事務所内に保管されているだけで、展示すらされていなかったのですから。

 ふるさと銀河線・北見駅 1F特設コーナー 1F特設コーナー
【↑ (左)ふるさと銀河線・北見駅(本社建物) (中・右)本社建物1階・特設コーナー *いずれも1996年3月撮影】

 第3セクターへの転換当初から《ふるさと銀河線友の会》を発足させ、会員の名前を記したモニュメントが各駅に設置されるという、新しい試みが各方面から評価されたのも今は昔。
 自分が訪れた当時は会員募集を終えていたため、せめて記念グッズでも…と思ったのですが。
 この頃は既に、鉄道存続への意欲が薄れていたのかもしれないですね。

 
【↑ 友の会モニュメント(上常呂駅) *1996年3月撮影】

 そう言えば、車内での駅弁販売(1993年12月から開始)も、第3セクター初の試みとして注目されましたっけ。『ぶらり全国乗り歩き』(中央書院/種村直樹・著)によると、駅弁は予約制で車内配達するシステム。1994年1月の時点では販売されていたとあります。
 その駅弁に関する、列車内の中吊り広告は…

旅のお供に、ふるさとの味覚いっぱいの駅弁を車内配達いたします。あなたもいかがですか!
ふるさと銀河線の列車内で次のとおり駅弁の取り扱いを開始いたします
いずれも10個限定販売です

★注文方法は、置戸駅及び本別駅に到着するまでに、整理券発行器上部に備え付けの注文書に希望個数を記入し、代金を添えて下記の駅で、列車に乗車する係員お渡し下さい(係員は、両駅に到着後、皆様の所へ注文のお伺いに参ります)
*ただし、毎週日曜日と木曜日は、取扱いしませんので、ご了承下さい
★取り扱う列車は、当分の間、次の通りといたします
 北見発10:05の快速<銀河>帯広行き 池田発9:40の普通列車北見行き
 [弁当の種類] 置戸駅〜「人間ばん馬弁当」700円 本別駅〜「マイタケ弁当」700円
★つり銭のいらないよう、前もってご用意下さい(両替は、運転席横の両替機をご使用下さい)

 というものだったそう。
 残念ながら自分が乗車した1996年3月には、このような中吊り広告は見られませんでした。
 購入者が少なく、早々と取りやめになってしまったんでそか。

 各地の旧国鉄赤字廃止~第3セクター化が進む中、その代表的な路線として、三陸鉄道とともに動向が注目されてきた北海道ちほく高原鉄道(ふるさと銀河線)。晩年は「やる気」云々で批判も多く受けましたが、少なくとも開業当初からの数年間は、各種アイデアを考案し続けていたことに間違いありません。それも、他の第3セクター路線以上に。
 とはいえ、それらの施策が実ることもなく。
 どんなアイデアを考案しようが、沿線人口や観光資源&貨物輸送が導き出す「結果」には、勝てないということなのでしょうか。
 寂しいですね…。

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