南海フェリーが事業撤退へ

Traffic misc

3月30日に、衝撃的なニュースが飛び込んできました。
和歌山-徳島を結ぶ南海フェリーが、事業撤退(廃止)へ…。
苦しい状況は承知していたものの、南海の看板航路でもあり、事業継続は既定路線かと思っていたわけで。
徒歩(鉄道連絡利用)・バイク乗船の両方に便利で、西日本でもっとも利用回数が多かった航路だけに、残念でなりません。
一昨年に四国お遍路を結願した後、お礼参りで高野山へ向かう際にバイク乗船したのが、最後の利用機会になりそう?

*南海フェリー:公式サイトより
(https://nankai-ferry.co.jp/3542/)

フェリー事業からの撤退について

お客さまへ
平素より南海フェリーをご利用いただき、誠にありがとうございます。
このたび、弊社の親会社であります南海電気鉄道株式会社より、2028年3月末日をもってフェリー事業から撤退する旨の発表がありました。
事業撤退に至りましたのは、昨今の事業環境の変化や運航コストの上昇など、さまざまな要因を総合的に判断された結果によるものです。
皆さまには多大なるご不便、ご迷惑をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げます。また、これまで賜りましたご愛顧に、改めて厚く御礼申し上げます。
事業撤退期日までは、これまで通り引き続き安全運航を続けてまいる所存でございますので、引き続き変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
なお、船舶・設備等の老朽化や従業員の確保など安全運航に支障が生じる恐れのある場合には、撤退時期を早める場合があります。
正式な時期は今後の状況を踏まえて改めてお知らせいたします。

2026年3月30日
南海フェリー株式会社

*朝日新聞
(https://www.asahi.com/articles/ASV3Z41MNV3ZPXLB00WM.html)

明石海峡大橋開業、コロナ禍、船の老朽化… 南海フェリー事業撤退へ
2026年3月31日 10時45分

和歌山県と徳島県を海路で結んできた南海フェリー(本社・和歌山市)が、2028年3月末をめどに事業撤退する。親会社の南海電気鉄道が30日、発表した。コロナ禍での利用低迷に加え、燃料費の高騰などで収支改善が見込めず、半世紀の歴史に幕を下ろすことになった。

南海フェリーは1975年に設立され、当初は和歌山港と小松島港(徳島県小松島市)間で運航。99年からは和歌山港と徳島港間に航路を変更した。
98年の明石海峡大橋開業以降、本州と四国を結ぶルートが陸路に移行したことで利用者が減少。さらにコロナ禍で大きな打撃を受け、2021年度以降は債務超過が続いている。2024年度の旅客数は35万7千人。

撤退の判断に至った理由の一つに、老朽化したフェリーの更新問題もある。現在は「かつらぎ」(1999年就航)と「あい」(2019年就航)の2隻が1日8往復しているが、「かつらぎ」は更新時期が迫っていた。新造船の導入には40億円以上かかり、費用の捻出が困難だと判断したという。1隻での営業継続も検討したが、効率的な運航は不可能という結論に至ったという。また、従業員確保など安全運航に支障が生じる場合は、撤退時期を早める可能性があるとしている。
和歌山県の宮崎泉知事は「航路存続も視野に関係者と連携し、影響を最小限に留められるようにしたい」とするコメントを発表した。

 30日夕、和歌山港で徳島行きを待っていた香川県三木町の60代女性は「フェリーが無くなるのは困ります。バスや列車で和歌山を訪れるのはしんどい」。和歌山市のトラック運転手(49)は「フェリーに乗っている間は体を休められた。影響は大きいです」と残念がった。

要点をまとめると…。

  • 航路廃止は2028年3月末予定(状況次第で早まることも)
  • 運航するフェリー2隻のうち、1999年就航のかつらぎに更新時期が迫り、費用捻出が困難
  • 残るあい(2019年就航)のみでは、効率的な運用が不可能

近年は各長距離フェリーへの新造船就航が相次ぎ、フェリー業界も底を脱したかと思えましたが…。
トラック長距離・長時間走行規制の影響(恩恵)が少ない短・中距離フェリーは、逆に状況が悪化する一方なのかも…。
また、気になる記事がひとつ。

*毎日新聞
(https://news.yahoo.co.jp/articles/f1e6fdbed08da551a580e9aea74d7adc05ecb5b9)

和歌山知事、「航路存続も視野に対応」 南海フェリー事業撤退で
3/31(火) 13:33配信

和歌山港(和歌山市)と徳島港(徳島市)を結ぶ南海フェリーの事業撤退が発表された。具体的な時期は2028年3月末をめどとしているが、県や和歌山市は物流や観光、防災への影響を最小限にとどめたい考えという。

宮崎泉知事は「今回の撤退発表に至り大変残念。航路存続も視野に入れながら、関係者と連携して対応する」とのコメントを発表した。09年には「高速道路1000円」に対抗するフェリー料金の値下げで和歌山、徳島両県がそれぞれ1億円超の大規模な補助を実施。燃料高騰への支援では、26年度の県当初予算でも1300万円を計上している。

和歌山市の尾花正啓市長は「物流や観光面、災害時のリダンダンシー(代替手段)の役割を果たしていただいた功績に感謝しつつも、地域への影響を深刻に受け止めている」とコメントした。阪神大震災では阪神高速道路の復旧まで、四国と近畿を結ぶ迂回(うかい)ルートとして活用された実績があり、市は16年9月に南海フェリーと災害時の船舶利用の協定を結んだ。

南海フェリーによると、トラックなど貨物車の利用は減少傾向だが、24年度は約2万5000台が利用。県や市は今後、フェリーを利用する関係業者への聞き取りなども含めて、事業撤退の影響を調べるとした。

南海と関連が深い和歌山県側は、それなりに支援を続けつつ、航路存続を目指したい旨の公式コメントを出していると。
片や、徳島県側は…ノーコメント?
以前から和歌山県側と徳島県側の同航路に対する温度差は感じないでもなかっただけに、「廃止するならどうぞ」なのでしょうか。橋で本州と繋がっているから問題ない的スタンスだとすれば、危機管理意識が薄すぎるような…。
(徳島県や徳島市の行政手法・思考や公費支出に関しては、以前から疑問に思うことが多々…)

何にせよ、バイクで四国へ渡るルートが、ひとつなくなってしまうことは影響大でしょうね。
明石海峡大橋と大鳴門橋で本州と徳島を結ぶ神戸淡路鳴門自動車道は、アクセスルートも含めて本州側の慢性的な渋滞がひどく、状況次第ではバイクにとって地獄にもなりかねず。瀬戸大橋も強風リスクは避けられず、そもそも徳島方面へ向かうなら遠回り過ぎる。四輪車と違い、バイク移動には走行距離・時間や気象条件の影響が大きいので。
また、宇高航路が廃止された現在、125cc未満の原付二種・一種(あるいは自転車)にとっては、南海フェリーが四国東部へ直行できる唯一の手段だったわけで。南海フェリーの廃止は、「原付や自転車は四国へ行くな」宣言に近いかと。
(大鳴門橋は構造的に徒歩・自転車・小型バイク通行可能で、やろうと思えばしまなみ海道のような形にできるはずですが…。その気は、まったくなさそうで)

今や鉄道連絡航路としても貴重な存在だっただけに、鉄道ファン的な観点からも残念で。
和歌山港で接続する南海和歌山港線が、フェリーと同時に廃止されることはないようですが。
とはいえ、航路接続の目的を失ったローカル支線が、いつまで存続できるかは…。かつて乗車した際も乗降客ゼロだった途中駅が2005年に全廃されたように、沿線利用は皆無に近く。
いっぽうで、少なくとも5~6回は鉄道と航路を連絡利用した際、列車・フェリーとも乗客が予想以上に多かった記憶も。あれだけの鉄道需要を切り捨てるほど、南海グループの構造改革が急ピッチなのかもしれませんが。

コメント

タイトルとURLをコピーしました