レールと道路を双方向に走行可能な、JR北海道:DMV(デュアル・モード・ビークル)。
2004年1月の開発成功以来、相次ぐ地方ローカル鉄道廃止の度に「廃線ではなくDMV化してはどうか」という案が出てきたり、地方自治体が導入を検討したりと、何かと話題を集めていますね。
中でも、今年1月に富士市で行われたデモンストレーション走行(市民試乗会)はインパクトがありましたねぇ。
市内交通網改善のためだそうで、想定されている運行区間は…
このうち一部区間でデモンストレーション走行が行われたわけですが、自治体がここまで具体的に導入を検討する例は初めて。岳南電車としても、悪い話ではないでしょうね。
まぁ、このテの話は市長が変わると立ち消えになったりするもので、何とも言えませんが。。。
で、その後はどうなるのかと思っていたら…。
4月14日から地元の北海道、釧網本線の浜小清水−藻琴間で、JR北海道による“試験営業運行”が開始されたそう。
浜小清水から釧網本線を藻琴まで走行し、今度は道路を走行して浜小清水まで戻るという巡回ルートで、1日3便、所要58分。
“試験的営業運行”とは、要は、「体験乗車を目的とした浜小清水駅発着の旅行商品(募集型企画旅行)」なんですね(苦笑)。
期間は6月30日までの土日祝日。1回の募集人員は12名と狭き門。一人から申込みOKだし、予約殺到で乗車は無理だろーな。。と思っていたら、7月以降も運行は続き、周辺観光地を周遊するルートが検討されているそうな。原生花園を経由する観光ビークル化しちゃうんですかねぇ。そもそも、線路と国道が併走しているこの区間でDMVを走行させる意味って…。。。
そもそもDMVは、女満別空港と北見駅(市内)との直結アクセスを目的に開発されたはず。2006年に営業運転を開始する計画だったはずですが、女満別空港−西女満別駅−北見駅の区間で2005年9月〜10月に走行試験を行って以来、大きな動きもないようで…どうなっているのかしらん。。。
その後の2005年11月14日には、札沼線での夜間走行(レール上)試験中に、踏切で積雪に乗り上げて脱線…という事故も起きているので、冬季の積雪対策とも無関係ではない? 車体重量の軽さがアダとなったようですが、北見周辺は豪雪地帯ですからねぇ。今回の運行区間となる釧網本線のオホーツク海沿岸部なら、比較的、積雪の少ないエリアなので冬季も大丈夫でしょうが…。
【↑ 女満別空港最寄りのJR石北本線・西女満別駅。空港からクルマなら10分弱。民家が数軒だけの駅周辺から、数百メートルほど林の中を歩くと駅に到達する。駅前は林に囲まれ、列車から降りた場合は秘境駅だと感じるかも(^^;; (2005.09.26、撮影)】
【↑ 2005年9月28日からの夜間走行試験、10月3日からの昼間走行試験に備えて、駅の網走側にDMV乗り入れ用のスペースが新設されていた。遠くに見える、線路の上空を横切っている橋が、空港アクセス道路。 (2005.09.26、撮影)】
3月30日に開催された《北海道の新・駅弁コンテスト2007春》では、DMVをモチーフにしたDMV トリップBOX(札幌駅立売商会/札幌駅弁菜亭)がグランプリに。【北の海鮮カップ】(噴火湾産のホタテ)、【北の黒牛カップ】(宗谷岬牧場産の牛肉)、【北のサラダポークカップ】(赤井川産の豚肉)という3つのカップ丼が1パッケージになったもので、定価は880円。4月10日の《駅弁の日》から、札幌駅、道内の特急車内などで発売中。
この弁当には、もれなくDMV紹介カード1枚(全5種類)が付き、DMVチョロQ入り“ラッキーBOX”まであるそうな。
コンテストはJR北海道発足20周年記念企画で、列車内の「旅の食質向上」と「地産地消」をテーマに、「北海道米を使用していること」「季節感と地域の特色を出していること」が選考条件だったようですが…。そんなの、どの弁当でもそうじゃん。この弁当を売り出して、DMVの“試験的営業運行”を盛り上げたかったと素直に言って下さい(苦笑)。
でもまぁ、話のネタに食べてはみたいですよね(^^;;
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