東京→白河 *バイクで走るなど正気の沙汰ではない豪雨の中を、出発
初めての本格的キャンプツーリングということで、準備に時間がかかりまくり。
出発が1日、2日とズレていき、これ以上は遅らせらることができなくなった当日は…。深夜未明から雨。
天気予報でも大雨注意報が出される中、泣く泣く朝6時頃に出発。
強い雨程度だった天候は、走り出して30分も経たないうち、土砂降りの豪雨に(泣)。
今回の足は、スクーターのSYM:RV125JP。125cc未満のバイクは高速道路通行不可なので、一般道をひたすら走るしかない。
目的地の仙台までは、およそ400km。それだけの距離を一般道で走るなどクルマでも経験がなく、どうなることやら…。
無理矢理にでも早朝出発できたので、とりあえずは仙台を目指そう。仙台港を19時40分に出港する太平洋フェリーに乗船できれば。
ただ、間に合わなかったなら…。八戸か青森まで自走するしか、ないよなぁ…。
雨の中を快調に? 気合い十分で走り始めるも、浦和付近で早くも挫折。
浦和周辺から埼玉県内の県道を北上し、栗橋あたりで国道4号に合流するはずだったのに、道に迷いまくりで。埼玉県内の県道は、わかりにくすぎる! いったい何度、国道16号を横切ったことだろう。豪雨でまともに視界も効かない中を1時間ばかり迷ったあげく、素直に(素直じゃなく)諦め、おそらく4回目か5回目に出会った国道16号に入る。
国道4号までは、すぐ。ただし、予定よりだいぶ南での合流に。
荷物を減らすため、首都圏の地図を持ってこなかったことも迷った要因のひとつ。主要道路が迷路のように入り組むさいたま市周辺では、ツーリングマップルR:関東の12万分の1縮尺など意味を為さない…(泣)。
今回のツーリングのために購入したポータブルナビも、ビニールケース(ダイソーで100円)に入れているとは言え、あの豪雨では使用も躊躇される。それでも意を決して取り出せば、叩きつける雨粒で画面が見えない…。GPSもクルクル回っているだけで、ちっとも現在位置を把握してくれない…。これも豪雨のせいなのだろうか。
雨宿りしてナビ(あるいは地図)を見ようにも、その場所がない。都内であれば、何かしら雨宿りできる場所があるものなのに…。
仕方なく走り続け、さらに迷う。の、繰り返し。
埼玉の道路をナメてましたね。都内と同じように考えちゃダメだ=教訓。
国道4号(バイパス)に入ると、時に3車線となる高規格道路を快走。と言うか、ほとんどヤケ走り。
ヘルメットのシールドを下ろしていると、叩きつける雨で何も見えない。シールドは全開で、顔面びしょ濡れになりながら走り続けることに。他に走っているバイクなど1台もなく、「この豪雨の中をバイクで走るか?」と語りかけてきそうなドライバーの視線が痛い。
途中からは(どこを走っているのかよくわからない)片側1車線となり、大型トラックが列を為す渋滞の中、すり抜けすり抜けで前へ前へ。バイクで走るなど正気の沙汰ではない豪雨の中、どうにでもなれという心境だった気がする。
それでも、さすがは一級国道。出発から1時間半しか経っていないのに、気づけば宇都宮の文字が頻繁に現れる始める。
迷っていなければ、宇都宮まで1時間で来たことになる。どんなハイペースなんだ。。。
しかし、身体と精神のほうは既に限界。身体じゅうがガタガタ震えているのを感じ、もうダメだ…と、歩道橋の下へ待避することに。
(後で地図を見ると、宇都宮市平出周辺だったと思われ)
まずは、絞ると水がジャーッと流れ落ちるグローブと、ぐっしょり重たいジャケットを道路脇のフェンスに掛けて干す。バイク用の簡易防水ジャケットなので大丈夫かと、レインウェアを持ってこなかった自分が腹立たしい。
下半身はレイン用オーバーパンツを履いていたので無事かと思いきや、ウエスト周辺が浸水しまくり。水浸し状態の革製ベルトは変色し、ベルトが当たっていた部分の下着(白シャツ)には、茶色の帯模様が…。どれだけ濡れれば、こんな状態になるのだろう…(泣)。
皮肉なことに、休憩した途端に雨が小降りとなる。恨めしい空を見上げるうち、今度は猛烈な寒気が身体を襲う。。。
近くの自販機で缶コーヒー(もちろんホット)を買ってきたものの、手がガタガタと震えてプルトップがうまく開けられない。
本気で凍傷になるんじゃないかと思った。。。
呆然としたまま20〜30分が過ぎ、ようやく人心地を取り戻す。
と同時に、猛烈な空腹感が…。
「猛烈な…」何かに襲われてばっかりだ(泣)。
時刻はまだ9時前。国道4号沿いなら24時間営業の店がありそうなものだけれど、オープンしている店は皆無。
とにかく暖かいモノを、屋根の下で、イスに座って食べたいのに。。。
そんなときに限って、ふだんあれほど見かける牛丼チェーン店も出現してくれない。
仕方なく石神から県道10号に入り、烏山方面を目指す。県道にしてはかなり高規格な主要地方道ながら、過ぎ去る光景は田舎道そのもの。オープンしている店など絶望的だ…。市街地だから期待できるかも? と思った烏山でも、空振り。
もういいよ。
烏山からは国道294号に入る。東北方面への下道ツーリングを調べた際も、各サイトでお勧めルートに挙げられていたローカル国道だ。
なるほど、路面こそ良好とは言えないものの交通量は少なく、気楽に走ることができる。「快調に走れる」ではなく、「気楽に走る」のがふさわしいとは、まさに、125ccでの下道ツーリング向けルートと言えそうな?
途中、栃木県と福島県の県境近くには「従是北白河領」の石碑なども建つはずなのだけれど、そんなことは一切忘れたまま県境へ。
雨は止んだものの、濡れた服が乾かないため寒い。修行のような気分での走りは、やはり冷静ではなかったのかも。
林間の県境を越えると、すぐに白坂郵便局が現れた。
栃木県内では無視していた郵便局が、福島県に入ると急にクローズアップされた存在に見えてくるのは不思議。自分の中には、関東首都圏=非・旅行貯金エリアという感覚があるようだ。めでたく、今回の旅で初の旅行貯金を済ます。
県境越えで変わったのは旅行気分だけでなく、天候も。福島県に入った途端、重苦しい曇天から快晴へと一変したのは嬉しい〜♪
山越えしたわけでもないのに、この差は何なのだろう。ずぶ濡れの様を郵便局の方に驚かれたのも当然で、こちらは朝から快晴だったそう。
「あ〜、暖かい…」。郵便局の前で、しばし休憩。
国道294号は、旧・国道4号。さらに歴史を遡れば、江戸時代の五街道のひとつ、奥州街道でもある。
街道沿いには史跡も数多く残るようなので、時間があるときに落ち着いて再訪してみたい。
気づけば、ここまで1枚も写真を撮っていない。。。そんな余裕、なかったもの…。