東京→博多(香椎宮)
羽田のD滑走路を飛び立ったANA245便は、約5分遅れで福岡空港に到着。
羽田離陸便は4本目のD滑走路が2010年10月に完成・供用開始となって以来、明らかに遅延が減りましたね。それ以前の朝の便は、離陸待ちだけで15分程度の遅延になるのが当たり前でしたから。この日の遅延は飛行中の気流によるもので、風に向かって飛行することになる午前中の西行き便に、この程度の遅れはつきもの。
福岡市交通局(地下鉄)の福岡空港駅では、券売機にて一日乗車券(600円)を購入。隣駅まで200円と一部値下げされたものの、博多までは2駅でも片道250円。割高な福岡の地下鉄では、空港と博多の往復にプラス1区間でも利用すれば、こちらのほうが安上がりになります。ちなみに、休日なら一日乗車券が500円となり、さらにお得。
博多からはJRに乗り換え、香椎へ。
鹿児島本線の上り快速(小倉方面)は博多でガラガラになるので、悠々と座れます。
香椎では跨線橋を渡り、香椎線ホームへ。香椎線の列車は日中約20分毎ですが、連絡よく宇美行が到着。久々のキハ40系で、ちょっと嬉しい。キハ40系に乗車すると、「旅に出たなぁ」という気分になるから不思議。わずか1駅の利用ではもったいない、もっと乗っていたいと後ろ髪を引かれつつ、香椎神宮駅で下車。香椎で多くの下車客があった車内はガラガラで、同駅で降りたのは自分ひとり。
【↑ 香椎神宮駅を後にする宇美行743D。1両目が白地に青帯の九州色、2両目は香椎線用のアクアライナー塗装。車両サイドは白地に「AQUA LINER」の文字が描かれ、運転台部分は青一色】
【↑ 一面一線のみの香椎神宮駅。香椎宮の最寄り駅だけに駅名票もそれ風? (左)宇美方面 (右)香椎方面】
【↑ (左)ホームの花壇が美しい (右)道路に面した仮設駅のような作り。無人駅のように見えて、出札窓口もある有人駅】
香椎神宮駅は、改札を出たすぐ目の前が県道24号線。天神行の西鉄バスが頻繁に走るこの県道を、香椎方面に戻れば香椎宮の入口です。あるいは、県道を渡って駅前の路地を直進し、突き当たりの道路を斜めに横切るような形でグラウンド横の道に入っていくと、香椎宮の本殿前に出ることもできます。
県道からの入口が本来の参道らしいので、今回はそちらへ。
厳密に言えば、県道を進んだ先の西鉄貝塚線・香椎宮駅から、この県道を香椎宮へ向かうのが“本来の参道”ルート。こちらは駅から徒歩15分ほどかかることもあり、現在の最寄り駅は新設されたJR香椎神宮駅(営業開始:1988年)になります。
香椎神宮駅からは、徒歩5分足らずで香椎宮の入口に到着。ここまでは本来の参道ではないため風情も皆無でしたが、県道沿いにいきなり大鳥居が出現し、雰囲気が変わります。
【↑ (右)JR香椎神宮駅方面から香椎宮入口を見る。前方にそのまま進むと、西鉄香椎宮前駅】
【↑ (左)案内図の右上がJR香椎神宮駅、現在地が右中央部、左下が西鉄香椎宮前駅】
【↑ (左)香椎宮入口、一の鳥居 (右)小公園内を進むと、二の鳥居をくぐる】
【↑ (左)境内へと入る楼門 (右)楼門手前の石橋周辺】
入口付近は池があったりと小公園風に整備され、お母さんたちが子供を遊ばせるなどのどかな光景が広が中を進むと、境内の入口へ。
有名神社らしく広い駐車場、大きな休憩所を横目に見ながら境内へと向かえば、予想以上に荘厳な空気が漂い、なかなかの雰囲気です。古くから朝廷の崇敬が厚く、伊勢神宮、氣比神宮、石清水八幡宮と並び“本朝四所”と称されただけのことはあります。
楼門をくぐれば境内ですが、この楼門手前の石橋の下が、堀割のような道路になっている構造は面白い。この構造はひょっとして、足利義政、小早川隆景、福岡藩主黒田家など武家からも尊崇を集め、度重なる造営や修築を受けてきた故なのでしょうか。非常時の戦闘に備えた構えに見えなくもないのですが…。調べたわけではないので、まるで勘違いだったらごめんなさい(^^;;
【↑ (左)楼門と石橋を下の道路から見る (右)道路は周辺住民の生活道路になっていて、自転車や人が頻繁に通る】
境内へ入ると、のどかな雰囲気とともに、物静かで荘厳な空気が漂います。いや、香椎宮をナメてました、自分。。。
仲哀天皇や神功皇后に仕えた大臣・武内宿禰が奉られる武内神社を左手に見ながら、正面に巨大なご神木が立つ境内を進むと、左前方に石段と中門が見えてきます。境内の内部は各所が高低差のある石垣構造になっていますし、中門も城郭の門と櫓の構造に似ていたりと、全体が城郭の縄張りのように見えるのは、自分が城好きだから?
美しく整備された広い境内には小さな社が点在し、池を配した小庭園まで設けられているなど、やはり、武家による整備の跡を感じずにはいられないですね。
社務所にて御朱印をお願いし、その間に本殿への参拝を済ませます。
【↑ (左)楼門を境内側から見る (右)境内左手、手水舎の奥の高台には武内神社が建てられている】
【↑ (左)本殿へは、正面の石段を登る。その先には巨大なご神木が(右写真)】
【↑ (左)ご神木の説明板に記された歌「ちはやふる…」に、思わず反応(^^;; (右)ご神木の横の石段を登ると、中門】
【↑ 中門と両側の櫓構造は、城郭建築そのもの?】
【↑ 中門をくぐると、すぐ目の前に本殿が建つ】
【↑ (右)境内の片隅に設けられた小庭園】
小庭園を散策したところで、そろそろ時間切れ。周辺には不老水大明神など関連社も多いのだけれど、もう博多に戻らなければ。
社務所で御朱印帳を受け取ると、立派なパンフレットも一緒に下さいました。
帰りは正規の参道をと、県道24号線を往路とは逆方向、西鉄・香椎宮前駅方面へと歩き出す。
JR香椎線の踏切を越え、てくてくてく…。ようやくたどり着いたかと思えば、それはJR鹿児島本線の踏切。その線路を越えると、ようやく西鉄貝塚線の高架と、かつては香椎宮への参拝客で栄えた香椎宮前駅が見えてきました。県道沿いの香椎宮入口(一の鳥居)から、やはり徒歩15分はかかりますね。
【↑ (左)並木道に参道の名残りが見える県道24号線 (右)JR鹿児島本線の踏切手前には、参道入口を表す鳥居が建つ】
【↑ (左)香椎宮の御朱印 (右)いただいたパンフレットと略誌】