旅にっき 【2003.08.06-09/久留米・広島】

 2003.08.06-07

この日の行程

 東京→久留米

 うだうだして出発が遅れ、東京駅に着いたのは13時頃。
 とりあえず熱海行に乗車したものの、何も食べてないし、食事をどうしようかなぁ…。

 熱海で浜松行を待っていると、東京13:33発の快速アクティー(211系ロングシート編成)が到着。速いけれど211系が多いアクティーは、混雑しない時間帯は避けたいよな…。などと思っていると、入線してきた浜松行きも211系でした(苦笑)。浜松までロングシートですかぁ(T_T)
 この区間にしては長編成(6両)なのが救いですかね。静岡での切り離しもなく、全車、浜松まで行くので。
 その浜松では、接続時間がわずか1分。浜松や豊橋から快速に座ろうとすれば、接続するスジの1本前の列車に乗ってこなければダメだとわかってはいるものの…。東京を出るのが遅れたため、嫌でもこのスジから離れられない。
 熱海でアクティーから降りてくるのを見かけたグループ客の多くは、気合い&速攻で乗り換えようとドアの前で待ち構えている。「頑張ってね〜」と思いつつ、自分はのんびりと乗り換え。もちろん座れません。で、車内を見回すと、やはり(乗り継いだ)全員が立っていました(苦笑)。
 だから、無理だって。
 でもまぁ、座席横の通路に座っていれば、豊橋までには座れたりするものです。
 そして、金山にて下車。
 このまま終点の大垣まで行っても、乗り継ぐのは金山始発19:20の快速。ならば、「乗るなら始発駅から」の鉄則を守るまで。何も食べていない空腹状態なので、ここでソバでも食べられれば一石二鳥(^^;; が、ホームのきしめん屋には“麺類品切れ”の紙がー(T_T) まだ19時じゃん、麺類がなくて、何のための“きしめん屋”だよー。
 そんな空腹感=悲しみを一時でも忘れさせてくれたのは、入線してきた快速・米原行。なんと懐かしの、かつての新快速用117系じゃないですか。シックな印象の室内も好きで、快適♪ おまけに、短編成で混雑の激しい名古屋地区にあって、堂々の8両編成とは嬉しいじゃないですか。金山でこの列車に乗り換えたのは正解でしたね。もちろん、米原まで余裕で座って行けました。

 さて、ここで迷ったのが、米原からの接続。

 という二通りのプラン。
 米原に着いてみると、A案の20:39発・新快速はけっこうな混雑ぶり。
 それなら1本遅らせて(B案)、食料を調達して行こうと思ったのが大間違い。
 米原駅ホームの売店や駅弁屋は、全て閉店。かつての鉄道ジャンクションだった時代を感じさせる長い長い通路を渡り、改札口まで行ってみると、これまた唖然。売店は閉店し、駅前にはコンビニ一つない有様で、周囲は真っ暗闇。街の中心部が駅と離れているとは聞いていたけれど…。ホントにここは“鉄道ジャンクションだけの駅”だったんですねぇ。。。
 こうして何も食べられないまま、食料も調達できないまま、次の新快速に乗り込むことに(T_T)
 入線してきた編成が5両で驚いたけれど、停車中に後部3両を増結。

 さて。
 上記のように、この列車では京都や大阪で『ムーンライト九州』に乗り継げず、嫌でも姫路まで乗り通さなければならない。つまり、途中駅で食料を調達することができない。かと言って、姫路で売店等が開いている可能性は絶望的。乗り換え時間もなく、駅外に出ることもままならない。
 明朝、博多に着くまで何も食べられないことが決定(T_T)
 結局、このスジで『ムーンライト九州』に乗り継ぐ場合、食料調達の機会は東京か熱海しかないということ。あるいは、米原で接続する新快速に乗り、乗り換え時間が9分ある大阪で頑張るか…。新快速が定時運行されることは稀なので(苦笑)、これもかなり厳しいかな。

 案の定、姫路には6分延着。22〜23時台でも定時運行できないんですか。。。
 6分延着では、本来なら『ムーンライト九州』に乗り継げないはず。でも、列車は向かいのホームで停車中。
 大阪方面からの最終乗り継ぎですからね、接続待ちするだろうとは思っていました。

 初めて利用する『ムーンライト九州』は、14系をスキー臨時列車『シュプール号』用に改造した編成。
 座席はフルリクライニングできるものの、シート自体の出来が悪く、リクライニングして寝ようとすると背中や腰が痛くなってくる。かと言って、リクライニングせずにいれば1時間もしないうちにお尻が痛くなってくる優れモノ(T_T)
 しかも、座席が車端部から2列目の15番。もろ車軸の上ですよ(T_T)
 ことさら揺れる上に、客車列車特有の連結器のたるみ音&振動が“ガツン! ゴツン!”と地響きのように鳴り響く。寝台特急が減った今、客車列車を運転する機関士の技量も落ちたのだろうか。停車&発車時の衝撃がすごいのなんの。。。貨物列車じゃないのだから、もうちょっと何とかならないの?
 おまけに、乗車したのが喫煙の5号車だったのも運の尽き。最後尾6号車の展望室とを行き来する乗客が途切れず、通路ドアの閉まる“ガッチャン”音がひっきりなしに鳴り響く。物見遊山に「とりあえず展望車を覗いてみよう」とするのは勝手だけれど、こちらはたまったものじゃない。
 また、その6号車にはトイレがないため、5号車前部のトイレに行こうと車内を縦断する輩も多く…。
 とてもじゃないが寝られません。
 宴会を開いたり寝る人間がいて何かと問題の多い展望室なのだから、いっそ閉鎖したほうがいいのでは?
 夏休みに青春18きっぷで乗るガキ鉄に、常識を求めるほうが間違ってる。

 『ムーンライト九州』の教訓。
 喫煙の5号車は最悪。同じく喫煙の6号車も(展望室があるので)ダメ。
 静かに乗るためには、最前の1号車がいちばん。1〜4号車は禁煙でも、寝てしまえば問題ない。ガマンしましょう。

 結局、一睡もできないまま朝に。前日もほとんど寝ていないので、体調は最悪。
 このまま乗っていても寝られないことは明白なので、夜が明けてからの最初の停車駅・厚狭で『ムーンライト九州』を捨てることに。
 ただし、本当の“夜明け”はまだまだで、周囲は真っ暗闇。。。
 乗り換えた厚狭始発05:11発・小倉行きは、山陽本線には珍しくキハ47の2両編成。この区間を気動車列車が走るのは、前夜の下関発厚狭行最終4556Dと、駐泊折り返しとなるこの5671Dのみ。うーん、貴重な体験かも(^^;; 本来は山陰本線用の編成らしく、小倉で折り返し822D長門市行になっていました。
 もちろん、『ムーンライト九州』からの乗り換え組など皆無(苦笑)。ガラガラの車内で、のんびり。


【↑ 門司駅にて。左は先行する(門司でいったん追いついた)《ムーンライト九州》】

 そう言えば、陽のあるうちに関門トンネルを通過するのは初めてかも。九州入りはこれまで、飛行機かフェリーばかりだったもので。
 ちょっとわくわく(^^;; でも、「これが関門トンネル?」とか思っているうち、アッという間に通過。感慨ナシ。

 小倉まで行っても接続列車は同じなので、門司で下車。一刻も早く何か食べたいー(苦笑)。
 しかーし。門司駅の寂しいことと言ったら…。6時過ぎだから開いているかと期待したホームのソバ屋は閉まっているし、駅前に出てみても24時間営業の店などなく。食堂はあっても、この時間に開いているわけがない。しまった、小倉まで行くべきだった…。
 仕方なく、入線してきた06:14発の博多行に乗車。とにかく寝たいし、博多に着けば食事も何とかなるだろうと。黒崎あたりまではかすかに記憶があるものの、気づけば終点の博多で、車内は無人。車掌氏に起こされたのでした(苦笑)。

 博多駅を出て南西方向へ向かうと、温泉のある八百治博多ホテルまでは徒歩10分弱。少し迷ったものの、さぁ朝風呂だー♪
 広い浴槽と洗い場は疲れを落としてくれますね。入浴料500円+タオルセット250円也は、立地と朝6時半から(9時半まで)営業していることを考えれば安いでしょう。湯は単純泉らしく透明、ややぬるっとした感じで濁りもあり、けっこう塩辛い? 循環濾過していない湯らしく、何より。
 気持ちい〜よ〜、生き返る♪♪

 
 

 湯船にボーッと浸かっていて、気づけば1時間以上が経っている。もう9時半近い。
 気を取り直して外に出てみると…暑い! 九州の夏は暑い!(当たり前)
 駅隣の博多郵便局で旅行貯金を…と思ったら、ない! 通帳がない! 忘れてきた(T_T)
 博多や久留米には何度か来ていても、いつもイベントのある土・日曜。平日の今回こそ旅行貯金をと思っていたのにー。
 仕方なく新たに口座を開設し、新通帳を作ろうかと思ったところ、そのためには印鑑が必要だと気づく。郵便局で教えてもらった博多駅交通センター内の100円ショップへ向かうと…。あ、開いてないし。そうだよ、まだ9時半じゃん。時間の感覚が狂ってるぞ。
 もう、ほとんどヤケになってきた。まだ旅の初日なのにー。
 気を落ち着かせるためにも、まずは空腹を満たさねば(苦笑)。
 駅に戻り、駅舎と隣接するラーメン屋で一昨日夜以来の食事を(^o^) 隣が吉野家だし〜、駅前だし〜、と期待していなかったラーメンながら、けっこうウマい。午前10時までは小ライスと玉子、海苔がセットになっていてお得。
 そうこうするうち10時になり、100円ショップも開店し、印鑑をゲトー! 新通帳も作り、ホッ。
 駅をはさんで、郵便局と交通センターは反対側。ラーメン屋は郵便局側。というわけで、駅前を無意味に2往復しているし。疲れた。。。

 さ、久留米へ向かおう。



 久留米→熊本

 イベントが終了し、JR久留米駅へ戻った頃には、雨が本降りになり始める。台風接近。
 大牟田から熊本へ向かう列車は、相変わらずの(嫌いな)815系。八代−大牟田間はほとんどの列車が815系なんですねぇ。熊本−大牟田間なら何とかガマンできるけれど、1時間の乗車が限界ですわ。。

 熊本駅前からは、手慣れた感じで市電に乗り、水道町へ。
 市電乗りまくり&郵便局巡りを一度やったもので、熊本市街の地理にミョーに詳しいのです(^^;;
 市電を降りると暴風雨。いよいよ台風だよ(T_T)

 夜は熊本ラーメンを食べに行く。
 繁華街の書店でタウン情報クマモトの別冊『熊本のラーメン(食べ歩きの必携本)』なるものを購入し、掲載店の中でホテルにいちばん近いラーメン新天地へ行ってみる。解説には「思いのほかあっさり」と書かれているのでどうかなと思ったところ、なるほど、あっさり(苦笑)。博多ラーメンより薄味ではないかと思うほどで、かなり拍子抜け。コショウが効いたとんこつラーメンというのは珍しいけれど(^^;; 飲屋街&風俗街に近いエリアなので、この味のほうが受けるのかも?

 さて、翌日は広島へ向かう予定なのにもかかわらず、久留米から熊本へ移動した訳は…。

 映画『チルソクの夏』を見るため。

 下関を舞台にしたこの映画。今年5月の公開開始時(山口県や福岡県限定)には見る機会がなく、8月からは上映場所が九州各地へ。この機会に見ておかないと、東京での公開はいつになることやら…。興行成績次第ではそのまま上映が終わってしまう可能性もあり、チャンスを狙っていたんですよね。
 で、この時期は熊本と大分で上映中。明治時代に開館したという由緒ある映画館、熊本Denkikanにて、めでたく鑑賞することができました。いわゆるニューシネマ系、玄人好みの作品を上映しているらしい劇場で、ゆるい階段状に設置された座席は大きく、前席との間隔もゆったり。身長180cm以上の自分でも、くつろぎながら見ることができました。
 台風接近下の荒天という悪条件もあってか、観客は自分を含めてわずか5人。上映は10:00と18:40の2回だけで、昼間〜夕方は洋画の『talk to her』を上映しているため、入場時に「次の回は『チルソクの夏』ですけれど、いいですか?」とか聞かれちゃいました。。。
 いいんです。そのために東京から来たんですから。
 とは言わなかったですけれどね。


 水道町グリーンホテル2アネックス

 この日の宿泊先は、熊本や久留米にチェーン展開するグリーンホテルの、水道町グリーンホテル2アネックス
 全室ダブルでシングルユース5,000円、LAN対応ルームもありという価格設定は、市電の水道町電停から徒歩7〜8分、辛島町やバスセンター、通町筋からは徒歩15分弱という、どこからもビミョーに遠い立地ゆえ? さらに朝食付きなのかと驚いたものの、実際にはパンと飲み物だけでした(^^;;
 さて、肝心の部屋は…。
 入った瞬間、「え、これがダブルルーム?」。東横インのシングルより狭いんですけれど…。その狭い部屋に、ダブルベッドがで〜んと鎮座しているものだから、余計に…。バスルームや洗面台も超狭いく、洗面時にはお湯がバシャバシャとこぼれれ、床が水浸しになってしまう。
 いやー、何度も言うけれど狭いです。設備の新しさが救い?
 熊本は広島などと同様、需要に対してビジネスホテルの絶対数が少なく、小〜中規模の古い施設も多い。LAN対応のホテルとなればさらに選択肢は狭まり…。そうした状況を考慮した上で、1泊だけなら何とか及第点と言ったところ? 狭さ以外は、フロントの対応など全ての面においてフツーで、可もなく不可もなく。決定的な欠点があるわけではないので。

 
【↑ 部屋が狭いので、魚眼レンズでもないと全景が撮れない…】

 宿泊する度にもらえるグリーンチケットは、5枚でシングル料金半額、10枚でシングル無料になるのだとか。でも、有効期限が半年では…。利用可能なのが熊本市内のグリーンホテル各店舗のみというのも、ちとセコい(苦笑)。