旅にっき 【2003.07.19-22/宮崎】

 2003.07.19

この日の行程

 東京→宮崎

 羽田からの足は、宮崎へ飛ぶ新興エア、SNA(スカイネットアジア航空)。初めての利用だけにちょっとワクワク(^^;;
 羽田の搭乗口は39番。1階にあるバス出発ラウンジで、駐機場の機体まではバスに乗って行く。大手航空会社と違い、搭乗ゲートをなかなか使わせてもらえないのでしょうか。ちなみに、羽田でバス出発になる搭乗口は30〜40、80〜90番。
 機種はSNA独自仕様のボーイング737-400で、黒地に赤色のカバーがかかった座席は南国・宮崎便らしいカラフルさ。JR九州の特急座席もそうですが、九州の人はやはり派手好き? 従来よりもシートピッチを10mm拡大したというだけあって、快適です♪ その分、定員が170席から150席に減少したため、多客期はすぐ満席になるらしい。
 ただ、SNAでは積極的に宮崎方面への格安ツアーを組んでいるので、そのキャンセル分が数日前に大量発生することも。実は、今回乗れたのもそのおかげ(^^;; それでも、搭乗当日には満席になっていました。ツアー分のキープを考えると、早勝20(15,000円)や早勝10(17,000円)はけっこう狭き門なのかもしれない。



 機内では、飲み物とお菓子のサービスが。月代わりの機内菓子には宮崎県内各地の銘菓が用いられるそうで、なかなか気の利いたサービス。今月の銘菓は串間のおいもちゃん玉味製菓)で、これがまたおいしい♪ 宮崎県串間市は日本一の食用寿甘藷の産地で、その甘藷を原料にした素朴で味わい深い銘菓なのだとか。甘藷(サツマイモ)というイメージから受ける甘ったるさやしつこさがうまく抑えられていて、ほんのり甘くコクがある感じ? 

 

 宮崎空港へ着くと、さっそく南国らしい暑さが出迎えてくれる。
 東京は長梅雨で気温も低いのに、この日の宮崎は30度超えでムシ暑い。

 

 空港バスターミナルでは、青島方面へ向かう油津行き宮崎交通バスを待つ。
 12〜13分遅れでやって来たバスは、予想に反して一般路線バス用の中型車両。しかも、買い物帰りや遊び帰りの地元客でほぼ満席。観光路線だと思っていたけれど、車内にヨソ者は我々だけという状況でした。
 先発したシーガイヤ行きが大型ハイデッカー車に乗客数人だけを乗せ発車していっただけに、落差が大きいなぁ(苦笑)。
 青島までは25分で到着。
 大半の乗客はさらに先まで乗るようで、車内はほとんど空かず。やはり、地元の生活に密着した路線なんでしょうね。ま、夕方の17時過ぎにやってくる観光客もいないでしょーが(苦笑)。

 青島バス停を降りると、目の前のバスセンター…かつてはバス待合所として賑わったであろう、古びた建物が出迎えてくれる。およそ寂れた雰囲気で、ここ日南が“過去の観光地”であったことを痛感させられる…。バスの客層を考えれば、驚くべきことでもないのですが。
 建物の中は、単なるみやげ物屋。周辺にもみやげ物屋や食堂が連なるものの、どれも朽ちた…とまでは言わないけれど、やはり“終わってる”印象ですねぇ。観光地の“バスセンター”ならあるだろうと思っていた、コインロッカーや荷物預かり所もない。徒歩3分程度のJR日南線青島駅まで行ってみたものの、こちらはさらに寂れているので…。
 結局、重い荷物を持ったまま、バス停から100メートルも離れていないイベント会場(国民宿舎跡地)へ向かうことに。


【↑ 会場の裏はすぐ海岸】

 イベントステージ終了後は、JR青島駅へ。
 駅前、待合室周辺にはお約束のヤンキー集団がたむろしている(苦笑)。
 田舎へ行くと、ヤンキーはコンビニじゃなく駅に集まる習性があるらしい? どう見てもヨソ者(観光客風?)な我々に不思議そうな視線を送ってくるけれど、地元民じゃないので絡んできたりはしない。これもお約束(^^;;

 
 

 青島駅の開業は大正02年10月31日。日南線の全線開通以前、宮崎軽便鉄道が大淀駅(現在の南宮崎駅)と内海港とをつないでいた頃に設置された、同線では老舗駅になる。
 構内は二面三線の構造を持つものの、実際には駅舎側の一線は使用されず、島式ホームの二線のみが使われているらしい。近年の、合理化&集中制御が進んだ地方駅の典型的なパターンですね。跨線橋もなく、駅舎側ホームから島式ホームへは線路を歩いて渡る方式。
 ホームに植えられたソテツやサボテンが南国ムードを感じさせるけれど、新婚旅行先として宮崎・日南海岸が脚光を浴びた昭和40年代、宮崎観光ブームの遺物といった感もあって寂しいですねぇ。

 やって来た列車はキハ31+キハ40(白地に青帯の旧国鉄・九州鉄道管理局カラー)の二両編成、ワンマン列車。
 キハ31系は、国鉄末期、JR化後の経営基盤の脆弱さが不安視される九州、四国、北海道に導入された軽量ステンレス製気動車。キハ40とのペアで使用されているのは、トイレが必要なためでしょうか?(キハ31はトイレ無し車両) シートは新幹線0系の転換式クロスシートを流用しているため豪華ですが、室内が狭く感じられるのであまり好きではないですね。
 ワンマン列車で乗客が前部のキハ31に集中していることもあり、迷わず無人のキハ40に乗車。ボックスを占拠して足を投げ出し、冷房が入っているのに窓を全開にし、気持ちよくなっていました(だめ)。

 ちなみに、日南線用キハ40には全面を鮮やかなイエローに塗装された専用車両も。サイドに紺色で“NICHINAN LINE”と描かれたもので、日南線沿線自治体が1両につき50万円を負担して再塗装しているのだとか。
 国鉄末期に大隅線、志布志線が廃止され、行き止まりの盲腸線となってしまった日南線。JR九州管内で生き残っている盲腸線は指宿枕崎線と日南線の2路線のみで、地元自治体にも存続への熱意があるのでしょう。後日の南宮崎駅構内では、検査明けで新規塗装されたらしい、ピカピカのイエローがまぶしいキハ40を見かけましたし。行く行くは全車そうなるのかしらん。

 

 JR九州の車両は、カラフルな塗装でも話題になりがち。この日見かけた特急《ひゅうが》《きりしま》も、車両自体は今どき珍しくなった未改造&旧態依然(苦笑)の485系ながら、カラーリングだけは見栄を張ってます(^^;; 同じく485系、その新塗装から長崎本線で話題を集めた《RED EXPRESS》も、今や宮崎地区の専用車両。改めて、宮崎地区の車両近代化が遅れていることを感じさせられました。。。

 
【↑ 宮崎駅に停車中の特急《きりしま》《ひゅうが》用485系。下のように、宮崎−宮崎空港間では間合い運用で普通列車にも使用される】

 
【↑ (右)宮崎駅(東口)】

 って、青島まで行きながら、青島神社鬼の洗濯岩など、観光名所に全然行ってないじゃん(^^;;

 宮崎へ戻り、ホテルに荷物を置いてから食事に出る。
 宮崎の繁華街・橘通りへは、駅から徒歩15分ほど。途中の駅前・駅周辺の商店街は寂れていて、サラ地になっている部分も目立つ。まだ夜9時だというのに、あまりに無人で怖いほど。
 ところが、橘通り周辺まで来ると雰囲気が一変する。3連休の初日ということもあってか、人がごった返し、熱気がムンムン。観光客向けガイドブックに載っている飲食店から風俗店まで、あらゆる店がこの一角に集中しているため、うっかり家族連れで来ようものなら教育上たいへんよろしくない(苦笑)。“名物!地鶏料理”の看板を掲げた店の隣で、看護婦さんやコスプレなおねーさまが客引きをしているのだから。もっとも、飲食店=居酒屋風な店ばかりで、ファミリー向けの店は皆無ですが。

 宮崎の名物と言えば地鶏と宮崎牛。さすがに、地鶏の看板を出した焼鳥屋が多いですねー。
 全国的な知名度は今ひとつなので、フツーは宮崎の名物=? なのでしょうが。ゲームの《桃鉄》でも、宮崎の物件は畑ばかり(笑)。
 あ、でも、小判が出るか(違う)。
 なので地鶏を食おうということになり、駅の観光案内所でもらったグルメパンフレットに載っている“元祖・鳥料理”の店、丸万中店屋に入ってみる。店内はちょっと小洒落た焼き鳥屋といった風情で、地鶏は確かにウマかったですね〜。二人でビール1杯ずつ、あとはひたすら食いまくって5,850円なり(安い?)。