旅にっき 【2004.05.05-11/岩手〜青森・下北半島】 *PART3

5月5日に岩手県東和町でLove Yours、8日に青森県六ヶ所村でりんご娘.のイベントがあるため、それを組み合わせて下北半島へブラり旅。今回はクルマで。


 2004.05.08

 むつ→横浜→六ヶ所→むつ

 この日は、六ヶ所村の大石総合運動公園で16時からりんご娘.のイベントを見る予定。
 なので、国道279号で横浜町を経由し菜の花を見て、吹越から県道24号(横浜六ヶ所線)で六ヶ所村に入ろうかと。

 でもその前に、昨夜の寝不足でボーッとした頭&身体を何とかしたい。むつ市郊外のむつグランドホテルに併設される斗南温泉に立ち寄ることにする。郊外と言っても、田名部の下北交通バスターミナルからはクルマで10分もかからない。ちなみに、この《田名部》という名称は旧・大畑線の駅名で、むつ市の中心部…と言っていいのかなぁ? ホテルやデパート、飲食店などの繁華街がこのエリアにあり、官公庁などはやや離れたところに集中、さらにJR大湊線の大湊駅は市内の外れのほうにあたり…一口に「むつ市」と言っても、かなり広いので。。。

 むつグランドホテルは小高い丘の上に建つ立派なホテルで、その隣に平屋建ての(外見はあまり立派ではない)建物が併設されている。ここが日帰り入浴施設の斗南温泉《美人の湯》。館内には食堂や休憩室もあり、脱衣場や浴場も広く、シャンプーやボディソープ、ドライヤーなどの備品も揃っていて、さすがホテルの施設ですねー。ガラス張りの内湯は広くて開放的、洗い場の数が膨大なのにも驚き。ホテル利用者+市民の公衆浴場として広く利用されている証ですね。泉質は単純泉らしーですが、薄い茶褐色気味の湯は塩味もあり、ややぬるっとした肌触り。その名称通り、肌がツルツルになる感じも。ガラス張りの向こうには庭園風呂風な露天風呂もあり、足つぼを刺激する歩き湯なども…もっとも、自分が行ったときは子供のプールと化してましたが(苦笑)。ここで洗顔から髭剃り、洗髪までを済ませて、ようやく人心地(^^;;


*(中)むつグランドホテル。この右側に→ (右)斗南温泉入口

 むつ市内から、国道279号を横浜方面へ南下する。《むつはまなすライン》という通称もあるこの区間には、真っ直ぐに伸びた道路がアップダウンを繰り返す様を、数百メートルに渡って見通せる場所がある。映画によく登場する、アメリカ中西部のカントリーロードのような光景。。。ちょっとした観光名所になりそうな気もするのだが、どこにも情報がないのは不思議。

 横浜町に入ると、沿道に菜の花畑が目立ち始める。ここ横浜町は菜の花の作付け面積が日本一なのだsろうで、町全体を挙げて“菜の花の街”というイメージ作りで健康客を誘致している。花の満開時期は5月中旬で、翌週には菜の花フェスティバル(ポスター/PDFファイル)も開催されるなど、まさに菜の花の時期なんですね。国道沿いにはそのフェスティバル会場への案内板が数多く立てられているので、それに従って脇道に入ってみる。のんびりとした農道を走っていくと、あたりは菜の花畑でいっぱい(^o^) 会場までのルートは(国道から)最短ではなく、町の中心部を避けるような迂回路が設定されているよう。遠くには風力発電用の風車郡も見え、菜の花畑+風車という絶好のロケーションを眺めながら、のんびり走れます。

 フェスティバル会場は、菜の花畑が広がっている、それこそ“ただの菜の花畑”(苦笑)。その一角に駐車スペースが設けられ、畑の一部で迷路が作られたりと、何ともローカルな雰囲気がかえっていいですねー。何より、あたり一面が黄色一色に染まった(ほぼ満開の)菜の花畑の美しいこと。。。ヘタに人工的な施設を作らない、その素朴な美しさがかえって贅沢に感じられたり。こうした演出には好感が持てますね〜。別の一角にはステージが仮組みされていて、これが唯一の人口建造物(^^;; 菜の花畑のど真ん中のステージで開催されるイベントは素敵なんでしょうね〜。
 もっとも、数日後に有畑の簡易郵便局で聞いたところ、フェスティバルの週末は国道279号が大渋滞を起こして大変だそう。町内から野辺地あたりへ出るのに数時間かかることもあるそうで…「菜の花を見るなら今週のほうが良かったですよ」と言われ、納得。ちなみに、この有畑簡易局の奥様も、数年前まで東京にお住まいだったそう。


*(右)下北半島各地で見かけた観光情報誌《下北共和国》(発行:下北観光協議会)の2004春号・表紙

 吹越からは県道24号に入り、すぐにJR大湊線の踏切を越える。ここがJR吹越駅。ホーム1面だけの無人駅だけれど、六ヶ所村の中心部への最寄り駅でも。野辺地から泊までを結ぶ下北交通バスも、ここまでは海沿いの国道279号を通り、吹越駅前から県道24号を内陸部へと入って行きます。


*(中右)有戸・野辺地方面 (右)陸奥横浜・大湊方面

 この県道は国道以上に快適なドライブルート。村の中心部にほど近い(りんご娘.のイベントが行なわれる)大石総合運動公園まで、途中の集落は1カ所のみ。あとはひたすら丘陵林間地帯を快走していく。と、突然視界が開け、草原が広がっているところで、県道沿いに建っているのが六ヶ所温泉(尾駮温泉)。


*(右)建物の横には採掘用(?)の鉄塔が。その隣ではポンプが稼働中。

 ここは“日本一深い温泉”として知られる(?)ところで…と言っても地下に温泉があるわけではなく、源泉の採掘深度が日本一深い2,714メートルだというもの。高さに直すと八ヶ岳と同じ高さだとか(^^;; 泉質はナトリウム塩化物泉で、ヌルッと感が成分の濃さを感じさせる、ほとんど無味、無色透明の湯。内湯はまぁまぁの広さで、何やら工事現場のような雰囲気の露天風呂も。風情には欠けますが、内湯も露天も浴槽の深さが嬉しいところ。湯量はたっぷりですね。
 受付にはスタンプが置いてあり、スタンプ帳も販売中とあるのだけれど、おばちゃんに聞いてみると品切れ。どうも、かなり以前から品切れなままのようで(^^;; 当初は“日本一深い”をキャッチコピーにいろいろ売り出そうとしたものの、地元客以外に訪れる人もなく、観光的な取り組みはやめてしまったような感じですかねぇ。村内に東北でも最大級の温泉施設・スパハウスろっかぽっかができて大人気なこともあり、訪れる人も減っているのでしょう。で、スタンプだけは無料なので記念に…と思ったら、押せるような紙を持っていない(^^;; 困っていると、テレビの昼ドラを真剣に見ていたおばちゃんがマイルドセブンの(タバコを1カートン買うと入れてくれるような)紙袋をハサミで切り開き、「これに押せばいい」と手渡してくれました。ぶっきらぼうだけど親切です(^o^)


*(左)館内に掛けてあったタオル。 (右)スタンプ

 再び県道24号を走り出すと、ほどなく右手に原燃PRセンター、左手に大石総合運動公園が見えてくる。イベントまではまだ時間があるので、まずは原燃PRセンターを見学。
 館内の見学コースは、エレベーターで上がった3階から。周囲360度が見渡させる展望ホールになっていて、中央のミニシアターでは、なぜか恐竜の子供のCG映画を上映中。2階はサイクルステーションで、原子力や放射線についてを映像やゲームで紹介、1階〜地下1階は《原燃ツアーズ》と称され、原子燃料のリサイクルを実物大の模型でバーチャル体験できるというもの。まぁ、予想していた通り、小学校の社会科見学に適当な施設なんですが(苦笑)。。。最終的な高レベル放射性廃棄物については、危険性がなくなる数百年後まで土に埋めるという説明だけでおしまい(苦笑)。
 館内3階に置かれたのスタンプをパンフレットに押して行くと、スパハウスろっかぽっか入館料が\200割引になるキャンペーンも実施中。これも地域密着の一環なんですかね。そのパンフレットの紙質がコート紙のため、スタンプ欄に押したスタンプがまったく乾かない…。注意書きはあるものの、30分経っても乾かないんじゃねぇ。。。館内を見終わった頃には手や服、バッグの中身にインクがついていて(T_T) スタンプ台を速乾性のインクのものにするとか、パンフレットの紙質を変えるなどして欲しいですねぇ。


*(中左)展望台から六ヶ所村を望む。左にウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物埋設センター、右に再処理工場 (右)パンフレットに押したスタンプ

 その後は原燃PRセンターの向かいにある大石総合運動公園でりんご娘.のステージを見て、たのしむべフェスティバルのレーザー&花火大会を堪能して(素晴らしい!)、会場を後にしたのは既に20時過ぎ。駐車場の出口が大渋滞していると思ったら、そのほとんどは村の中心部のほうへ帰るクルマ。吹越方面へ向かうクルマはごくわずかで、村外からの観客はごくごく少数だったようですねぇ。
 行きと同じ経路を辿ってむつ市へと戻る。


 むつパークホテル

 この日の宿泊は、旧・田名部駅と下北交通バスターミナルの間、どちらからも徒歩2〜3分の立地に建つ、むつパークホテル。むつ市内での宿泊なら、ここかむつグランドホテルと言われるメジャーなホテルだけに、部屋も洗面所、バスタブとも広くキレイで、備品も完璧。館内施設も素晴らしく、コインランドリーは乾燥機とも3台ある上、通常のビジネスホテルに設置されているものよりも大型なのが嬉しい。洗剤も用意されるし、これなら宿泊・滞在とも何の問題もないですね。シングル1泊\5,800は東北地区としてはやや高めですが、その価値は十二分にあり。
 もともとこの日までは満室のはずだったのだけれど、当日午前中に電話してみたところ、キャンセルが出たようで空室あり。長期GWの最後の土曜ということで、夜には満室だったよう。そのためLAN接続可の部屋には泊まれなかったけれど、翌日は接続可な部屋(新館)への変更を頼み、連泊決定。

 ちなみに、翌日泊まった“新館”は、この日の旧館(?)とは廊下でつながっていて、その見分けはほとんどつきません。よく見ると廊下に増築した跡があり、各フロアの先端部を数部屋分ほど増築したよう。室内&設備も旧・新館で変わりはなく、唯一、LAN接続可かどうかだけの違いですね。


 2004.05.09

 むつ→恐山→薬研→むつ

 この日は日曜日。郵便局も閉まっているのでのんびりと(^^;; 恐山、薬研方面をまわる予定。まずは、むつ市内から恐山へと向かう途中、下北半島でもっとも高い釜臥山へと登ってみよう…。
 と、県道4号(むつ恐山公園大畑線)から釜臥山への分岐点まで来ると、何やら係員が立っていて止められる。聞くと、途中に雪崩危険箇所があり釜臥山展望台までは行けないと言う。うーん、残念。北海道まで一望にできるという展望を楽しみたかったのに…。しかし、GWも明けようかという時期なのに、雪崩ですか…。


*むつ市職員からもらった通行止めの案内

 なわけで、大人しく県道4号を恐山へと走る。山また山の中へ入っていくのかと思ったら、意外なほど道は平坦で、爽やかな林間地帯を走り抜ける感じ…と、いきなり視界の開けたところに宇曾利山湖が広がっていた。


*宇曾利山湖畔から恐山を望む

 長期GW最終日の日曜ということで、駐車場にはクルマがたくさん。観光バスも何台も止まっていて、さすが、下北半島有数の観光地。で、やはり「さすが!」と思うほど感動したかと言うと、そうでもない(苦笑)。もっとスケールの大きな、神妙で幻想的な、背筋がゾクッとくるような世界をイメージしてたんですが、実際には温泉地獄の箱庭的な感じですかね。歩道から外れて隅々まで歩いてみたものの、霊感のない自分にはあまり関係ないような…。**地獄などというネーミングも、子供だましなのでやめたほうがいいですね。
 それでも、総門から地蔵堂一帯に漂う荘厳な雰囲気、中国の寺院のようなスケールの大きさには感じるモノがあったし、あちこちから硫黄臭を漂わせながら吹き上がる水蒸気、あたり一面が白く覆われた岩場は、やはり異世界ではあります。その先に広がる宇曾利山湖の雄大さ、その湖面に映る山々の美しさとの異様なコントラストは、なるほど絵になるロケーションだし。誰も行かないような湖畔の外れに、ポツンと供養塔が建てられていたのには、ちょっとドキッとしましたけど。。。ヘンに観光地化されてしまっているのが間違いな場所、なのかもしれません。


*(中左)恐山入口 (中右)総門 (右)山門と菩提寺(左側)


*(右)血の池地獄。水が赤いです…


*宇曾利山湖

 恐山の境内には温泉も湧いていて、入山者は誰でも温泉小屋で入湯可能。と言っても、ここで温泉に浸かるのは物好きな人間だけなようで、ほとんどの観光客は素通り。そもそもここは、入山者が身を清めるための温泉なのでしょうね。
 その湯はかなり熱く、水でうめなければとてもじゃないけれど浸かれません。足をちょっと浸けただけでもジーンと痺れてきて、10秒が限界(^^;; 誰もいないのをいいことに、5分ほど水をバシャバシャ…ようやく何とか浸かれるようになり、白濁した無味の湯にどっぷり浸かる…はぁぁ、いい湯だ。。。成分が肌にしみいる感じの含硫化水素泉(酸性緑ばん泉)は、けっこう好きなんです(^o^)
 なお、湯小屋は3つあるのですが、このときは薬師の湯が女湯となっていて入浴できず(日替わり?)。反対側の古滝の湯は改装中で入浴不可、入れたのは冷抜の湯のみ。その屋内は改装済みなのか真新しいもの。いっぽう、工事関係者に断って中に入れてもらった古滝の湯は古めかしい内装のまま。こちらも、近日中には改装工事を終えて真新しい内装に変わるのでしょうね。


*山門内から地蔵堂を望む。右手の小屋が薬師の湯


*(左)古滝の湯、冷抜の湯 (中)(右)冷抜の湯


*古滝の湯

 恐山からは県道4号(むつ恐山公園大畑線)で薬研へ。途中は道幅も狭く急カーブ、急勾配が連続。恐山側の分岐点付近だけが未舗装なため敬遠されのか、交通量はほとんどなし。でも、観光ルートだけあって大型バスも平気で通るんですよねぇ(驚)。薬研温泉の手前で県道284号(薬研佐井線)に入り、薬研温泉から奥薬研温泉へ。


*(左)県道4号と284号の分岐点から薬研方面を望む (右)薬研温泉

 薬研温泉を過ぎると、右手に大畑川が寄り添うように流れ、遊歩道が整備されているので、クルマを止めて歩いてみる。ちなみに、奥薬研の手前・乙女橋までは、景観の良いところ毎に駐車スペースが用意されているので、全て歩かなくても雰囲気は味わえる。そうした場所以外は、林間部を通る形で渓流から離れたり、遊歩道が途切れて県道を歩かなければならなかったりも…いちばん下流でクルマを止めて歩き始めると、後悔しますんで(苦笑)。遊歩道全域の案内板を設置して欲しいですねぇ。


*(右)この区間のバスはフリー乗降。と言っても朝の1往復だけでは使えない…


*乙女橋から先は、かつての森林軌道跡をたどる。奥薬研の終点には《ヒバ産地別見本林》が。


*このあたりは一面のヒバ林。手つかずの保護林と、管理された施業標準林とに分かれる。

 奥薬研温泉では、有名なかっぱの湯(無料・混浴)と、奥薬研修景公園レストハウスに併設された夫婦かっぱの湯(有料・男女別)の2つの露天風呂に浸かる。以前は夫婦かっぱの湯は無料だったはずですが、財政難(大畑町営)で有料化されたとか。でも、この開放感と景観を考えれば入湯料\200は安すぎるぐらいですね。有料だけに、清掃も行き届いてひじょうにキレイな露天風呂です。ただ、湯自体はいずれも無色透明無味の単純泉で、ちょっと物足りない感じ。
 いっぽう、もともと林業従事者のために作られた温泉が一般開放、観光地化したかっぱの湯のほうは、期待が大きすぎたせいか、今ひとつ感動が薄く。。。や、このロケーションですからね、フツーの人なら十二分に感動すると思いますよ(苦笑)。こちらのほうが夫婦〜より湯が熱く、露天風呂の両サイドは熱すぎて入れないほど。上流側・下流側の2カ所から源泉が流れ込んでいるようで、真ん中あたりが適温でちょうどいいかと。逆に冬場は両サイドでないとぬるいかも。
 ちなみに“かっぱの湯”の由来は…「1100年ほど前、恐山から降りて来た慈覚大師がこのあたりで転んでケガをし、それをカッパが助け、温泉に入れて怪我を直した」という伝説からだそうです。どちらの露天風呂にも、カッパの像が飾られています。


*(中)(右)夫婦かっぱの湯


*(左)レストハウスでイカスミラーメン(\800)を食す。激うま。おススメ! (中)県道から見た、かっぱの湯。川岸左手に露天風呂が (右)左の写真をズーム


*(左)かっぱの湯への降り口には森林軌道の跡が (中左)上の写真と反対側から見た、かっぱの湯(橋が県道) (中右)(右)かっぱの湯

 そんなこんなでのんびりした奥薬研を後に…する前に、レストハウスで湯野川温泉へ抜ける林道に尋ねてみる。館内には手作りの周辺地図が貼られていて、そこにははっきり“悪路”の表示が…「落石がなければ通れるかもしれないけれど、行ってみないとわからないですねぇ」とのお答えに、うーん。。。この興味津々な思いが、後に遭難未遂事件を生もうとは……。。。

 大畑町まで降りてくると、もう夕方。でも、このままむつ市へ戻るだけでは面白くない(^^;; なわけで、旧・大畑線の駅跡ツアーへ。。。
 まずは、終着・大畑駅の一駅手前、正津川駅跡。国道279号の海沿い(集落内)を走る旧道と、平行して走る狭い路地を住宅の軒をかすめるようにゆっくりと走り…あったあった。集落のど真ん中、住宅街の中に忽然と現れる感じで、利用の便は良かったんでしょうね。駅の反対側には畑が広がってますが…。
 ちなみにこの正津川駅、かつての国鉄時代、ローカル線の駅を集めた写真集を子供の頃に見て、憧れた覚えがあったりします。夕暮れ時の駅のホームに座り込んだねじり鉢巻きのオッサンが、待合室の薄明かりをバックに、一升瓶を片手に酒をかっくらう姿を写した情緒深い1枚(笑)。この写真に強烈なインパクトを感じ、一体この駅はどんなところなのだろう…と、大畑線に思いをめぐらせたと。ヘンな子供だったなぁ(苦笑)。その写真集には今はなき北海道・深名線の、それも廃線(1995年)よりずっと以前に廃止(1990年)された白樺、蕗ノ台駅が“まだ現役の駅だった頃”の写真も掲載されていて、ひじょうに思い出深いものだったり。いつの間にか紛失し、肝心のタイトルを忘れてしまったので探すこともできず…残念。


*(左)駅付近の線路跡はネコの遊び場 (中左)川代方面。駅前の公民館の隣に、移設されて物置利用(?)される下北交通時代の待合室が
(中右)大畑方面 (右)全て撤去された駅前

 そのまま国道279号・旧道をたどると、川代駅跡に着く。場所的には上川代ですかね。こちらも集落の住宅街すぐのところに駅があり、利便性は高かったはず。にも関わらず廃線に追い込まれたのは、起点のむつ市、終点の大畑町の中心部以外、沿線人口が少なすぎた…からなのでしょうね。駅と集落が離れすぎていて利便性が低く、利用者が減少していった例は数多く見ますが、これだけ便が良くてもダメなんですねぇ。と、旧道を走る大畑行き・下北交通バスがやってきたので見てみると、夕方にもかかわらず車内はほとんど無人なのでした…。


*(左)陸奥関根方面 (中左)正津川方面 (中右)全て撤去された駅前 (右)駅付近の踏切跡(クルマの位置が線路)

 と、ここまでは順調に駅跡を探せたのだけれど、先日見た陸奥関根駅跡を飛ばして次の樺山駅跡を探そうとすると…これが見つからない。国道297号沿いに家が建つ樺山集落内を走ってみても、線路跡の方向へ入る路地が見当たらないのだ。で、いったん関根方面へ戻ってみると、集落を外れた先の何もない原野に、線路跡方向へ入る脇道がある。まさかこれが…と思いつつ進んでいくと、踏切跡に出た。で、そこから左右を眺めてみると…


*(左)こんな脇道を入って行くと… (中左)こんな踏切跡に。周囲は森林&原野で無人 (中右)陸奥関根方面 (右)田名部方面…あ、あれは…?

 200メートルほど先に見えるのは、どうやら駅らしい。下北交通カラーに塗られた待合室に違いない。でも、その駅に近づく道が…ない。仕方なく道床の残る線路跡を歩いて、駅跡に到達。何なんだ、この駅は…と思いつつ周囲を見回すと、田名部方向の切り通しを、上の方に登っていく道(らしきもの)が目に止まる。よく見ると、かなり草に埋もれてはいるものの、かすかに轍の跡も見える。もしやと思いとことこ歩いていくと、徐々に道らしくなってくるぞ(^^;; そのまま進むと…家の軒先をかすめて国道297号に出た! こんなの…発見できるわけない(T_T) なんでまたこんな、集落の外れもいいところに駅を作ったのだろう。。。


*(左)田名部方面 (中左)陸奥関根方面 (中右)駅前側から見た駅舎 (右)駅舎内には“善意の傘”の入れ物が2つ…


*(左)集落への道らしきものから駅を見る (中)さらに集落寄り (右)同じ位置から見た集落側。手前の駅最寄りの家は廃屋


*(左)そこにはこんな建物も (中左)東北新幹線・下北耐震ハット (中右)そのためか、ここから集落側は道が整備されている (右)国道から駅への道を見る

 そろそろ暗くなってきたし、今日の行動はここまで。
 国道297号をむつ市内中心部に戻り、国道沿いで見つけた食堂《やま忠》で、味噌貝焼き定食(\1,500)の夕食。下北の郷土料理・味噌貝焼きは各家庭(店)によって味付けや具が異なると聞いていたけれど、納得。一昨日、大湊駅前の店で食べたものとは全く別物なのでした。店内では巨人−広島戦のナイター中継をオンエア中で、やっぱ巨人は全国区なんだなぁと、またも実感(^^;;

 この日も、むつパークホテルにイン。今度はLAN接続可な新館の部屋。接続はもちろん問題なく、快適な一夜を過ごす。