旅にっき 【2003.12.20-26/広島・高松・小豆島・姫路・大阪・名古屋】

 2003.12.25

この日の行程

 高松→小豆島→姫路

 翌日の大阪でのイベントに備えて、この日は移動日。
 18キップ移動の難関、岡山−姫路間が面倒なのと、ただ移動するだけではつまらないので、高松から小豆島経由で姫路へ向かうことに。

 高松→土庄は小豆島急行フェリー(四国フェリー)の高速艇スーパーマリン(11:25発)で。停泊中は大揺れでどうなるかと思ったけれど、走り出せばほとんど揺れることもなく、豪華な船内は快適そのもの。所要30分で片道\1,020は、これならお値打ちじゃないでそか。30分で到着してしまうのがもったいない、もっと乗っていたい感じ(^^;;

  
*(左)高松フェリーターミナル (中)桟橋にスーパーマリンが着岸 (右)スーパーマリン

  
*(左)スーパーマリン操縦席 (中)2階部は誰でも利用できる豪華サロン (右)1階の一般客室

 船が小豆島の玄関口・土庄港に入っていくと、各方面からのフェリーや船舶が数多く港内を航行していて、ちょっとした船舶ラッシュの様相。フェリーがすぐ横を併走していくのを眺めながら、よくぶつからないものだと感心したり(^^;; 活気のある島に来たんだなぁという実感が湧いてくる。
 土庄港からは小豆島バスで町の中心部へ向かい、石井サイクルでレンタルバイクを借りる。天候&気温次第でどうしようかと思っていたところ、この日は快晴&冬とは思えないポカポカ陽気。土庄港に着いてから電話をすると即OKで、まずは一安心。小型でもOKと言うと、用意されたのはアクシス90。貸しヘルメット込みで通常1日\5,900のところを、お昼からの半日利用なので\2,900にオマケとのこと。利用客のほとんどいないオフシーズンですしね(苦笑)。

  
*(左・中)土庄港ターミナル (右)ターミナル横には『二十四の瞳』の銅像が

   
*(右)港近くの、その名も《オリーブの島郵便局》(左)港から町中心部まではバスで10分 (右)レンタルのヤマハ・アクシス90。遅〜い。

 走り出してみると、島内は意外にクルマが多いので驚き。土庄の中心部は人通りも多く、ここが島だということを忘れそう。。。と言ってもそれほど飛ばすクルマはなく、(同じ90ccなのに)ふだん乗っているリードより遅いアクシスでも、流れに乗るには十分。で、まずは土庄町役場のすぐ前、“世界一狭い海峡”=土渕海峡へ。
 テレビでも何度か見たことはあるけれど、実際に見てみると…うーん、確かに狭い(苦笑)。海峡という感覚はまったくなく、単なる水路のよう。そこらの川より狭いんですから。とりあえず、海峡の上に立ってみて満足。。。という場所でしょうね(^^;; 役場の商工観光課で《海峡横断証明書》なるものを発行してもらい、先を急ぐ。

  
*(右)海峡横断証明書(\100)

 さて、ここから先は特に行くアテもない(何も考えていない)。福田港19:20発の姫路行・小豆島急行フェリー(四国フェリー)に乗るので、土庄を17:45頃のバスに乗ればいい…と言っても、高松を出るのが遅れてしまったので、残り時間は4時間ちょい。二十四の瞳映画村や、寒霞渓に行くのは難しそう。。。とりあえず、島南部の海沿いを池田方面に走ってみる。

 
*通りすがりに見かけた島の集落らしい光景

 
*池田町・二面集落付近

 池田町に入り、道の駅・小豆島ふるさと村に立ち寄り。実は、土庄郵便局でもらったガイドマップをどこかで落としてしまったらしく…他にガイドブックの類も持ってきていないので、何か資料が欲しかったんです。施設自体は改装中で利用できなかったものの、思った通りパンフレット類は充実していてありがたい。中でも、土庄、池田、福田、草壁の各地区を詳しく紹介する手書き(を印刷した)マップ(小豆島観光協会発行)は重宝しますた(^o^)
 と言うのも、土庄港の観光案内所にロクな資料がなく、困ってたんですよねー。島の玄関口なのだから、少しはここを見習って欲しいところ。もっとも、バスやタクシー会社の案内所を兼ねているような案内所なので、お金にならない客には不親切なのかも。自分が行ったときも、観光バス利用客への案内に一生懸命で、フツーにバスに乗ろうとするこちらは簡単にあしらわれますた(苦笑)。
 そうそう、その定期観光バスはボンネットタイプのバスで運行されてるんですね。途中で追い抜いたけれど、今度来たときには乗ってみたいかも。

 で、そのマップを見つつ、案内標識が盛んに立てられている誓願寺のソテツを見に行ってみることに。境内にある大ソテツは樹齢500年以上だそうで、株周り8.1m・樹高7.5m、国の天然記念物にも指定されているもの。なるほどー、確かに立派な…と言うか、ソテツの大木というのも珍しいかも?

  
*(左)誓願寺正門 (中)境内のソテツ (右)本堂

 島内の、特に池田町内には観光客向けの案内標識が数多く立てられていて、とっても親切(^o^)


*蒲野集落で見かけた案内標識

 それを見ていて気になったのが、《長崎のしし垣》。しし垣とは猪や鹿、猿などから農作物を守るため、江戸時代に多く作られた垣根。石で作られたものは多いものの、ここは土で作られた珍しいもので、延長200メートル、島内最長のしし垣が当時のままの形で残っているらしい。なわけで脇道に入り、農道のような細い山道をどんどん上がっていく…ガイドマップにも載っていないし、フツー、こんなところまで来る観光客はいないんだろうなぁ(^^;;
 周囲には人家もなくなり、少し不安になってきたところでようやく到着。駐車場も何もなく、ただ道ばたに《しし垣入口》の看板が立っているだけ。ま、バイクならどこにでも停められるのでいーですけど。そこから階段で整備された小道で急斜面を上がっていくと…あったあった。なるほど。。。って、それ以上でも以下でもない感想なんですが(苦笑)。ただ、こんな山奥、それも尾根沿いに、機械のない時代に作るのは大変だったでしょうねぇ。

  
*土質によって場所毎に色が違います

 さらに案内標識を頼りに、石場集落にも立ち寄り。その名の通り、かつては巨石を積み出す港だったそうで、海岸には記念石も。巨石は(大阪夏の陣で落城した)大阪城の石垣修復のためのもので、その石の大半が小豆島から運ばれたそう。その際、港まで運ばれただけで放置されたものが《大阪城残石》と呼ばれ、島内各所に痕跡を残しているんですね。中でも内海町岩ヶ谷の八人石は有名らしい…のだけれど、池田町と違って案内標識がないもので、気づかずに通り過ぎちゃいました。。。そのあたりを通過する頃は郵便局が閉まる時間が迫り、焦って走っていたこともあって(苦笑)。

 
*(左)道筋で見かけた、海食地形が珍しい花寿波島(県指定自然記念物) (右)石場の記念石

 池田町から内海町に入り、中心部・草壁地区の手前に広がっているのがオリーブ畑。小豆島オリーブ公園があるものの、時間もないし、外から見ただけ。花の季節じゃないし、“オリーブ園の中にギリシャ風車などが点在して地中海にいるような雰囲気が味わえる”ような人工的な場所はあんまり…地中海を感じる季節でもないし(苦笑)。

  
*(左)山の中腹まで広がるオリーブ園 (中)その中腹には“オリーブ栽培(国内)発祥の地”の記念碑 (右)山側から見たオリーブ園

 で、いよいよ時間がなくなってきた。郵便局は16時で閉まってしまうし、できれば島を一周してみたい。ここにきて、小豆島の広さを実感するとともに、観光地化されているため見どころが多く、とてもじゃないが半日や一日で見てまわれるものじゃないなぁと痛感。あらためてゆっくり訪れる機会を作ることにして、割り切るしかないなぁ。とりあえず郵便局だけでもまわっておけば、次回は週末でもOKだし、のんびりできると(^^;;
 街のあちこちに醤油工場や倉庫が建っている草壁地区を駆け足で見つつ、福田方面へ向かう。本当はマルキン醤油記念館にも立ち寄りたかったのだけれど。その草壁地区は土庄と並んで小豆島の中心地なだけに、かなり活気のある雰囲気。内海湾沿いに街並みが途切れなく伸びていて、土庄よりも広く感じますねー。そのあちこちに見どころが点在しているため、足がない場合はレンタルバイクやレンタサイクルでないと不便かも。

  
*(左・中)醤油蔵通りとは離れた市街にある丸島醤油。直売所もあり、工場見学もできるとか (右)ヤマヒサの倉庫

 ほぼ島を半周するカタチで島北東端・福田港方面へ向かうと、それまでとは景観がだいぶ変わってくる。南側の穏やかで暖かな、ちょっとリゾート風とも言える雰囲気から、いわゆる“島”らしい、ひなびた光景が広がるようになる。その後、島の北側を走っている間も同様で、醤油造りなど地場産業があり観光地化もされている南側と、目立った観光地もなく漁業と農業の集落が点在する北側とでは、まったく趣を異にするんですねぇ。穏やかな海岸線を走っていた道路も、北東部ではときに山越えとなり、海岸線も山が海にそのまま落ち込むような険しい地形が目立ち始める。

  
*福田−大部間

 
*再び土庄町に入ると、広大な石切場が目立ち始める

  
*(左)土庄町大部集落 (中)港近くの《やまひら醤油》工場 (右)大部港からは岡山県日生町とを結ぶ瀬戸内観光汽船が発着

 大部からさらに土庄方面へ走ると、小海集落。ここには道の駅・大阪城残石記念公園があり、かつては無造作に海辺に並べられていたという残石が、キレイに組んで展示されています。また、実際に使われていた器具を用いて、かつての石の輸送方法を再現しているのも面白いですね。併設される大阪城残石資料館が、閉館時間を過ぎていて入れなかったのは残念。

 
 
*記念公園 (左)切り出した巨石を運搬する《修羅》と呼ばれる木枠 (右)海上輸送には筏を利用

 この小海集落には石の切り出し場跡が何カ所か残っているので、近そうな北山丁場跡に行ってみることに。が、小さな鳥居の奥に崩れかけた小さな石垣らしきものがあるだけで、何だかよくわからず。
 その後は土庄中心部に戻り、バイクを返却。やはり、お昼からの半日弱では何もできないですねぇ。島を一周はしたものの、主な観光地にはまったく立ち寄ってないし。まぁ、島内の東側3/4程度の郵便局はほぼまわったけれど(苦笑)。

 土庄からは、小豆島バスの北廻り路線で、再び福田港へ。先ほど通ってきた道を戻るバスはほぼ満席だったものの、土庄から離れるにつれ乗客が減っていく。大部で2人降りた後の車内は、終点の福田港まで行くおじいさんと自分の2人だけに。おじいさんは高松の病院へ行った帰りだそうで、週に1回、通っているとのこと。バスと船を乗り継いで大変だなぁ。福田港からならフェリーで姫路へ出ても…と思うけれど、「姫路の病院はよくわからない」そうで、やはりここは香川県なんですね。


石井サイクル最寄りのバス停・八幡橋。
小豆島バスの通称は“シマバス”

 18:30に福田港に着くと、もちろん日は暮れて真っ暗なのですが、それ以上に深夜のような寂しさ。夕方に通ったときもあまり人気がなかったけれど、集落の大きさからすると妙な感じ。フェリーターミナルそばに1軒だけある食堂も閉店していて、コンビニなどもなく、食事はおろか食料の調達もできず仕舞い。そもそも商店らしきものがほとんどないし、ターミナル内にも売店すらなく…。何をするにも土庄か草壁に出る生活なんでしょうかねぇ。ターミナル内にはゲーム機が2台あり、中学生(?)が遊んでました。なるほど、ここが集落唯一のゲーセンなのか(^^;; てか、まだ19時前なのに、照明のある明るい場所はここしかないわけで…。
 なわけで空腹に耐えつつ寂しくフェリーを待っていると、轟音を響かせながら大型トラックが1台、また1台と到着し、出航時間前には6〜7台に。いっぽう、この時間から姫路へ向かう人間が多いわけもなく、待合室の“乗客”は自分一人。先ほどのおじいさんの話からもわかるように、海上で県境を越える人の動きは多くなく、関西方面との貨物輸送がメインなんでしょうね。バスとフェリーの時刻がまったく接続していないのにも納得。そもそも福田港バス停は街並みの中にあって、フェリーとの乗り換え客などいるわけがない…といった感じ。知らない人間が夜に降りたら、どこがフェリーターミナルなのかわからないでしょう。

 
*(左)“さぬき百景”の一つ、福田海岸 (右)福田漁港

  
*(左・中)福田港フェリーターミナル (右)夕方、福田港で見かけた《あずき丸》。元は高松−土庄航路に就航、現在は予備船?

  
*乗船した《おりいぶ丸》と、その船内客室

 船は姫路から到着して、すぐの折り返し。人間の乗り降りもクルマの乗下船口からで、関西・姫路方面から戻るには手頃な時間帯の便&年末なこともあってか、20人ほどの乗客が降りてくる。ターミナルには赤錆びたタラップがあるものの、もう10年以上は放置されている感じで…かつては乗客も多かったんでしょうね。

 ちなみに、クルマなしの乗客は下船客と入れ替わりに勝手に乗り込むシステムなよう。気づけばどんどんトラックが乗り込み、何やら出航準備が…慌てて係員に尋ねると「乗るの!?」。この便にクルマなしで乗り込む客など、ふだんから皆無なんでしょうねぇ。でも、初めて利用する客だっているんだから、何かしら案内ぐらいしてくれー。なわけで、出航間際の最後の乗船に(^^;; 船内客室はトラックドライバーが数人いるだけで、ほとんど無人。。。



★小豆島観光にはこのページが便利:Olive Island 小豆島(小豆島観光協会)

 姫路港までは所要100分。のんびりと寝て過ごし(笑)、定時の21:00に到着。
 ターミナル前からは、姫路駅行の姫路市営バスが接続しているので便利。もちろん、21:05発のバスに乗り込んだのは自分だけ(^^;; 自分のために運行してもらっているようで、何だか申し訳ない…。
 姫路港から市街地まではかなり離れているため、このバス路線が廃止されると、小豆島航路の徒歩利用が難しくなってしまう。路線の継続を願うしかないですね。途中のバス停からは数人の乗客もあり、フェリー接続のためだけに運行されているわけではない様子でしたが…。
 ちなみに、姫路港からの最終バスは21:30発。つまり、バスに接続するのは自分が乗った福田港19:20発のフェリーまで。福田港21:00発の最終便では、姫路港まで来てもその先の足がないので要注意。

 
【↑ 姫路港と、ターミナルビルの真ん前が乗り場の姫路駅行バス】

 姫路駅が近づくと、バスはいったん山陽本線の線路を渡り、反対側の駅北口に到着する。姫路港から来るのであれば駅南口のほうが近いはずなのに、路線バスは駅北口の発着と決まっているらしい。駅北口まで迂回する分、所要時間が10分近く違うと思うのだけれど。
 その姫路駅には構内通路がなく、北口と南口を行き来するには駅両端の連絡通路を迂回しなければならない。なまじ駅が大きいだけに駅前から両連絡通路までは遠く、不便きわまりないですねぇ。この日の宿泊先:姫路キヤッスルホテルへのシャトルバスは南口に発着するため、荷物を抱えてとことことことこ…。
 その連絡通路沿いに何軒か並ぶ食堂で、ようやく食事にありつく。やっぱ兵庫ですからね、ここは“そばめし”でしょー(^^;; とにかく大盛りで安かったけれど、お味はフツー、かな。


 姫路キャッスルホテル

 姫路駅からは徒歩15分弱という、微妙な立地の姫路キヤッスルホテル。そのため、駅との間に無料送迎バスが運行されている。


【↑ 姫路駅とホテルとを結ぶシャトルバス】

 乗り込んだバスは、5分もかからずにホテルへ。
 ここは楽天トラベルの口コミでも評判の良いホテル。なるほど、建物、部屋、設備ともキレイかつ豪華で、部屋の広さや使い勝手も申し分ない。館内の高級感漂う雰囲気、高い遮音性など、ビジネスホテルというよりシティホテルに近い感覚ですね。
 徒歩2〜3分のところに24時間営業の大規模スーパーがあるのも便利。ちょっとしたホームセンター並みに品揃えも豊富なので、旅先で急遽、何かが必要になっても困ることはないはず。フロントマン氏の「何でもありますよ」は嘘じゃない(^^;;
 というわけで、立地を除けば設備、値段、利便性など文句のつけようがない。アラ探しをしても見つからないのだから(苦笑)。姫路は青春18きっぷシーズンの乗り継ぎポイントでもあり、旅の行程次第では、大阪で宿泊するよりいいかも?
 と、喜んだのもつかの間。“ネット接続全室OK”の案内を、LAN接続と勘違いしていたことに気づく。実際には、モジュラージャックがあるだけ…。モデムなんか持ってきてないよ〜(T_T) これでLAN接続なら完璧なホテルなのに、惜しい!