旅にっき 【2003.10.23-29/大阪・福岡〜熊本】

 2003.10.25

この日の行程

 大阪→久留米→博多

 飛行機が満席のため、新幹線(今回は時間の都合で泣く泣く『のぞみ』)で博多へ。
 指定席の座席は16号車の11Eという、まさに最後尾とも言える場所。これなら落ち着けるかなと思いきや、そこは社内旅行らしき団体のど真ん中。最後尾16号車の最後部という状況が裏目に出て、まさに貸し切り状態=飲めや歌え屋の大騒ぎ。。。その団体にキャンセルでも出たのか、貸し切り状態の中の11番DE席だけが一般用に販売されたらしい。同様に新大阪から乗ってきた隣客も「参ったな…」という顔つき…。
 あまりにうるさいので、岡山を過ぎたあたりで車掌に「ありゃどこまで行くんだ」と尋ねると、なんと「小倉です」。冗談じゃない、九州まで延々と宴会につきあわされるなんて。居酒屋にいるんじゃないんだぞ、なんであんな席を一般売りするんだ! と怒ると、車両前部の空いている席を都合してくれた。その表情は、こちらの言うことはもっともだと言っているようにも見えました。
 てか、そこまで状況を把握できているなら、団体客に注意すべきでしょ。と言っても、現実には難しいか。。。
 週末の新幹線には、ホント乗りたくない…。今回ほどひどくはないものの、落ち着かない、イヤな思いは何度もしているので。日本人というのは、どうしてこうも公共の場でのマナーやモラルに欠けた人間が多いのだろう。中でも新幹線はひどい。あの密閉された、中途半端に落ち着く空間がそうさせるのか。。。長時間乗車になるだけに、非常識な連中の近くに座ろうものなら延々数時間に渡って苦痛を強いられる。
 やはり、週末の長距離移動は飛行機に限りますね。新幹線ではバカ騒ぎするような連中も、なぜか飛行機では静かなので。多くの日本人には、未だに“飛行機=高級で特別な乗り物”という概念があるのかもしれない?

 その後は静かな空間を過ごし、一眠りもできた博多からは、鹿児島本線の快速で久留米へ。
 発車は10分遅れ。博多駅の発車遅延は毎度のことで、もはや慣れてきましたね(苦笑)。鳥栖−博多間の線路容量&博多駅の発着キャパシティが限界なのは明白で、慢性的な遅延発生もそのため。新幹線が開業するまでは改善されないでしょうね。

 久留米でイベントを見た後は博多に戻り、ホテル近くの博多ラーメン店で夕食。
 店名も覚えていない通りすがりの店だけれど、やはりイマイチ。とんこつラーメンは好きでも、博多ラーメンはどの店に入っても今ひとつ。自分の好みからすると、味が薄すぎるのかな。「あっさりしていておいしい」と店内の客には好評らしく、満席でしたけれど。


 ハカタリバーサイドホテル

 この日の宿泊先は福岡市内、キャナルシティからほど近い、ハカタリバーサイドホテル。  選んだ理由は単純。この日の福岡市内のホテルは2週間以上前から軒並み満室で、LAN対応で空室があるのはここだけだったから。旅の窓口に登録されていないからでしょうか。その旅の窓口では、福岡市内に空室ありのホテルが一軒も出てこなかったですからね。こんな経験は初めてで、いったい博多に何が起きている!? ひょっとして、日本シリーズのため阪神ファンが押し寄せたから? だとしたら、自分もその一人なので文句は言えません(^^;;
 どんなところかと恐る恐る行ってみれば、何やら入口に見覚えが…。地下鉄の中洲川端からキャナルシティへ向かうアーケード=商店街の中で、確か以前にも同じルートを歩いた際、「こんなところにホテルが?」と驚いた覚えが…。まさかそこに泊まることになろうとは(苦笑)。
 部屋は全10室ほどで、規模的にはプチホテルですね。二階建てでエレベーターもなし。通された部屋は一階の階段横で、階段を上り下りする足音がうるさいのなんの。遮音性はゼロ。おまけに部屋の中は狭く、暗〜く、どことなく陰湿な雰囲気が漂っている。調度品などに売り文句の“家庭的な雰囲気”を感じはするものの、どれも古ぼけているのがもの悲しい。シミだらけのイスには、タバコで焼けた穴が開いたまま…。
 机の引き出しに旅の思い出などを綴る雑記帳が置かれていたので、興味本位に見てみると…。書かれている内容は「人生に疲れた」「死にたい」など、気分が落ち込むものばかり。いったいどんな客層のホテルなんだ。そんなもの捨てなさいよ。
 その横には、なんと3年前の九州・中国版の時刻表が。部屋の荒廃ぶり、雑記帳、時刻表…まるで3年前のまま、時が止まっているかのよう。その頃までは、“家庭的な雰囲気のプチホテル”としてまともなホテルだったのかもしれませんね。。。
 LANが問題なく使えたのは、奇跡かも?

 


 2003.10.26

この日の行程

 博多(能古島へ)、日本シリーズ第6戦

 この日は日本シリーズ第6戦を観戦予定。
 試合開始まではヒマなので、博多湾に浮かぶ能古島へ行ってみることに。博多駅から《のこ渡船場》行の西鉄バスが複数系統、頻繁に出ているので、アクセスは便利。
 しばらくバスに乗っていると、福岡市内の交通=バス文化であることもわかってくる。それこそ網の目状に路線が広がり、どこへ行くにもバス&バス。博多駅、キャナルシティ、天神、マリノアシティ(&能古島)、福岡ドームなど、集客力のあるスポットが市内郊外に点在しているにも関わらず、それぞれを結ぶ交通手段がバスしかないのだから。バス乗り継ぎが当たり前に案内されるアクセス方法って、ある意味、新鮮です(^^;; 都内や大阪、あるいは名古屋でも、移動の大半はJRか地下鉄、新交通システムで済み、バスに乗る機会はほとんどないですからね。。。
 が、そんな複雑多岐に渡るバス路線など、余所者にはさっぱりわかりません(苦笑)。博多駅交通センターならわかりやすいかと行ってみれば、総合案内所的なものが何もない。各乗り場に《**方面》と記されているだけで、例えば「キャナルシティや天神へ行くなら3・4番乗り場両方のバスが行く」といった、総合的に「どこへ行くならどの乗り場から何行き」なのかを把握できる案内・路線図も皆無。不親切すぎ。
 また、各乗り場には「整列乗車にご協力を」と記されているものの、その“整列”がどこにも見られない。乗り場一帯に乗客がたむろしているだけで、誰一人として並ぼうとしない。バスが来れば全員がダッシュし、我先にと乗り込んで行く…。複数の乗り場から同じ方面へのバスが多発するため、早く来たほうに乗ろうとしてそうなるのだろうけれど。。。あの混乱ぶりは、もうちょっと何とかなんないの? 地元客には慣れたものでも、余所者はどうしていいのか右往左往するばかり。並ぶことになれた東京の人間には、異質な光景でした。

 
【↑ 能古島へ渡る渡船場と、乗船したフェリー《フラワーのこ》】

 さて、能古島。
 渡船場に着いてみると、福岡市が運営するフェリー(福岡市営渡船)は1時間毎の運航。たまたま15分後に便があったのはラッキーでした。ちょっとしたミニ船旅気分を味わいつつ、わずか10分で島に到着。
 島内では特に目的があるわけでもないので、秋のコスモスが満開だとパンフレットに書かれていた、アイランドパークにでも行ってみようか。
 と、西鉄バスの時刻表を見て目が点になる。フェリーと島内バスがまったく連絡してない…。1時間に1本の船で来て、同じく1時間に1本のバスまで40分も待たされるって、どーゆーこと?
 仕方がないので、渡船場前の貸し自転車屋でチャリを借りる。アイランドパークは島の端で、山の上にあるらしいけれど…
「バス道路は急坂だけど、遊歩道を行けばなだらかな登りだから」
 というおばちゃんの言葉を信じてチャリをこぎ始めるが、5分も行かないうちに急坂が“どーん!”と目の前に。その後は延々と登り&登り&登り。どこが“なだらか”やねん! んなもん、自転車選手でもなきゃ登れんわ! 結局、延々とチャリを押して歩くことに(T_T) 歩いて降りてくる人の多くが、哀れみの目でこちらを見る。。。
 登りはもちろん、下りもチャリ利用者の姿は見かけない。行き帰りともバス利用か、帰り(下り)のみ景色を眺めながら歩き、というのが一般的ならしい。チャリな人はそれこそ物好きか、事情を知らない余所者だけ(苦笑)。登りの苦労がウソのように、一気に駆け下りられる帰りは爽快でしたけれどね。ブレーキもまともに効かないポンコツチャリでは、爽快感がすぐ恐怖感に変わりました…。
 アイランドパーク自体は、どうということもない丘陵地の公園施設。確かにコスモス畑はキレイでも、わざわざ船に乗ってまで来るようなところだとは思えず。入園料1,000円は高すぎでしょう。ついでに言えば、あの止まれない貸し自転車が1時間1,000円というのもバカ高。

 
【↑ (右)アイランドパークのコスモス畑】

 帰りの渡船場には長蛇の列ができ、「定員は300人ですのでお並び下さい」というアナウンスが何度も流れる。乗れなければ積み残しで1時間待ち? と、あちこちから不安な声が。待ち客が300人を越えた場合のことなど、もっと適切な案内はできないのだろうか。実際には何とか乗りきれたという感じで、船内は超満員。どう甘めに見ても、定員オーバーでしょう…。往路もほぼ満員でしたし、行楽期の休日は便数を増やすなど臨機応変の運用ができないのは…やはり市営だから?
 出航を待つ間には、渡船場近くの博物館や土産物店に向かう客も少なくない。そっか、そのためにわざと、フェリーとバスを連絡しないようにしている!? その結果、同じフェリーで島へ向かった客は、同じバスに乗り、同じ場所を同じ順番で巡り、同じフェリーで帰ることに。つまり、観光バスに乗っているのと同じ。島全体が「ここに行け」、「次はこれを見ろ」的な“逃げ場のない観光地”になっているようで、いちばん好きじゃないパターンです。
 なので、能古島の印象は最低(苦笑)。
 フェリー乗船という目新しさもあり、子供連れでのドライブ&遊びにはちょうどいいかもしれないけれど。他県からの観光客が、わざわざ行くような場所ではないですね。

 
【↑ (左)能古島側の渡船場 (右)市営“渡船”なのに、なぜフェリー? 答は、島内を走るバスも航走するため?】

 時刻はもう夕方。そろそろ福岡ドームへと向かわねければ。
 バス時刻表を見てみると、のこ渡船場から天神・博多駅方面へ向かうバスは数系統、1時間に数本出ている。が、福岡ドームを経由する17時台のバスは1本だけ。タクシー乗り場には長蛇の列ができ、どうしようかと思っていたところに、渡船場とマリノアシティを結ぶ無料バスが来たので乗ってみる。途中のバス停からなら、のと渡船場とは他系統のバスに乗り継げるはず…。
 が、能古島の浮かぶ湾を迂回するように走るバスは途中乗降不可。そのまま10分ほどで、マリノアシティまで連れていかれてしまう。満員の乗客は皆、駐車場へ。なるほど、ここが能古島へ行く人のための駐車場で、渡船場との間を無料シャトルバスが運行しているわけね。
 って、こちらはそうじゃないものだから、困ってしまう。ここから博多方面へ向かうバスは、福岡ドームを通らない。最寄りの地下鉄姪浜駅へ向かうバスは、30分後。姪浜駅から地下鉄で(福岡ドーム最寄りの)唐人町駅まで行っても、福岡ドームまではさらに徒歩20分。それでは試合開始に間に合わない(T_T)  仕方なく、タクシーで福岡ドームへ向かうことに。ったく、これだけの大都市なのに、なんでこう市内交通が不便なんだ。
 ううん、違いますね。福岡ドームが不便な場所にあるだけの話。

 
【↑ 日本シリーズ第6戦。席は三塁側内野A指定の最前列(^o^)】


 2003.10.27

 博多、日本シリーズ第7戦

 この日は一日、福岡市内で旅行貯金(^^;;
 昨日に続き、最後の足はタクシー。博多や天神からのアクセスは悪くない福岡ドームだけれど、他の場所から行こうとすると便が悪すぎる。しかも、球場周辺の道路は夕方のラッシュと重なり大渋滞。結局、途中で降りて球場まで10分近く歩くことに。電車で行けない球場なんて、本拠地にすんなー。

 
【↑ 日本シリーズ第7戦。前日と同じ三塁側内野A指定でも、だいぶ後ろのほう。 (右)「あー、そうですか…(T_T)」】

 試合終了とともに、速攻で球場外へ。。。そんな歓喜の場に、居合わせたくありませんわ。
 球場と博多駅とを結ぶ臨時シャトルバスに乗り込むと、当然のことながら車内は阪神ファンばかり(^^;; シーンと静まりかえった車内に、
 「でもまぁよぅ頑張りましたわ。これで勝てへんのもタイガースらしいいうことで、来年また期待しましょ」
 という誰かの声が響く。乗客は思わず失笑…。ついでに、運転手も失笑。。。
 荒れた阪神ファンがバスを壊すんじゃないかと、ビクビクしていたのかもね…。


 東横イン博多駅南

 26・27日と連泊したのが、東横イン博多駅南。日祭日3,980円キャンペーンに惹かれて(^^;;
 博多駅から徒歩15分と遠いため、駅からホテルまでは送迎シャトルバスが運行されている。フロントでは10分間隔の運行だと言われたものの、試合終了後の博多駅では初日が20分、2日目は15分待ち。タイミングが悪いと言えばそれまでだけれど、何分発と決めてもらったほうが使いやすい。22時を過ぎると、バスの本数が大幅に減るらしい。
 ホテル周辺には食事場所がフォルクスぐらいしかなく(コンビニは近くにあり)、天神や駅周辺で食事をするケースも多くなるはず。その場合、帰るのに予想以上に時間がかかってしまうこともあるので要注意。
 また、運行時間が(夜間は)16時〜23時30分なので、会員特典の一つ、15時からのアーリーチェックインを利用する場合は歩くしかないのも難。初日のチェックイン時が運行時間外だったため歩いてみると、確かに(博多駅筑紫口から)15分近くかかりました。

 他の東横インだとロビー兼用になる朝食スペースは、奥まった別の場所に。そのためか、ロビーがかなり狭いのも難点のひとつ。一組あるだけのソファセットを占有されると、他の客は立っているしかないと。チェックイン、アウトで人が集中する時間帯は、それこそ通勤時の駅並みに人がごった返していましたから。これでは待ち合わせもできません。
 部屋が道路に面しているため、夜間の騒音&明け方の太陽の差し込みで眠りづらいのも難点ですね。このことはホテル側も認識しているらしく、二重サッシの内窓には黒フィルムが貼られ、太陽光を遮光するようになっている。が、チェックイン時には必ず内窓が開けられているようで(昼間に閉めると部屋が真っ暗になるから?)、夜間のチェックインではそれに気づかず、そのままカーテンを閉めてしまう。。。つまり、内窓は開いたまま。これでは“うるさい&眩しい”になるわけだ。
 LAN環境にも問題あり。1日目は、Windowsを起動する度にIPアドレスの解放・書き換えを行わなければ接続できず、2日目夜にはそれでも接続不可に。ロビーのPCも同様で、館内全体がダメだった様子。苦情も殺到したらしいけれど、フロント嬢は「詳しい者がいないので…。どうしたらいいでしょう」と困惑するばかり。それじゃぁ…と、こちらがルーターをリセットするわけにもいかず(苦笑)。
 とまぁ、東横インとしては満足度が低かったのも確か。フロントの対応が非常に親切だっただけに残念ですが、全体に“詰めの甘さ”も目立つ。博多の他の東横インが満室で、ここだけは空室があった理由もね、わかるような気がします。。。