旅にっき 【2003.09.20-27/福山〜久留米〜宮崎】

 2003.09.22

この日の行程

 福山→門司

 何はなくとも《ひかりレールスター》に乗車し(笑)、新下関で下車。目的地からすると小倉まで乗るべきかもしれないが、何となく1オプションを入れたかったので。それに、新下関で降りれば特急料金が1,000円近く安い(^^;;

 
【↑ 鯛の浜焼き弁当(福山駅で購入/950円)。福山近郊・鞆の浦が瀬戸内海の鯛の漁場として知られることにちなんだ駅弁】

 新下関駅を利用するのは初めて。駅構内では巌流島の武蔵・小次郎対決にちなんだ宮本武蔵展が開催されているなど、観光ムード一色といった印象。10月のダイヤ改正で停車する《ひかり》が増えることもあり、観光客誘致に必死なのでしょう。下関の中心部から遠いだけに、地元の一般客が新幹線を利用する場合は《ひかり》&《のぞみ》全列車が停車する小倉を利用したほうが便利ですしね。

 
【↑ 新下関駅にて】

 駅は山陽本線と接続しているものの、新幹線と在来線のホームとがかなり離れているので要注意。ちょっと散歩をと新幹線口で降りてしまったため、乗車の際は改札口から(在来線)ホームまで遠いのなんの。遅くとも発車5分前には改札を通らないと、間に合わない。
 乗車したのは日豊本線直通の415系。希少価値も出てきた車両だけれども、ロングシート改造されているので乗って楽しくはないですねぇ。平日の昼前にしてはかなり混雑しているので、ロングシート化もうなづけるところですが…。車窓に変化があるわけでもなく、淡々と下関へ向かう。
 下関では例によって、日豊本線直通列車が長時間停車→隣ホームから先発する小倉行・始発列車に乗り換えるパターン。利用する度に、乗り換えを強いられ不便だなぁと思わされる。同様に乗り換える乗客は、下関下車客とほぼ同数。買い物やビジネスなど、山口県西部エリアはもはや小倉文化圏とも言えそうな。
 関門トンネルを抜け、門司で下車。

 駅前からは西鉄バス:恒見営業所行(47&60系統)に乗車し、バイクを積んだフェリーが到着している、新門司港フェリーターミナルを目指す。小倉始発のバスは空いていたものの、街中心部で買い物帰りのオバサマたちが続々と乗り込み、あっという間に満員に。街中を抜けるといきなりの山越えとなり、その一帯に近郊住宅地が広がっているんですね。バス停毎にオバサマたちが降りていき、15分ほど走った下車地・畑バス停に着く頃にはガラガラでした。
 さぁ、ここからは歩き。フェリーターミナルというのは、いかにもアクセスの便が悪いところばかりだなぁ(T_T) 地図&路線図で念入りに調べたので、ここが最寄りのバス停であることに間違いはない。すぐ近くには高速の門司ICがあり、クルマの往来もかなり多い。バスが向かう方向へと歩き出せば、すぐ大きな道路に突き当たり、交差点角にはフェリーターミナルの案内塔も立っている。
 が、それはあくまでクルマ用。迂回して大回りになることはわかっているので、こちらは交差点を突き抜け、住宅街の路地へと歩みを進めていく。もちろん案内図などはなく、ただ方向感覚を信じるのみ。一本道なので迷いようもないですが。閑静な、のんびりとした住宅街を抜けた先には小さな漁港が広がっていて、漁港沿いに左へと歩けば、港の端で道が途絶えてしまう…。んー?
 目の前には、漁港を巨大な橋でオーバークロスする、立派な幹線道路が見えている。築堤の斜面をよじ登るように徒歩道がついているので、よいしょっと幹線道路に出てみれば。。。フェリーターミナルはもう目前。100メートルほど歩くと案内表示があり、右に曲がればターミナルへ。
 と、文字で書けば簡単そうですが、初めて歩く際はかなり不安になるはず。この先、本当にフェリーターミナルがあるのか? と。バス停からは徒歩15分強ですが、歩いてくる奴なんかいないんだろうなぁ…。

 
【↑ (左)フェリーターミナル入口。正面は阪九フェリーのターミナル】
【↑ (右)オーシャン東九フェリーのターミナルは、左写真での突き当たりをさらに右へ500メートルほど行った最奥地。遠い…(T_T)】

 ちなみに、フェリーターミナルがある新門司港は、湾をはさんで北と南の両側に分かれています。オーシャン東九フェリー阪九フェリー(泉大津・神戸〜新門司)が接岸する北港と、名門大洋フェリー(大阪〜新門司)が接岸する南港とはかなり離れているので(歩ける距離じゃない)、要注意。南港のほうはもう少し近くまで路線バスがあるようです。北港へは阪九フェリーの送迎バスにこっそり乗る…というテもありそうですが(怒られても知りませんよ)、入港、出港時(朝と夕方)にそれぞれ駅行き、港行きしか走らないので、今回のように中途半端な時間のアクセスには使えないですね。
 しかし、新門司港でバイクを降ろす依頼手数料が1,100円というのは、高いなぁ。川崎−宮崎のマリンエキスプレスなら、両港での積み込み&降ろしセットで1,000円なのに。物置のような屋内にバイクを保管してくれていたのは有り難いけれど。


 新門司港→久留米

 さて。とにかく久留米に向けて走り出そう。明日は久留米で用事があるため、今日のうちに到着しておかなければ。
 香春、添田方面を経由しJR日田彦山線に沿ったルートで行こうと、まずは最寄りの街・下曾根を目指す。と言うのも、書店とホームセンターに寄りたかったから。書店は九州の地図を購入するのが目的ですが、ホームセンターは…
 実は、東京で大雨の中を走った後、ヘルメットと雨具をメットインに入れてフェリーに乗せたのが…大間違い。ヘルメットの内装が湿ったままの生乾き状態になっていて、臭いのなんの(T_T) それを被るから、頭まで臭いのなんの(T_T) メットを脱いだ途端、周囲の人が2〜3歩退くんじゃないかと思うほどすごい臭いなのです。なので、ホームセンターでファブリーズを購入し、メット内に吹きまくるのが当面の大目標に(苦笑)。が、めでたく入手に成功し、これでもかと言うほど吹き付けてみても、臭いは薄まるだけで消えません。おまけに、ファブリーズでひたひたになったヘルメットを被るものだから、髪の毛がバリバリに…(T_T)

 まぁいい(よくない)。気を取り直して先へ進もう。
 しかし、下曾根周辺は大規模な道路工事が進んでいて、購入したばかりの2003年版地図がまったく役に立たない。。。地図に載っていない交差点や立派な道路が次々に出てきて、迷いまくり。それでも何とか国道322号線に出て、ファブリーズ頭にもめげず(ううう…)、地方道52・34号線で添田から英彦山方面を目指す。
 途中で立ち寄った郵便局の局員氏たちは、何とも言えない生乾き臭+ファブリーズ香+バリバリ頭な東京の旅行貯金旅人を見て、どう思っただろう(^^;; 添田町枡田では県道沿いに「まさに簡易局!」な雰囲気を醸し出す枡田簡易郵便局を発見したものの、時刻は16時20分で泣く泣く諦める。ホームセンターに寄っていなければ間に合ったのに…。民家が簡易局になっていて、本来なら喜び勇んで貯金するところ。

*郵便貯金の取扱は原則として9時〜16時(一部の特殊局を除く)
旅行貯金について

 その枡田を過ぎたあたりからは、周囲の光景が一変。都市近郊から山間部へと入り、交通量が皆無に近い県道を爆走していくと、山に分け入る前の最後の集落…といった雰囲気の彦山に到着。彦山郵便局では郵便窓口がまだ開いていたので、ATMで貯金をし、ゴム印だけ窓口で押してもらうという裏技(?)を使用。この方法は拒否される場合もあるのだけれど、ここは二つ返事でOKしてくれました。
 ついでにJR日田彦山線の彦山駅にも寄り道。いい雰囲気の駅ですねぇ。

 

 ここからは本格的な山岳ドライブウェイ、国道500号線を行橋方面へ。山をひたすら登っていく。
 目指すは英彦山温泉しゃくなげ荘。久留米までの福岡県内には立ち寄りたい場所もなく、ここが唯一の目的地だったので。

 

 この旅、初の温泉は、無色透明でほとんど無味無臭。やや物足りない感はあるものの、岩作りの露天風呂で閑かな山間のいで湯気分を味わいつつ、夕暮れ時をのんびり過ごす。ファブリーズ頭もしっかり洗髪して(苦笑)。
 施設自体は典型的な公共温泉施設で、まぁそれなり。露天風呂で一緒になった人の話では、例の“1億円ふるさと創生資金”で作られた施設とのこと。「ここもか」という感じですが(苦笑)。宿泊もできる(1泊2食・2名以上で1人6,300円)ので、時間も時間だしここで泊まりたい…という願望を振り払い、湯冷めも恐れず薄暗くなった道を走り出す。
 ここまで来て英彦山観光を諦めるのも何だけれど、この先はより山深いエリアを走るので、陽があるうちに少しでも距離を稼いでおきたい。
 再び彦山駅近くまで戻り、実状は舗装林道に近い国道500号線を爆走する。小石原に着く頃には陽もすっかり落ち、真っ暗闇の中を甘木へ。ここから秋月集落に入るまでの約15キロで、行き交ったクルマはわずか2台。集落、人家も皆無の区間なので、暗闇を照らすヘッドライトだけが頼り。くねくねと曲がるカーブの向こうは断崖で、はるか下には小石原川が流れているはずだけれど何も見えず、とにかく怖い…。
 人工的な明かりに唯一遭遇した場所は、江川ダム。ここで休憩したときは、生き返る思いだったなぁ…。


【↑ 江川ダム広場。静まりかえった暗闇だけに、すぐに薄気味悪くなりました…】

 久々に“街”を見た秋月からは国道322号線に入り、甘木を通過する頃には交通量も増えてくる。クルマが多くて嬉しかったのは、バイクに乗り始めて初めてかも(苦笑)。あとはひたすら322号線を走り、久留米を目指すのみ。国道なのに路面はデコボコ、クルマも多いので爆走は無理。でも、すり抜け&すり抜け。
 実際には1時間弱の走行が何時間にも感じられ始めた頃、ようやく筑後川を渡り、高速の久留米IC付近に出る。このあたりから久留米市街までは大渋滞だったので、半ばヤケになりながらすり抜けまくり。都内の道路と違い、バイクなんか1台も走ってないですからねぇ。すり抜けでカッ飛んでいくと、ドライバーの視線が熱いのなんの(苦笑)。すいません、都内じゃこれがフツーなんです。
 そんなこんなでようやく、20時過ぎに久留米市街中心部のホテル着。英彦山からここまで約2時間は、相当速いかも…。
 長い一日だった…。


 2003.09.23

 この日はイベントを見るため、久留米市内に一日滞在。

 久留米第一ホテル

 久留米にはこれまで何度も訪れていながら、宿泊するのは今回が初。
 前日からの連泊となったのは、久留米第一ホテル
 LAN接続可能とのことで予約したにもかかわらず、実際には不可。ルーターと手持ちのLANカードとの相性なのか。接続不可の経験は初めてなので何とも言えないけれど、他の宿泊客にも同様のケースが生じているのでは…と思いきや、LAN接続を試みる宿泊客は半月ぶりだとか。その程度の利用率なら、問題が表面化しないのでしょうか。
 ダイヤルアップ接続はOKなので、交渉の結果、そちらの接続料金(つまり電話料金)を無料にするという条件で宿泊することに。とは言え今さら56K接続では…。遅すぎて使う気になれず、翌日以降の旅の情報をまともに調べられないままで残念。そのために、ネット接続可能なホテルを連泊予約したのに。
 もうひとつ問題だったのは、旅の窓口から予約すると無条件でエレベーター横の部屋になってしまうこと。いちばん安い部屋を設定しているらしく、差額を払えば他の部屋に変わることも可能ですが…。そうした情報は事前に知っておきたいですよね。実際に宿泊してみて初めてわかることは、少なければ少ないほどいい。
 フロントの対応自体は親切丁寧で、決して悪印象のホテルではなかったですけれどね。その他の設備面にも特に問題はなかったですし。ただ、次回も泊まりたいかと言われれば…正直、微妙。久留米には他に触手の動くホテルもないので、移動の手間を考慮しても福岡に宿泊したほうが幸多い?