旅にっき 【2004.05.15/福山・岡山】

 福山バラ祭でのサンフラワーのステージを見るため、福山へ日帰り。
 帰りには岡山市内を観光。往復とも岡山空港を利用。

 2004.05.15

 東京←→福山

この日の行程

 サンフラワーの別ユニット・ロケットサラダと、妹的ユニットで福山を拠点にするジュニパラのステージを見るため、福山ばら祭の会場へ。

 今回は日帰りで、往復ともJALの岡山便を利用。行きは羽田07:25発の1681便で、機種はやっぱりのB737-400(時刻表での表示は734)。この機体は両側3列シート(通路は中央1列)なので、狭いし、乗降に時間がかかる。しかも駐機場からの離陸なので、出発ターミナルからはバス移動。なわけで、いつも遅延するんですよねぇ。遅延する条件が揃っているのに何の改善もされないのは、困ったもの。
 岡山空港には15分延着。岡山駅までは岡電バスのリムジンバス(ノンストップ)を利用して30分ほど。この岡山空港−岡山駅間は、岡電バス中鉄バスがそれぞれリムジンバスを運行をしていて、驚くべきことに同時刻発の便も多い。飛行機の発着に合わせればそうなるわけですが、相互乗り入れとか共通運用などではなく、完全な競争体制なんですよね。もともとは中鉄バスの単独運行だったところに、昨秋から岡電バスが乗り入れてこうしたカタチになったよう。まぁ、利用者からすれば競争はいいことですが。

  
*(左)岡山空港 (中)岡電リムジンバス (右)岡山駅

 空港到着ロビーから表に出ると、右に進めば中鉄バス、左に進めば岡電バスの乗り場。それぞれ出入口からの距離は同じぐらいで、どちらに向かうかは気分次第(^^;;
 昨秋に訪れた際は、到着ロビー前で岡電バスの職員が「岡山駅行きバスはこちらでーす!」と大声を張り上げていたのだけれど、この日は静かなもの。無節操な客引きをしないよう、紳士協定が結ばれたのかも? どちらにしようかと思いつつ、何となく左へ…乗り込んだ岡電バスはガラガラで、8人の乗客を乗せて発車。
 飛行機は満席だったのになぁと思いつつ岡山駅に着くと、5分ほど遅れて中鉄バスが到着。こちらは7〜8割の乗車率。乗客が少ない分、岡電バスのほうが先に発車・到着したらしい。

 飛行機の遅延に合わせてバスは連絡発車するので、空港ターミナルで慌てる必要はなし。ノンストップの岡電バスはハイデッカータイプの最新型車両を使用。中鉄バスのほうはノンストップ便と特急便の2種類があり、ノンストップのほうは2階建てハイデッカータイプ、特急便はノーマルタイプの観光バス(座席ピッチは拡幅されているよう)を使用し、いずれも最新型車両ではなさそう。車両の違いは、路線運行を始めた時期の違いでしょうか。
 中鉄バスのほうが利用率が高いのは、認知度の差? 岡山のバス事情はよくわかりませんが。。。

  
*(左)駅前通り。正面は岡山電気軌道の乗り場 (中)電停側から岡山駅を望む (右)駅前通りの名称は《桃太郎大通り》

 しかし、岡山駅構内のバスターミナルはもうちょっと何とかならないんですかねぇ。
 利用する度に思うのは、バスがターミナルに入ってから、降り場までに時間がかかりすぎること。空港連絡バスの発着バス停はもっとも前方で、いちばん目立つ一等地(笑)ではあるものの、ターミナル入口からはもっとも遠くなる。ターミナル内が路線バスで渋滞するため、ターミナルに入ってから降り場まで10分近くかかることもしばしば。飛行機が必ず遅延することもあり(苦笑)、列車接続で急ぐ際はかなりイライラします。
 この日も、ターミナル入口で降ろしてもらえれば1本早いサンライナーに乗れたのに。。。

 岡山から福山までは、JR山陽本線の快速サンライナーを利用。約50分。車両は旧々・新快速の117系、4両編成でワンマン運転。設計が古く1時間乗るとお尻が痛くなるシートなので、これぐらいの乗車時間が適当かと(苦笑)。とは言え、乗車券(950円)だけで転換クロスシート車の快速に乗れるサービスは嬉しいですね。乗車率も上々で、岡山−福山間の足としてすっかり定着している様子。

 福山駅の観光案内所でばら祭会場へのアクセスを尋ねると、徒歩15分の道程を説明されるだけ。バスの便を尋ねると、「中国バスなら駅前*番乗り場からで増便中、鞆鉄バスなら*番乗り場から」と説明するだけ。中国バス鞆鉄バス井笠鉄道の各社が乗り入れる福山駅前バス乗り場の複雑&不便さ、不案内さは以前にも触れたけれど、そんな説明で県外からの観光客にわかるかっていうの。
 ここの観光案内所の不親切さも、福山へ来る度に感じますねぇ。
 親切な弘前駅(青森県・奥羽本線)の案内所を見習いなされ。

 とりあえず鞆鉄バスの乗り場へ行ってみても、どれに乗ってどこで降りればいいのかさっぱりわからない。地下道を渡って(不便!)反対側の中国バス乗り場へ行くと、《バラ祭会場行き》の看板が立てられ、係員が乗り場へ誘導中。会場直行の臨時バスがピストン輸送しているようで、これならわかりやすい。
 やる気あんのかね。>鞆鉄バス
 ちなみに、帰りのバスでは運ちゃんが「昼休みもナシで勘弁してくれ、バス3台だけでピストン輸送なんて滅茶苦茶だよ」てなことを係員に漏らしていました。確かにバスは行き帰りとも超満員、帰りのバスはかなーり待たされましたからね。
 やる気あんのかね。>中国バス

 駅から会場へは、バスで10分ほど。車内から見た福山のメインストリートには、あちこちにバラが咲いていてキレイなこと。過去に福山を訪れたのは夏・秋・冬。春のバラの季節は初めてなので、なるほど“バラの街”なのだと納得。
 福山市は戦時中の空襲で市街地の大半を焼失。その後、住民が空き地にバラを植えていったことが、バラの街して栄えるきっかけになったそう。1968年には《全国美しい町づくり賞・優秀賞》を受賞、1985年には市の花にバラが制定されるなど、この福山ばら祭が生まれた背景をちょっとお勉強。

 まだ昼前だというのに、到着した会場は家族連れでいっぱーい。思っていた以上に大規模な祭りらしく、何十軒もの出店が広がるなど、かなりにぎやか。ただ、バラ園自体は小さなもので、ちょっと拍子抜け? 色とりどりでキレイでしたけれどね。

  

 帰りも《サンライナー》利用で岡山へ。福山ばら祭が予想より大したことなかったため(苦笑)、予定よりだいぶ早い到着で時間が余ってしまう。
 岡山空港18:45発の1688便を予約してあるので、駅を17:30発のバスに乗ればOK。ならば、岡山城へでも行ってみようかしらん。考えてみれば、岡山はいつも素通り&乗り換えばかり。下車して観光するのは初めてかも。

 岡山城へは駅前から岡山電気軌道の路面電車で3駅、城下電停で下車すればいいそうなので、空港リムジンバスでもらった岡電バス岡山電気軌道への乗り継ぎ無料券(当日1回限り)を有り難く利用。岡電バスのサービスはなかなか良いですねー。と言っても、城下の次、県庁前までの運賃は近郊区間扱いのため100円ですが(^^;;
 城下電停は交差点のど真ん中にあるため、地下道に下りる。この地下道を降りたところはちょっとしたコミュニティスペースになっていて、あちこちでダンスチームが練習中。ここが岡山ストリートダンスシーンのメッカなんでそか。そう言えば駅前地下道周辺ではバンドがいくつも演奏していたし、岡山のストリートシーンはけっこう熱い? 地下道を上がると、メインストリートの喧噪とは打って変わって物静かな雰囲気に。すぐ前に小さな公園があり、その先は旭川。その川沿いに歩くと、右手に岡山城、左手・川向こうに後楽園が見えてくる。

岡山城

 戦国時代に備前を統一した宇喜多直家の子・秀家が豊臣秀吉の天下の下に築城され、黒い下見板張りの外観から“鳥城”と呼ばれる。また、天守最上層を金箔の瓦で葺き、金の鯱があったとも伝えられることから“金鳥城”とも呼ばれた。秀家が西軍として参加した関ヶ原の合戦後は徳川家康に没収され、以後、小早川氏、池田氏の居城となる。大阪城を偲ばせる古式の名城だが、明治維新で本丸の壮麗な建築群は取り壊され、天守閣も空襲で焼失。現在の天守閣は築城400年を記念して1996年に再現されたもの。

 再建された天守閣のため、内部はありがちな展示館形式のもの。仕方ないとはいえ、正直、今ひとつ。
 ただ、備前の歴史、宇喜多家の歩みを振り返る展示はわかりやすく、なかなか考えられたものになっています。単に資料を陳列するだけで終わってしまうスタイルが多い中、創意工夫が感じられますね。
 「見て、触れて、体感できる、歴史のアミューズメント空間。」というキャッチコピーは、なるほどです。

 
*(中左)左岸が後楽園、右岸が岡山城 (中右)

  
*(左・中)廊下門(1966年コンクリート再建)

  
*(左)金鯱。天守から望む後楽園 (中)月見櫓(5代藩主・池田忠雄時代のものが現存)。国指定重要文化財
*(右)六十一雁木門と池田氏時代の石塁

 なわけでダラダラと時を過ごしてしまい、後楽園に寄る残り時間が厳しい…。怪しかった空模様は完全な雨雲で、ポツポツと雨も降り始めた様子。
 あくまでお目当ては城だし、雨はもっとひどくなりそうなので、雨中の散策は避けよう。食事をして岡山駅へ戻ることに。

 
*城内の茶店で、名物《お福うどん》と笹巻きうなぎごはんセット(\850)を食す。甘すぎてイマイチ。

 帰りも城下電停から岡山電気軌道に乗車。話題の未来型超低床路面電車MOMOには、残念ながら遭遇できず。また、岡電資料館なんてのもあるらしい。岡山は四国・広島と関西方面との乗り継ぎポイントなので、遠征でもまた来る機会があるはず(^^;;
 時間調整にも便利な場所ですしね(苦笑)。後楽園ともども次の機会にということで。

  
*(左)岡山駅前にて (中)(右)城下電停付近にて

 
*城下電停にて。案内表示が親切。

 岡山駅に着くと、バス乗り場には17:30発の中鉄バス(特急便)と岡電バス(ノンストップ)が並んで待っている。
 ノンストップ便のほうが5分早く着くのと、新型ハイデッカー車のほうが乗り心地がいいかなぁと、またも岡電バスをチョイス。

 羽田行き1688便は、行きと同じB737-400。時刻表上ではJAL便扱いでも、実際にはJTAの機体&クルーによる運用便。
 朝、羽田からJAL1681便として岡山へ来て、JTA011、016便として那覇まで往復、JAL1688便となって羽田へ戻るわけですね。効率的な運用とはいえ、羽田−岡山間で朝一番の岡山行(1681便)、最終の羽田行(1688便)という高利用率の便を運航するには、客席数が少なすぎ。週末の両便はいつも満席ですからね。岡山−那覇便であれば適材適所な機体でしょうが…。
 岡山空港へのJAL乗り入れ便は、就航当初からJASとJTAのコードシェア便だったんですよね。昨年からJAS機体がJAL機体に化粧替えされ、日中の便だけはようやくJALマークの機体が飛ぶようになりましたが。
 そもそも、岡山空港ANAが最初に就航した空港で、JALは後追い。そのような経緯もあり、本腰を入れていない路線なのでしょうか。