アテネ五輪:男子マラソン

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 35キロ過ぎ、先頭を独走していたバンデルレイ・デリマ(ブラジル)が、沿道から飛び出してきた男に抱え込まれるように、反対側の沿道へ押し出されてしまった。同選手は再び走り出したものの、リズムを乱されたのかみるみるペースが落ち、結果は3位。

「あの観客が私の前に飛び出してこなかったら、私が優勝していたかもしれない。彼が私に何をしたのかは分からなかった。とても怖かった。リズムを失い、取り戻すのが難しかった。しかし、五輪のために練習を十分にしてきた。銅メダルが取れて、とても幸せだ」

 同選手はこんなコメントを残したそうですが、うーん。国際大会では前代未聞な出来事だけに…マラソンという種目の性格上、再レースをするのも難しいだろうし…。でも、これが優勝候補の選手や、陸上強国の選手なら、レース後はどんな騒動になっていたことやら…。何にせよ、こーゆー事態が起きた場合の対処法を、きちんと制定しておく必要があるんじゃないですかね。これでもレースが成立するわけで、極端な話、2位や3位を走っている選手の国の応援者が、トップを走る選手を潰してしまうことも可能なのだから。
 表彰式では、ひょっとして1位や2位の選手がメダル授与を辞退したり、同選手を表彰台の真ん中に上がらせたりするかも…などと思いながら見ていたところ、当たり前のように順位通り(苦笑)。何が起ころうと結果は結果。金は金、銅は銅。記録にはそれしか残らないわけで、笑顔で喜ぶイタリア選手を見ながら、虚しさを感じてました(^^;;

 飛び出してきた男はスコットランドの民族衣装風な感じだったけれど、ギリシャ人なんだろーか? 今大会を通して、各種目・会場で観客のマナーの悪さが目立ったし、警備や運営にも多々問題が。ラテン系人種特有のいい加減さや甘さが随所に見られたし。それが最終日になって、男子マラソンでのこうした結果に表れてしまったと。正直、ギリシャでは(五輪に限らず)国際大会を開催して欲しくないですねぇ。って、次回の北京はもっとすごいことになりそうだけど。。。

2004.08.30、追記

 飛び出してきた男はアイルランド人の元神父で、宗教絡みのメッセージを掲げて乱入したことが判明。F1やラグビーなど世界の注目が集まる大会でも、同様に乱入事件を起こしているそうな。って、そう言えばあの姿、F1中継で見覚えがあるような…。
 ブラジル・オリンピック委員会(BOC)は、バンデルレイ・デリマ選手にも金メダルを授与するよう要求したものの、国際陸連(IAAF)に却下されたとか。今後はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する方針らしい。同選手には銅メダルの他に特別メダルも授与されたそうだけれど、うーん、もう一つの金メダルは無理がありますねぇ。優勝したステファノ・バルディニ(イタリア)のラストスパートを見ると、何も事件がなくとも銀だった可能性も否定できないし…。

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