カブで奥秩父~群馬・長野方面へ日帰りツーリング。
奥秩父・小鹿野町から群馬県神流町・上野村へ抜け、群馬・長野県境を県道124号・ぶどう峠と県道93号・田口峠越えで往復してこようと。
カブでの遠出は秩父・小鹿野までだったため、初めて群馬県・長野県へ足跡を残すことに。
秩父へは、通常の所沢~飯能(国道463~299号)ルートでなく、青梅から名栗経由の埼玉県道53号で。
早朝5時半過ぎに出発したため、慢性渋滞の新青梅街道もスムーズ。青梅市街中心部からは、都道194・193・53号で名栗方面へ。東京都内とは思えない雰囲気の松ノ木トンネル(松ノ木峠)経由ルートは、相変わらず交通量が少ない快走路。
ただ、名栗から山伏峠へ至る区間は急勾配の山道で、110ccのカブには辛い。秩父からの帰路なら、下りで問題ないのですが。
ウチのカブはスプロケを純正14丁から15丁(キタコ)に交換しているため、上りの急勾配では喘ぎ喘ぎに…。3速だとトロトロなので、頻繁に2速へ落とさなければならず…。疲労の蓄積を考えると、目的地が秩父より先の場合、素直に国道463・299号ルートのほうが良いかも。
秩父から小鹿野へ向かい、まずは(群馬県側へ抜ける)国道299号からほど近い、秩父札所34観音霊場の札所31番:鷲窟山 観音院へ。
秩父巡礼は二度目の最中で、前回は札所30番:法雲寺で時間切れ終了。秩父の札所は30番まで秩父市内ですが、次の31番からは小鹿野方面に。札所間の移動距離が一気に増すため、今回は31番:観音院だけを巡礼した後、ツーリングに当てようと。
同寺院は国道299号で小鹿野町中心部から志賀坂峠(埼玉・群馬県境)へ向かう途中という立地なため、群馬・長野方面へのツーリングにも都合がいいわけで。

【国道299号から分岐した、細い山道の行き止まりが観音院入口】

【行き止まりの道路脇に山門が。観音院の本堂は、山の上】

【山門からは、ハーハーゼーゼーの急登が続く】

【約300段の石段を登りきると、まさに「深山幽谷」といった風情の本堂に到達。切り立つ岩場の下、猫の額ほどのスペースに建造物が並び、よくこんな場所に建立したものだと】

【本堂のすぐ横には、聖浄の滝と、爪彫りの磨崖仏(=鷲窟磨崖仏)が】
やはり、ここへ来ると「巡礼」感が顕著に。町中など平地の寺院が多い秩父札所34観音霊場にあって、山岳寺院的な様相のここだけは別格かなと。
納経所が開く朝8時を少し過ぎた時間帯だけに、無人の境内で雰囲気に浸りながら息を整えていると…。次から次へと、参拝者が。今年は12年に一度の午歳総開帳にあたり、折からの秩父ブームとも相まって、どこの寺院でも参拝者の多さに驚かされ。
数年前の秩父巡礼1回目では、大半の寺院が「ぼっち」状態。その静かさや落ち着いた侘び寂び感に、秩父巡礼の良さを感じたものですが…。
ちなみに、読経まで行う参拝者など自分だけ。皆さん、手を合わせると納経所へ。秩父の寺院はおおらかなので、納経や読経なしでも御朱印を頂けます。
とりあえず第一の目的は果たしたので、国道299号へ戻り、志賀坂峠越えで群馬県へ。
志賀坂峠をカブで越えるのは初ですが、V-Strom650で走った際にはなかった“峠越え”感が、じわじわと。要は「登ってくれない」わけで(苦笑)。
(群馬県側のほうが急カーブ・勾配連続なため、よりタフなのは帰路)
国道299号・上野村エリアは、人気のツーリングスポットだけに平日でもバイクが多め。クロスカブも何台か見かけましたが、スーパーカブは自分だけ。
そのカブは、小鹿野で給油し忘れたためガス欠寸前。遠出すれば燃費が60kmを超えるものの、ガソリンタンクが4.3Lしかないカブは、航続距離に難が…。
もっとも、ガス欠で止まった経験はナシ。アテにならない燃料計が残量0を振り切っていても、セルフ給油量は並々注いで3.5リッターが過去最高。つまり、実際にはあと50km近く走れる?
長野県方面へ向けて最後のGS、道の駅・上野に隣接するJA上野村SSで給油すると、レギュラーがリッター171円で驚愕。帰路に給油した小鹿野町内は158円(都内と大差無し)で、やはり上野村の立地が影響しているのか…。
満タンでも4Lしか入らないカブの場合、せいぜい数十円差なので気にしませんが。
ぶどう峠方面への県道124号が分岐する上野村楢原まで来ると、他のバイクや車は全て十石峠方面へ走り去り、こちらは無人の世界へ。
途中で上野ダムへ寄り道した村道も交通量は皆無で、楢原からぶどう峠を越えて長野県北相木村へ至るまで、出会った対向車はバイク2台だけ。国道299号と県道124号で、これほど交通量が違うのか…。
上野ダムへ向かう村道をそのまま進めば、御巣鷹の尾根へ。行き止まりまで行きたくなるのはバイク乗りの性ですが、安易に立ち入ってはいけない気がするのと、行程と時間の関係から、上野ダムの写真を撮っただけで引き返すことに。

【群馬県側から見た、ぶどう峠。ゲートの少し先に、「ぶどう峠」石碑とお地蔵様を祀る祠が】

【同じく、長野県側から】

【ぶどう峠ゲートから先の長野県側は、十石峠と同じく冬季通行止め(十石峠より長期間)】
県道124号・ぶどう峠越えは、ひたすら山道を登っていくルート。群馬県側のほうがタフなのは、長野県側より峠までの標高差が大きいから?
山道といっても概ね1.2車線程度は維持されていて、急なブラインドカーブこそ多いものの、マイナーな峠越え県道にしては整備されている印象も。通行止めになることも多い国道299号の代替路として、維持されているからでしょうか。
路面に落ち葉や泥の堆積物もなく、バイクでも安心…かと思いきや、問題は舗装状況。おそらく、一度も再舗装されていない? 冬季積雪のためかアスファルトが痛み、あちこちガタガタ。大穴が空いている箇所もあり、うっかり速度超過で突っ込むと、バランスを崩して崖下へ転落しかねないわけで。(そもそも上り勾配に喘ぎまくりなカブでは、そこまで速度を出せませんが)
ガタガタ路面にうんざりだったのは群馬県側で、峠を越えた長野県側は路面状況も良化し、いつの間にか峠道が終わった感じで長野県北相木村へ。
山深い峡谷の山村といった風情の群馬県上野村とは一変し、牧歌的な雰囲気が漂う様は、いかにも長野県の高原地帯らしい?
北相木村からは南相木村へ移動し、日帰り温泉施設の南相木温泉 滝見の湯へ。
昨年9月のツーリング(V-Strom650)で山梨県韮崎市側から訪れた際は、運悪く臨時休館日で。(定休日の火曜が祝日開館で、翌日の水曜が臨時休館に)
今回も同じ水曜ですが、何事もなく営業中でホッ(苦笑)。フロントで昨年9月に撮影した南相木ダムの写真を見せ、無事にダムカードを入手。そう、ここは南相木ダムのダムカード配布場所なのです。
ダムカードだけ貰って帰るのも何なので、昼食休憩も兼ねて温泉入浴を。
泉質は単純泉(低張性弱アルカリ性低温泉)だそうですが、無色透明・無味無臭でサラサラな湯は、良くも悪くも温泉らしくないような。真水の沸かし湯といわれても、わからない?
駐車場が8割近く埋まり不安でしたが、浴場は平日昼間らしくガラガラ。駐車車両の大半は、施設下の滝見物か、周辺渓谷での水遊び客かと。さほど大きな浴場・浴槽・露天風呂ではないため、週末や夕方の混雑時は避けたほうが無難かも。

【入口では、釣りキチ三平がお出迎え。『釣りキチ三平』作者の矢口高雄氏は秋田県出身で、同作品に南相木村も登場しないはずですが、矢口氏が村を訪れた縁で飾られているとか。でも、今や三平を知らない来館者のほうが多いのでは…】

【玄関横には、劇中で滝見の湯が登場した『mono』のポスターも】

【館内のレストランで昼食。一日10食限定の十割相木そば(税込1,300円)。『mono』に登場した南相木ダムカレーは期間限定で、既に提供終了】

【江戸時代には「一に戸隠、ニに相木…」といわれたほど、蕎麦の一大産地だったらしい相木地区。滝見の湯レストランで提供する蕎麦には、相木在来種として少量栽培される「深山夏風」が使われているのだとか】
休憩後は小海まで下り、やはり人気ツーリングルートの国道141号を経て、臼田から県道93号へ。
再び群馬県側へ、今度は田口峠越え。
フツーの田舎道だった県道93号は、(長野県側の)最後の集落を過ぎた途端、狭路の山道へ。その豹変ぶりには、ちょっと驚かされるほど。ぶどう峠越えの県道124号とは、明らかに様相が異なるわけで。
停車・撮影スポット毎に車やバイクを数台見かける様も、ぶどう峠の県道124号とは大違い。

【長野県側から田口峠へ至る途中の、日本で海から一番遠い地点・入口。このゲートから先は、車両進入禁止。実際の「一番遠い地点」までは、ゲートから林道を1.3km+登山道1km。トレッキング以上の軽登山らしく、時間的にも無理なので(熊も怖いので)今回はパス。周囲には「熊注意」の看板が立ち、頻繁に出没報告もあるらしい】


海から一番遠い地点を過ぎると、いよいよ田口峠越えの本番へ…。
時に1車線ギリギリか、それ未満かもしれない極狭路やブラインドカーブ、急勾配が連続し、路面は落ち葉や泥の堆積が酷い。走行ラインが限られるため、対向車が来ないことを願うばかり。(四輪車同士のすれ違いは困難)。
時には、山肌から水が流れる自然の洗い越しも。林間ばかりでほとんど陽が当たらないため、路面に雨水などが溜まっている箇所も多く。前日まで天候不順だったこともあり、全線に渡ってグショグショの路面が続き…。

【田口峠はトンネルで通過するため、長野県側からはトンネルを抜けた先に田口峠の碑が。全線で唯一といってもいい、開けた場所にホッとする(景観は大して…)】

【トンネル出口前なので、四輪車の駐車は危険。群馬県側からだと、ほぼ90度の急カーブでトンネルに突入する凶悪レイアウト】
田口峠のサミットを越えた群馬県側(実際の県境は峠を下った地点なので、まだ長野県)は、180度ターンが連続する九十九折。一体どれだけ九十九折を繰り返せばいいのか、いい加減ウンザリ…。
これほど狭路の九十九折が続く峠道も、そうそうないのでは。途中で変化があればマシなものの、ひたすら同じ180度ターンの繰り返しで、どんな道路設計なんだか…。かつての峠越え山道(徒歩道)を、そのまま車道化しただけなのでしょうが。
峠を越えてからも、陽が届かず鬱蒼とした林間路は相変わらず。ジメジメした道が続き、テンションも下がりっぱなし。路面(舗装)こそ荒れているものの開放感を伴う、ぶどう峠とは雲泥の差で。
ようやく田口峠を下り終えると、あとは淡々と群馬県奥地・南牧村の田舎道が続く。
これがまた1車線ギリギリな狭路の連続で、渓谷沿いの崖にへばりつくような区間では、オーバーハング的に頭上の岩がせり出している箇所も。落石上等、いつでも来いの覚悟が必要かと(苦笑)。
ちなみに、反対側は深い渓谷なので、落ちたら(生きていても)廃車確定。
特に景観が良いわけでもなく、もう二度と通りたくないわ、この道。
県道45号まで下りきる前に、大仁田ダムへ立ち寄り。
途中の大仁田集落は、時が止まったかのような佇まいに、何ともいえない風情が漂い…。田口峠から下りてきた田口集落、羽沢集落もそうでしたが、歴史を感じさせる大型家屋が静かに建ち並ぶ様は、それだけで絵になります。
大きな旧家屋は、おそらく二階が蚕部屋かと。今や群馬最奥部の山村集落ですが、かつては富岡製糸場へ生糸を出荷する養蚕業で栄え、羽振りも良い“蚕の里”だったのでしょう。写真を撮りたかったところですが、生活されている一般家屋ばかりなので遠慮しました。
大仁田ダムのダムカード配布時間は15:30までにもかかわらず、到着した15時15分頃に管理所のチャイムを鳴らしても応答なし。駐車場に車もなく、係員氏が帰ってしまった後?
なので、ダムを撮影後は道の駅オアシスなんもくへ。(こちらもダムカード配布場所)
あの険道93号を走り抜けた後では、道の駅も、その前を通る県道45号も、まさにオアシス(苦笑)。スタンプも置かれている売店で、大仁田ダムのダムカードを入手。(写真提示不要で拍子抜け)


【道の駅オアシスなんもくでは、「村人ライダー」なるステッカーを販売中。南牧村を訪れるライダー=“一日村人”の意味なのだろうと、お買い上げ。埼玉県小鹿野町と同様に、ツーリングバイク歓迎の姿勢を見せてくれる自治体は嬉しい】
滝の沢トンネルで南牧村と上野村を繋ぐ県道45号は、ほぼ快走路。
あんな山中を長大トンネルで貫き、山間の村と村を繋ぐルートというのも凄い。
(建設費と需要は別の話として…)
上野村に戻り、川の駅上野で(午前中の往路で撮影した)上野ダムのダムカードを入手。カードが置かれている無人配布形式で、やはり写真提示不要とは…。
その後は再び国道299号で志賀坂峠を越え、帰路へ。
埼玉県小鹿野町まで戻り、国道バイパス沿いのおおぎやラーメン小鹿野店で早めの夕食。
おおぎやは群馬・埼玉を中心とした北関東の地域ラーメン店チェーンで、初利用。17時半前後で客は自分だけでしたが、大丈夫なのだろうか…。


【もつ煮セットA(ミニもつ煮・ラーメン・半ライス・お新香):990円(税込)。ラーメンは味噌・醤油・塩から選べるので、おおぎやの売りらしい味噌を選択。フツーに満足で、リピートもあり?】

【バイクでの来店客には、オリジナルのステッカーをプレゼント。デザインは2種あり、それぞれ赤・青・緑の3色から選べる。右上に描かれるバイクは、バイクで町興しを行う小鹿野町各所の共通デザイン】
秩父からの帰路は、フツーに国道299~463号で淡々と。
食事休憩で夕方の混雑時間帯を避けたこともあり、酷い渋滞もなく(慢性渋滞気味は相変わらず)。
この日の走行距離は400kmに達し、カブでの一日走行距離としては新記録。これまでは300kmを越えることもなかったので、「カブで一日400kmも走れるのか」と。左太腿と左膝に若干の痛みが出たものの、意外に平気で、これならカブでの長距離ツーリングもあり?


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