旅にっき 【2011.05.29/三重・滋賀】

 三重県某所で所用があったため、クルマで日帰り。季節外れの台風襲来で、豪雨&強風という最悪の天候に。休日1,000円の高速割引が東日本大震災復興のため6月に中止されるらしく、割引があるうちにと考えると、この週末にしか行けなかったもので…。
 所用を済ませた後は滋賀県へと鈴鹿山脈を越え、アニメ『けいおん!』の聖地・豊郷を訪れ、さらには長浜で開催中の《江・浅井三姉妹博覧会》も見てみたいと。帰路には、浅井長政やお市の方が湯治したと云われる須賀谷温泉で戦国の世を偲ぶのも悪くない。

 カメラを持って行くのを忘れてしまい、写真は全て携帯電話(130万画素)で撮影したもの。もともと不調だった状態がさらに悪化し、後半の写真はボロボロ…。おまけに、豊郷に着くまでの画像が消失するという憂き目に…(T_T)

 2010.05.29(Sun) Part1

この日の行程

 東京→三重→滋賀

 早朝未明に出発し、中央自動車道〜東海環状自動車道〜伊勢湾岸自動車道〜東名阪自動車道と高速を走り続ける。
 季節外れの台風襲来で天候は大荒れ。豪雨と川のような路面状況では、ステアリングを握るのも修行のようなもの。教習所や免許更新時の講習で教わるハイドロプレーニング現象を実体験するには、とてもいい機会でした(苦笑)。
 東海環状自動車道は初めて利用しましたが、さすが新規格の建設道路。走りやすいですねー。

 昼には所用を終えたので、いざ鈴鹿山脈を越え、滋賀県へ。
 三重県から滋賀県へと抜けるには、大きく分けて5つのルートがあります。

 で、新しいトンネルを通ってみたいこともあり、国道421号を選択。
 菰野町から国道306号〜いなべ市で国道421号に入ってみると…。

 「通行止め。滋賀県へは抜けられません」

 と、封鎖されているのではありませんか。滋賀県側が総雨量規制で通行止めらしい。
 うぅ。。。
 仕方なく国道306号へと戻り、北上。西藤原から鞍掛峠(トンネル)を目指します。この荒天の中、国道306号の山間部を走るクルマなどほとんどなく、バイパス的な高規格道路を(ある意味では)快走。
 が、西藤原で関ヶ原方面と向かう国道365号と分れた途端、いきなりの山道に。急勾配+ヘアピンの連続で、直線区間など皆無。絶えず左右どちらかにステアリングを切っていなければなりません。おまけに道幅は狭く、路肩には側溝がパックリと口を開け…。藤原拓海じゃないんだから、“溝走り”なんかできねーよ(苦笑)。
 道路修復のための片側交互通行区間も頻繁に出現しますが、対向車待ちはなし。というか、1台のクルマにもすれ違わなければ、追いつきも追いつかれもしない。この悪天候下にここを走る奇特な人間は、自分だけらしいです。。。
 峠をトンネルを抜けた滋賀県側は、なるほど動画で見た通りの下り急勾配+タイトコーナーの連続。三重県側の“半ば酷道”風情と違い、高速峠下りには絶好のルートでしょうね。


 『けいおん!』の聖地、豊郷小学校・旧校舎群

 遠路はるばる、滋賀県・豊郷町へとやってきました。
 ここ豊郷小学校・旧校舎群は、アニメ『けいおん!』で主人公たちが通う、桜が丘女子高校のモデルとなった校舎として知られる“聖地”。豊郷を訪れることが、“聖地巡礼”とも呼ばれる所以です。豊郷町商工会も《けいおんでまちおこし実行委員会》を設け、校舎内での【けいおんカフェ】営業、グッズ製作など様々な取り組みをしています。
 と同時に歴史的な建築物・文化財としても知られ、その保存問題が話題になったことも記憶に新しいと。そうした歴史・経緯は、豊郷小学校の歴史と未来を考える会サイトを見るとわかりやすいかもしれません。
 つまり、あくまで歴史的な文化財として一般公開されているもので、「けいおん!ファンのために公開しているよ〜」ではないと。この日も「滋賀県の近代建築と豊郷小学校建築について」講演(京都工芸繊維大学教授・石田潤一郎氏)、オルケスタ・アストロリコによるチャリティーコンサートが開催されていたように、地元の文化交流の場というのが正しい考え方でしょうね。校舎群から一歩外に出れば静かな街並みが広がりますし、街全体が『けいおん』の聖地…というイメージを抱くと、やや趣が異なるかも。自分自身、『けいおん』色に染まる校舎内を「すげ〜♪」と見学しつつ、「これでいいのか?」という違和感を覚えたのも確かなので。
 いやまぁ、難しいことを考えるのはやめましょう。地元でもそうした議論が為された上での“聖地化”でしょうし、そうでなければ、自分もわざわざ訪れはしなかったかもしれません。日曜にやってきたのも、【けいおんカフェ】が土日限定営業だから、なので(^^;;


 
【↑ (左)講演会、コンサートがあったためか、旧校舎群の駐車場は満車。300メートルほど離れた町役場の駐車場へと誘導され、旧中山道でもある町道を歩いて旧校舎群へと戻る】
【↑ (右)旧校舎群の真ん前にある、『けいおん!』登場キャラ・純がモチーフの飛び出し看板(=「飛び出し坊や」、「とびだしくん」)。西日本・近畿中心に設置されているこの看板は、滋賀県が発祥の地で、設置数も日本一らしい。ちなみに、関東では一切見かけません(^^;;】


 
【↑ 歴史を感じる校舎は、1937年(昭和12年)の建設。盧溝橋事件や南京事件が起き、阪急西宮球場が開場した年です】

 
【↑ 趣のある廊下に、妙にマッチしている『けいおん!』各種ポスター】

 
【↑ 階段には、アニメ本編でも描かれたウサギとカメがいます】

 
【↑ (左)最上階(3階)まで上がると、階段横にアニメの通り軽音部室が! じゃなく、音楽室と準備室があります】

 
【↑ (左)校舎全景を見ると、階段のある中央部のみ3階建てなことがわかります。つまり、3階は音楽室と準備室のみで、廊下や他教室はありません (右)音楽室は解放され、この日もコスプレイヤーさんバンドがセッション中】

 
【↑ 準備室(アニメでの軽音部室)には、ケーキ&お茶セットが。奥の机上に亀を飼育する水槽があれば完璧なのですが(^^;;】

 上記の準備室では、コスプレ女子バンのコたちが待機中。撮影もしていたので、取材か何か? その間隙を縫うように見ましたが、遠慮して中に入れない見学者もいた様子。落ち着いて見学したいなら、やはり平日のほうがいいかも。
 校舎内を一通り見て回った後は、いったん外に出て、けいおんカフェが併設される別棟・酬徳記念館(旧図書館)へ。
 反対側の別棟は講堂で、この日は講演会&コンサート会場に。

 
【↑ 旧図書館だった酬徳記念館は、1階がカフェに(土曜・日曜のみ営業)。豊郷町の観光案内所も併設】

  
【↑ (左)日曜だけにカフェは盛況で、空きスペースなし (右)常連さん達がいろいろ遊んでいて、一見さんはちょっと近づきにくい…のは、どこでも同じですね。この立て看板は、他にもキャラ全員分がありました。って、奥に見える初音ミクは何?(苦笑)】

 
【↑ (左)グッズ売り場。運営は観光協会 (右)メンバー毎に色分けされた“巡礼オリジナルタオル”。500円。ムギ以外は完売…】


【↑ とよ☆どら(どら焼き)。1個150円。土産用パッケージ5個入り800円。製造元は地元の和菓子店・きょうかどう。店舗でも買えます】

  
【↑ トンちゃんパンも、きょうかどうの製造。和菓子屋さんなのに、パンも焼くんです。メロンパン風でおいしいけれど、甲羅部分の砂糖がボロボロこぼれて食べにくい…。1個1,000円の“ゴールデンとんちゃんパン”(土曜・日曜限定1日3個)は、ここでしか買えません。もちろん完売】

  
【↑ (左)登校証明書(500円)はシリアルナンバー入り。なぜ2枚か? 1枚買ったところ、案内所のノリのいいお兄さんに「あ、次はジャスト900番ですよ、逝ってみます!?」と言われ、断り切れなかったから(^^;; 鐘をチャリンチャリーンと鳴らし、「900番、出ました〜!」と宣言してくれたけれど、それだけ。オマケや特典は? 「何もないんですよ〜」 (右)販売されている豊郷の案内本類も、けいおん!同人誌風】


 聖地巡礼・番外編。きょうかどう&宮川石油

 さて、豊郷町内には他にも“聖地的な”スポットがあります。
 豊郷小・旧校舎群から旧・中山道を2kmほど南(八日市方面)に進み、左折して近江鉄道の踏切&新幹線を越えたところ。日栄小学校のすぐ隣(前)に、先ほどの【けいおんカフェ】で売られていたトンちゃんパン&とよ☆どらの製造元、きょうかどうさんがあるのです。
 何かをテーマに町おこしを始め、地元の和菓子屋さんが土産物を発案するという流れは、全国各地で見ることができます。が、ここは心意気が違うのです。何がすごいって、実際にお店へ行ってみればわかります。

 
【↑ (左)一見するとフツーのお店ですが、写真右端に写っている営業車に注目 (右)こんな痛車なんです】

 
【↑ (左)うわ、お店の前のあずにゃんが自分の車に轢かれそう(^^;; (右)お店の入口。徐々に怪しげな雰囲気を感じます】

 
【↑ (左)店内に入ると、澪がお出迎え〜 (右)店内全景。 *許可をもらって撮影しています】

 
【↑ カオスのかけらが、既に再構築されている模様の店内です(違】

 ちなみに、とよ☆どらはここでも買うことができます。
 トンちゃんパン、ゴールデンとんちゃんパンは、朝に焼いたもの全てをカフェへ持って行くため、お店にはありません。

 で、カオスな店内を堪能し、とよ☆ドラを購入した後は、道を挟んだ向かいのガソリンスタンドへ。
 ここがまた、その筋では有名な“みやせき!”こと宮川石油さん(ブログ:アッホーブログ)なのです。店主さんは、《けいおんでまちおこし実行委員会》の会長なのだとか。本当はここで給油&洗車したかったのですが、残念ながら日曜は定休日。でも、ロープで閉ざされていたりはしないのでお邪魔してみます。見学者のために解放して下さっているのでしょうかw

 
【↑ (左)こちらも、一見するとフツーのスタンドです (右)近づいてみると、まずは店前の自販機に異常を発見します】

 
【↑ 給油機が素晴らしすぎます。この「れぎゅらー!!」、「はいおく!!」ステッカー(給油口サイズの小型版)は、各100円で販売中。自分は、けいおんカフェで購入しました。「けいゆ!!」ステッカーは作っていないらしいので、ディーゼル車に乗っている方は残念?】


【↑ こんなの】

 
【↑ 通称:痛洗車機ww 店内もすごいらしいのですが、定休日なので入れず】


【↑ 最初は、この動画で痛洗車機のことを知りました】


【↑ 店前にはこんな案内図も。『けいおん!』キャラ飛び出し看板の位置が記されているので、コンプリートしたい方はご参考までにw】

 なわけで、豊郷での聖地巡礼はここまで。
 上記案内図に「うどんや!」(澪スポット)と記されている玉屋さんにも立ち寄りたかったのですが、お腹は空いていなかったもので…。
 と言うか、のんびりし過ぎて、長浜へ向かわなければならない時間をとうに過ぎている。。。
 国道421号の通行止めによるタイムロスが、ここにきて響いてきました…。