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東北新幹線・新青森開業に思うこと

2010年11月24日 - Posted by admin - Inside [Traffic] Railway   このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加
24 11月.

 JR東日本の東北新幹線、八戸-新青森間が12月4日に開業。
 ここで気になっていたのが、個人的に利用機会の多かった弘前、津軽エリアへのアクセス改善について。

関連リンク

 要約すれば、
  • 現行の特急『かもしか』(秋田-青森)3往復と、特急『いなほ』新潟-秋田・青森)のうち青森まで延長運転されていた1往復分の、計4往復を新たに特急『つがる』とする。
  • 現行の特急『つがる』(八戸-弘前)5.5往復は全廃。
  • 青森-弘前間の普通列車を17往復から22.5往復に増やす。
 つまり、
  • 青森-秋田間の特急運転本数は変わらない。
  • 青森-弘前間は特急『つがる』5.5往復分を普通列車に振り替えただけで、同区間の運転本数は変わらない。
 ということ。
 青森-弘前間の高乗車率、同区間を乗り通す乗客の多さなど、首都圏や他地方の人には想像できないほど、北東北エリアの鉄道依存度には高いものがあります。雪国であるが故の、旧来からの生活習慣に関係しているのかもしれません。
 にもかかわらず、従来のダイヤはひどいものでした。
 例えば、従来のダイヤで午前中(8時~12時)に青森から弘前方面へ向かう場合…。
  • 08:18発 特急『つがる43号』弘前行 (弘前着08:53)
  • 08:35発 弘前行普通642M (弘前着09:28)
  • 09:57発 特急『かもしか2号』秋田行 (弘前着10:26)
  • 11:16発 弘前行普通648M (弘前着12:04)
 午前中に弘前で所要がある場合は、嫌でも朝早く出るか、特急に乗らなければならないと。
 それが今回のダイヤ改正で、以下のように大幅な改善が為されました。
  • 08:03発 弘前行642M (弘前着08:46)
  • 09:07発 大館行普通644M~8648M (弘前着09:57)
  • 10:04発 特急『つがる4号』秋田行 (弘前着10:44)
  • 10:36発 秋田行普通650M (弘前着11:25)
  • 11:12発 弘前行普通652M (弘前着11:57)
  • 11:59発 大館行普通654M (弘前着12:42)
 では、首都圏から弘前へのアクセスはどうでしょうか。
 従来のダイヤでは…。
  • 東京06:56→10:03八戸 (東北新幹線『はやて』1号)
  • 八戸10:15→11:13青森 (特急『スーパー白鳥1号』)
  • 青森11:16→12:04弘前 (普通648M)
 となり、午前中に弘前で所要がある場合は、飛行機でなければ間に合わない。
 東京から東海道・山陽新幹線で西へ向う場合、06:50発の『のぞみ7号』に乗れば、12:06には終点の博多に着いてしまいますからね。弘前までの距離に置き換えるなら、岡山や福山あたりでお昼前後に用事があったとして、東京を朝の新幹線で出たのでは間に合わないのと同じこと。それほど、弘前など津軽エリアは東京から遠く不便な場所でした。
 が、今回のダイヤ改正により…
  • 東京06:28→10:01新青森 (東北新幹線『はやて11号』)
  • 新青森10:11→10:44弘前 (特急『つがる4号』)
  • 新青森10:41→11:25弘前 (普通650M)
 劇的な改善です(苦笑)。ダイヤ改正の内容だけではわからなかったので、時刻表を見て驚き。
 ただ、これにはちょっとしたマジックも。まず、朝一番の東北新幹線が30分ほど繰り上げられたこと。次に、青森-新青森間の所要時間約6分が短縮されたこと。
 東京06:28には間に合わない場合(ウチの場合もギリギリです)、次の新青森行『はやて』(定期列車)は1時間後の07:32までありません。これだと新青森着が11:09。普通列車乗り継ぎで弘前到着は11:57。それでもダイヤ改正前よりは早いですが。。。東京06:56発の『はやて13号』が、盛岡止まりなのはなぜ? 車両運用の都合でしょうか。来春、新型車両のE5系による『はやぶさ』運行開始までの暫定措置?

 話を奥羽本線に戻すと。
 フツーに考えれば、特急『つがる』と相互補完するカタチで、青森-弘前間にリレー快速的な列車を増発するのがベター。長野新幹線開業後の長野-直江津間のように…とは誰もが思うことでしょうが、これが現実には難しい。
 青森ー弘前間は単線区間。JR化後の合理化で各駅の交換設備が次々と廃止された結果、優等列車による追い越しが事実上不可能な時間帯も多いはず。日本海縦貫ルートとして貨物列車の運用にも重点が置かれる路線だけに、現状ダイヤを維持するのが精一杯なのかも?
 でも、もう少しやりようがあるのでは?
 ここで、ちょっと穿った見方をすれば…。
 同区間は起点の青森駅と新青森駅だけがJR東日本・盛岡支社の管轄で、他は秋田支社の管轄。奥羽本線を走る列車(車両)の管轄も、秋田支社。同支社にとって、青森県内の利便性など二の次であっても、不思議はない。
 「優等列車は秋田発着のものだけだよ。青森県内の利用者は普通列車で我慢しなさい」
 そう言っているようにも思えてしまうわけで。
 特急『かもしか』用だった余剰485系を使ってリレー快速的な列車を運用することぐらい、やろうと思えばできたのでは? 青森では使わず、秋田管内での波動輸送にでも充当するのでしょうか。
 ま、秋田支社からすれば、新幹線の新青森開業は痛し痒し、あまり嬉しくないことなのかもしれませんが…。

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DMR-BW830での予約録画失敗(思い出の鉄路)

2010年11月19日 - Posted by admin - Inside [Audio&Visual] Misc, [Traffic] Railway   このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加
19 11月.

 NHK BS1にて『思い出の鉄路』という番組が再々放送されています。廃線となった鉄道路線を映像記録で振り返る5分間のミニ番組で、もともとはワンセグ2で放送されたコンテンツ。けっこう良質なんですよね。
 その存在を知ったのは、BS1での再(ワンセグ以外での初)放送から。全15回のうち途中からの視聴になってしまい、補完のため再々放送を待っていたところ、この10月から待望の再々放送が始まり喜んでいたのですが…。
 11月18日の第3回(美唄鉄道)が、DMR-BW830での予約録画(毎週予約)に失敗していたのです。
 「番組が見あたらなかったため…」といったメッセージが残っていたけれど、ん?
 調べてみると、当日は国会中継が入ったため、その国会中継をBS2で放送し、通常はBS2で放送される大相撲中継がBS1に変更されていたらしい。そのため、大相撲中継前のBS1の番組が15分ずつ繰り上がっていたと。
 DMR-BW830の毎週録画は、前後2時間までの時刻変更なら自動追従するはず。また、番組表に毎週録画の該当番組が見当たらなかった場合、その時間に放送中の番組を録画する。録画が一切されないのはおかしな話で、番組表の取得に失敗したのか、何か機器上のエラーが生じたのか。
 NHKに問い合わせてみると、放送変更は前日に決まり(前日に国会中継が急遽、入った)、EPGもその時点で変更されたという。当日その時間になってからの急な変更ではなかったことを確認。
 Panasonicに問い合わせてみても、通常の動作ではあり得ない。機器の誤動作かもしれないのでリセットをお勧めしますと。
 何だかなぁ。勘弁してよ。さらなる再々々放送なんて、望み薄なのだけれど…。

 というわけで。
 DMR-BW830の予約録画は、たまに原因不明の失敗をやらかして痛い目を見させやがるぞ、バカやろーというお話。
 てか、こんなややこしい放送変更しないでよ。。。NHKも。


追記

 Daily motionに動画をアップされている方がいて、視聴はできました。
 昨年6月の北海道ツーリングの際、東明駅跡に保存されている4110形の美唄鉄道2号機を見学しましたが、やはり現役のカマとして動いている姿は格別ですね。

http://www.dailymotion.com/video/xecpva


追記2

 続く第4回(万字線)も録画できず。こちらは放送予定が変更され、番組自体が休止に…。
 またもや国会中継と大相撲中継による変則パターンらしいのですが、国会も大相撲も終わった翌週には第5回を放送。要するに、当初の全話放送スケジュール(終了予定)は変更せず、1回分を飛ばして帳尻合わせするカタチだと。
 いや、ひどいでしょ、それ。。。
 予算審議とは名ばかりの、個人攻撃による与野党の足の引っ張り合いというロクでもない国会中継のおかげで、迷惑千万もいいところ。そんなもののために、通常の放送パターンを崩さないでくれ。
 第6回以降は先の再放送の際に録画してあるので、第3・4回だけが歯抜けに(T_T)

 結局、この回もDaily motionにて視聴。昨年の北海道ツーリングで訪れた朝日駅跡、終点の万字炭山駅跡に建てられたと思われる万字線鉄道資料館などを脳裏に甦らせながら、鉄路が活きていた頃の光景に思いを巡らしました。

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 JR東日本より、東北新幹線・新青森開業に伴うフリーキップ類の見直しが発表されました。
 東京在住の自分が気になっていたのは、12月3日をもっての廃止がアナウンスされていた青森・函館フリーきっぷの代替商品。個人的に、青森・弘前エリアとを往復する機会が多かったので…。もっとも、エリアが拡大され、北海道に渡らなければお得感も漂わなくなった(苦笑)同フリーきっぷだけに、利用頻度はそれほど高くなかったですが。。。

 で、新たに発表されたのが、北東北・函館フリー乗車券
 時を同じくして廃止される秋田・大館フリーきっぷのフリー乗降エリアを呑み込むカタチで、要は2つのフリーきっぷを合わせたようなもの。
 さらには盛岡-八戸、盛岡-宮古、八戸-久慈とJRフリー乗降区間が拡張され、三陸鉄道IRGいわて銀河鉄道青い森鉄道、そして秋田内陸縦貫鉄道にまで乗れてしまうという、超拡大版フリーきっぷへと変身したのです。
 いや~、素晴らしいじゃないか。しかし、これだけエリアを拡大したなら、料金は?
 東京都区内から、18,000円…ん!?
 これまでの青森・函館フリーきっぷが29,100円、秋田・大館フリーきっぷが28,100円。なんだそれ?
 よくよく見ると、乗車券のみのフリーきっぷに変更されていたんですね。これまでの青森・函館フリーきっぷは、往復に東北新幹線(指定席)か寝台特急『あけぼの』(B寝台)を利用可能でした。が、今回の北東北・函館フリー乗車券に含まれるのは、往復の乗車券運賃のみ。

 「新幹線に乗りたいなら特急料金を払え」

 は、ともかく。

 「寝台特急に乗るなら特急券と寝台券を別に買え。そこまでして『あけぼの』に乗りたいか?」

 とも言われているような気が…。見方によっては、いつ『あけぼの』を廃止してもいいような改訂じゃないかと。
 いよいよもって、寝台特急は風前の灯火なのか…。などとも思いを巡らしてしまいます。

 さて、単純に東京-青森の往復で考えるなら。。。

  • 青森・函館フリーきっぷ  29,100円
  • 北東北・函館フリー乗車券  18,000円+特急料金13,000円=31,000円 *東京-新青森間の特急料金は片道6,500円

  • 通常運賃+特急料金  32,740円(片道16,370円)
  • えきねっとトクだ値  平日29,460円(片道14,730円/土休日26,180円(片道13,090円)
 と、フリーきっぷ同士で比較するなら1,900円もの値上げ。
 同じく新発売されるえきねっとトクだ値が安いのだからいいだろうという、飴と鞭でしょうか。でもこれ、席数限定、期間によって価格変動ありの商品ですからね。どの程度まで使い物になるのかは、現状では何とも。。

 でも、フリー乗降エリアが拡大されたのだからいいじゃない?
 が、ここで問題なのは、フリーエリア内でも“乗車券のみ有効”なこと。特急に乗れば、その都度、特急料金を支払わなければならない。
 これだけの広いエリアを有効利用するためには、嫌でも特急を利用することになるでしょう。田沢湖エリアを周遊コースに含めるなら、田沢湖線で秋田新幹線を利用せざるを得なくなります。北海道へ足を伸ばそうにも、津軽海峡線の蟹田-木古内間は特急しか走っていません。別途、特急料金を支払わなければ、道内のフリーエリアへ入ることすらできないのですから。
 さらに言えば、きっぷ自体の有効期間が7日間から5日間に縮小されている点も難。エリアを拡大しておきながら有効期間を短縮するのって、矛盾してないですか? これまた、新幹線、特急をフル活用しなければフリー乗降エリアを有効利用できない罠。
 机上の計算でも容易に想像できますが、実際にこのきっぷで旅をしてみれば、従来のフリーきっぷよりかなりの支出増になるのでは。一般的な利用で考えるなら、実質、大幅値上げとも言えるのではないでしょうか。

 このきっぷをもっとも有効活用する方法は、フリー乗降エリアに加えられた第3セクター路線を乗りまくること。
 基本が(JRと比較して)割高な運賃なだけに、使い方によってはかなりお得になるはずです。
 でも、それって、経営不振に喘ぐ北東北の第3セクター各社へのいじめですよ。
 このきっぷの相乗効果で、遠方からの観光利用者は増えるかもしれません。でも、それがどれだけの利益効果をもたらすのかは、正直、疑問でしょうね。発売元のJRから一定額がバックされるにしても、実際にはタダ乗りされまくるだけに終わるのではという懸念も。。。
 JR東日本に性善説を唱える気などさらさらないですが、今回のリニューアルは、ちょっとひどくないですか?

関連リンク

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九州新幹線の『みずほ』が不評?

2010年10月17日 - Posted by admin - Inside [Traffic] Railway   このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加
17 10月.

 しかし、毎日新聞はなぜこのタイミングでケチをつけるのだろう。
 来年3月に直通運転を開始する山陽・九州新幹線の、最速列車『みずほ』(予定)について。



 記事の趣旨は、
 「公募で決まった列車名『さくら』より速い列車が『みずほ』では、列車名の格としておかしい」
 というもの。
 9月にもニュースネタになった、鹿児島県知事の「熊本止まりだった寝台特急の名前を付けるな」発言をまたもや引き合いに出してきて。この発言自体はバカバカしくて相手にできないレベルだけれども、毎日がここまで『みずほ』を叩く理由がわからない。川島令三のコメントまで引用し、『みずほ』<『さくら』という格付けを一般化させるべく躍起になっているようにも見える。JR九州との間に、何か因縁でもあるのだろうか。

 確かに、『さくら』と『みずほ』でどっちが上? と聞かれたなら、フツーの鉄系な人は『さくら』と答えるはず。
 でも、話の本筋はそんなことじゃなく、なぜ列車名を3本立てにする必要がある? ではないのかな。

 *山陽・九州新幹線の列車名 (予定)
  • 『みずほ』  新大阪-鹿児島中央間を最速3時間47分で結ぶ。朝夕の8往復のみ運行予定。
  • 『さくら』  同区間を4時間で結ぶ、通常の停車駅の列車。全日、1時間ヘッドで運行予定。名称は公募で選ばれた。
  • 『つばめ』  現在の列車名を継承。九州新幹線区間だけを運行する。

 この3列車に加え、山陽新幹線区間には『のぞみ』、『ひかり』、『こだま』もあるのだから、同区間では5つの名称の新幹線が走ることになる。
 さらに博多駅の発着では、上下方向に6つの列車名が混在し…。
 現状で『ひかり』の定期列車は広島より東のみですが、臨時列車等での運行はあるかもしれないですからね。

 そんなにわかりにくくして、どうする?

 山形新幹線、秋田新幹線が乗り入れる東北新幹線とは、事情が違う。同じ一本の路線にこれほど多くの列車名が存在したら、利用者の混乱を招くだけなのでは?
 山陽新幹線から九州新幹線に乗り入れる列車は『さくら』。九州新幹線内だけを走る各駅停車は『つばめ』。それでいいんじゃないの? だから『みずほ』は不要だというなら、話もわかる。でも、列車名の格付けがどうのこうのなんて、それこそ一般的な論旨じゃない。

 格付けでいうなら、『さくら』より上級のイメージで思い浮かぶものは『はと』しかない。『つばめ』に『さくら』に『はと』? 日本の鉄道の歴史をリードしてきた由緒正しき名門列車の名称を、全て九州新幹線に注ぎ込んでどうする。
 列車名称に違和感があるというなら、鹿児島本線の特急を『つばめ』と命名した際のほうがよっぽど違和感を感じましたよ。「なんで九州の特急が『つばめ』なの?」と。
 
 これはあくまで邪推ですが、JR九州としては最速列車=『みずほ』を暫定的な運用にしたいのではないかと。泥沼化しそうな九州新幹線区間の停車駅問題を先送りにし、開業祝賀ムードも落ち着き、各駅の利用者数の統計が出揃ったところで…

 「これからは『さくら』の停車駅を減らしてスピードアップするよ。なので『みずほ』はやめる」

 なんてね。
 ヘタに立派な列車名にしてしまうと、やめるにやめられなくなる。『みずほ』ぐらいならちょうどいいんじゃない?
 とかね。

 東北新幹線に目を転じれば、何のために公募したのかと思う『はやて』も短命で、今や風前の灯火。『はやて』をやめて『はやぶさ』に変えますって、そんな安直なやり方でいいのだろうか。新函館まで開業したら、また名称を変えるわけ?
 『はやぶさ』こそ、九州方面の列車名に使用するべきなのでは。というか、そもそも過去に使用例のない『はやて』などではなく、東北本線特急の歴史でもある『はつかり』にしておけば良かったんじゃないの?

 日本の鉄道の歴史を築いてきた伝統列車、特急ネットワークの名称を安易に使い回さないで欲しい。
 多くの鉄道ファンがもっとも思うところは、そこでしょ。

関連記事・リンク


ぼくは「つばめ」のデザイナー―九州新幹線800系誕生物語  時刻表でたどる特急・急行史 JTBキャンブックス  国鉄・JR列車名大事典  新・名列車列伝 (マイロネBOOKS)  列車名変遷大事典

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レールウェイマップル

2010年3月21日 - Posted by admin - Inside [Traffic] Railway   このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加
21 3月.

 昭文社から発売されたばかりの、レールウェイマップル 鉄道地図帳を買ってみた。
 詳細は上記の公式サイトを参照してもらうとして、予想以上のモノだったというのが正直なところ。地図出版社の大御所が“鉄道地図帳”と銘打って制作しただけのことはあると。同様の出版物に新潮社:日本鉄道旅行地図帳があるので、両者の北海道版を例にとって、ちょっと比較してみようと思う。

北海道 鉄道地図帳 (レールウェイマップル) (Railway mapple)   日本鉄道旅行地図帳 1号 北海道―全線・全駅・全廃線 (1) (新潮「旅」ムック)

*路線図

【レールウェイマップル】

 鉄道路線図だけでなく道路、都市・集落、河川、岬、山、観光地といった「地図として当たり前の」要素も掲載され、主なバス路線(運行会社)が地図上に表記されているのもいい。要は、「読む地図」としてきちんと成立している。さすが昭文社といったところ?
 各路線(JR・私鉄)の複線区間、単線区間がそれぞれ二重線、太線で表記されていて、わかりやすい。データとしては頭に入っていても、こうして地図上に表示されるとまた新鮮な感覚で見ることができる。
 また、電化区間にはデッドセクションも表示。にも関わらず、電化、非電化区間の表示分けがないのは? どうせなら、色分け表示するなどの工夫が欲しかったかも。この地図帳を買うような人であれば、敢えて説明されなくてもわかることでしょうが…。
 車両基地(全般検査可能かどうかで区別)、車輌製造工場、信号場・信号所、急勾配、スイッチバック、ループ線、大カーブ、鉄道博物館、鉄道記念碑、車両展示、廃線跡、鉄道に関する映画等のロケ地、撮影ポイントなども路線図上に表記されていて、とにかく何でも詰め込んでみたという印象。
 が、記念物、ロケ地や撮影ポイントなどに関しては場所が大まかすぎ、この地図だけで現地に到達するのは無理。あくまで「このあたりに存在する」ことをイメージさせる程度。この地図の性格上はそれでいいのだろうが、情報の取捨選択が中途半端だとも言える。
 駅間距離が地図上に表記されているのは、わかりやすくていい。

【日本鉄道旅行地図帳】

 路線図以外の情報は皆無に近く、要は時刻表の路線図を正縮尺にしただけのようなもの。時刻表地図を見慣れている分にはいいのだが、これを“地図”と呼ぶには違和感がある。路線図としては正しい在り方でも、見ていて旅情が高まるようなシロモノではない。あくまで“鉄ちゃん”向けに特化したスタイルは、賛否が分かれるところだと思う。その分、レールウエイマップルとは違い情報の捨て方が潔いとも言えるのだが。
 複線・単線区間は太線・細線だけの区別なのでわかりにくい。電化・非電化区間の区分けはナシ。
 車両基地は別ページで一覧化され、レールウェイマップルにはない配属車両、所属記号も掲載されている。


*駅施設

【レールウェイマップル】

 各駅には、駅施設に関する情報をマーク表示。その内容は、特急停車駅、列車交換(交換施設の有無)、スイッチバック、ループ線、頭端式ホーム、転車台、扇形車庫、みどりの窓口、レンタカー、駅弁、多目的トイレ、入浴施設、立食そば、駅スタンプ、硬券入場券、>発車音楽、駅ビル…と、多岐にわたる。重要文化財、登録有形文化財、近代化産業遺産、鉄道記念物も表記される。
 こちらも情報を詰め込んでみたという印象だが、もう少し取捨選択が必要なのでは。ターゲットが不明=不要な情報も多く、必要な情報を深くしてくれたほうが実用性は上がる。

【日本鉄道旅行地図帳】

 地図上の解説は一切ナシ。
 別ページに、路線毎の駅開業年、駅名変遷、駅間距離、路線名の変遷等が一覧表化されている。数値データだけを参照するのであれば、こちらのほうが情報量も多く便利。あくまでデータベースに特化する潔さは感じる。


*廃線、未成線

【レールウェイマップル】

 JR(旧国鉄)の廃止路線は網羅されているものの、私鉄に関してはケースバイケース。北海道版を例に取ると、JR(旧国鉄)路線ではない廃止私鉄で掲載されているのは、三井芦別鉄道と三菱大夕張鉄道のみ。いずれも、山川橋梁、南大夕張駅といった登録有形文化財、近代化産業遺産があるために掲載されたと思われる。無数にあった森林鉄道、開拓鉄道などの軽便鉄道まで網羅しろとは言わないが、夕張鉄道や寿都鉄道、定山渓鉄道まで無視されているのは、どうかと思う。
 ただし、他地域版ではここまで大雑把に無視されてはいない。つまり、掲載、未掲載の基準に一貫性がない。他の要素はバランスよく構成されているのに、私鉄廃線だけがなぜこのような扱いなのか、疑問が残る。。。
 よく見ると、「原則として1984年4月1日以降に廃止された鉄道路線を掲載」とあった。旧国鉄:第1次廃止対象特定地方交通線の廃止・転換が一気に進んだ年度なので、そのような扱いにしたと思われる。確かに、見直してみると根北線が掲載されていない。が、白糠線(1983年10月23日廃線)は掲載されている。廃止日が近いからだろうか。このあたりが「原則として」なのかもしれない。

【日本鉄道旅行地図帳】

 この点では、「そこまで載せるか!?」と思うほど廃止路線を網羅している日本鉄道旅行地図帳に軍配が上がる。現役路線より廃止路線の扱いがメインではないのか? と思わせるような構成なので。
 また、先に触れた全駅の開業年月日、駅名・路線名の変遷などのデータ一覧表は、こうした廃止路線でこそ意味を持つのかもしれない。


*読み物ページ

【レールウェイマップル】

 それなりに充実していて、例えば北海道版であれば、鉄道遺産、博物館・記念館、終着駅、鉄道連絡船、駅スタンプ、駅弁、車両基地・車両工場、信号場、橋梁、トンネル、峠と難所、廃線跡・未成線、という項目が並び、それぞれ1~2ページずつ写真付きで解説されている。解説文もそれなりのレベルを保っていて、昨今の鉄道ブームに便乗する「はぁ?」と言いたくなるような有象無象の出版物、番組とは異なるもの。
 特に深い内容が記載されているわけではないが、「地図だけじゃありませんよ」という全体のバランス感は悪くない。

【日本鉄道旅行地図帳】

 あくまでオマケ程度。北海道版を例に取ると、名駅舎+仮乗降場・貨物駅舎(通称:だるま駅)と、鉄道保存施設の解説が各1ページずつ。
 別枠として地域特集があり、北海道版では簡易軌道について2ページで解説されている。これは面白い企画だが、“特集”と呼ぶには内容が物足りない。やるなら、せめて4ページ程度は欲しいところ。


*まとめ

 北海道版で比較するなら、レールウェイマップルは全80ページ、地図縮尺が30万分の1。日本鉄道旅行地図帳は全52ページ、地図縮尺は80万分の1。この違いだけでも、「読んで面白い地図」かどうか、情報量の差がわかると思う。
 要は、あくまで“地図”にこだわった作りのレールウェイマップルと、“地図帳”とは言いながら実質的には“便利帳”である日本鉄道旅行地図帳の違い、ということかもしれない。日本鉄道旅行地図帳は全52ページ中の半分=26ページをデータ一覧表が占めることからも、その性格は明らかに異なる。特に廃線・未成線に関してのデータは、個々に調べればわかるとは言え、こうして一覧にしてもらえると有り難い。
 言い換えれば、あくまでデータ本でしかない日本鉄道旅行地図帳と、1冊の本としても成立するルールウェイマップルだろうか。デザイン、ページ配分、読みやすさとバランス感など、本(地図)としての評価はレールウェイマップルのほうが圧倒的に上。ただ、どちらが実用的なのかと言えば…ケースバイケース。逆に言えば、どちらも非・実用的?
 なので、価格が上がってもいいから、この両方の要素を兼ね備えた“地図帳”が欲しかった…と思うのは贅沢だろうか。全地域を揃えると、けっこうな散在になってしまうので。。。

 昭文社を中心に、最近は地図系の出版社から様々なスタイルの地図が発売されている。カーナビの普及により道路地図の販売が激減したことで、相当な危機感を抱いている裏返しなのか。。。おかげで読む地図、面白い地図が次々に発案されるのも悪くない?
 人からは(異様なほど)地理に詳しいと思われている自分だけに、やはり地図が好きなようだ(笑)。

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