今大会は、野球留学校の出場が少ないので安心して見ていられます。。。
7日目。鹿児島実(鹿児島) 15-0 能代商(秋田)。
能代商は25年ぶり出場。秋田県北部からの出場は74回大会(1992年)の能代高以来ということもあり、頑張って欲しかったのだけれど…。あそこまで一方的な展開になってしまうとは。
甲子園での緊張感からかエラー続出だったとはいえ、選手自身が
「どこに投げても打たれる気がした」
「鹿児島実の打線は1番から9番まで、全員が秋田商の4番打者のようだった」
などと言っているように、実力差もまた、明らかだった。
これで、秋田県勢は夏の大会、13年連続の初戦敗退。ワースト・タイ記録。
- 青森 (52、55、60~70回大会)
- 山形 (22~25、28、34、37、39、40、41、44、45、50回大会)
- 秋田 (80~93回大会) *継続中
秋田県勢は、来年も負けるとワースト単独記録を樹立してしまう。
一県一校制になった60回大会(1978年)以降では、もちろんワースト単独記録。
同年以降でそれに続く記録は、青森の11連敗。並ぶかと思われた三重は昨年の大会で三重高が勝利し、10連敗でストップした。現在継続中の記録では鳥取が7年連続(今大会も含む)だが、その差は大きい。
ちなみに、秋田県勢が最後に勝った79回大会(1997年)の代表校は、現・ヤクルトの石川がエースだった秋田商。1回戦で現・ソフトバンクの和田がエースだった浜田と対戦し、4-3で勝利している。今思えば、すごい対戦だった。。。
昔の秋田県勢は、東北で宮城県勢に次いで強かったんですよね。毎年どんなチームが出てくるのかが楽しみで、秋田商に代表される、走攻守ともに締まったチームが出場してきたもの。その実力は全国レベルだったはずだし、初戦敗退なんて珍しかったようにも思う。
鳥取にしても、代表校が甲子園で予想外の活躍をし、驚かされたことが何度もあった。昔の中国地区での強さイメージは、広島>岡山>鳥取>山口>島根だったような。レベルは別にして、いいチームが多いという印象は秋田と変わらない。
両県の高野連は頭を抱えているらしいが、この問題と野球留学を結びつけるのは簡単だ。
秋田は、野球留学が当たり前になりつつある東北において、唯一、それが積極的に行なわれていない県。代表校はいつも、地元出身の選手ばかり。同じく鳥取も、隣県の島根とは違い、野球留学に否定的な地域だろう。倉吉北のような少数例はあるものの。
だから勝てないんだよ。。。と短略的に言ってしまうなら、それはそれ。敢えて否定も肯定もしないけれど。
それよりも。
秋田に関しては、秋田県勢=「東北の強豪」のイメージに陰りが見え始めた頃から、「このままじゃダメだ、弱体化するぞ」と思っていたものだ。当時の東北地区はまだ野球留学に熱心ではなかったし、それとは無関係に弱体化を予期した理由とは、球場にある。
秋田の野球の聖地と言えば、昔から秋田市営八橋球場(秋田市八橋運動公園硬式野球場)。1990年の改装以前は両翼90メートル、中堅112メートルという狭い球場で、改装後は両翼100メートル、中堅122メートルに。自分がもっとも高校野球館戦に熱心だった頃なので、同球場での秋田大会は何度も見た覚えがある。
が、改装されて広くなったとはいえ、そのイメージは「おっそろしく狭い球場だな」。
「あ、外野フライか」と思った打球が、ポンポンと外野スタンドに飛び込んでしまう。飛び込まなくても、ちょっとした打球がすぐにフェンス直撃だ。外野手は忙しいのなんの。フェンスまでの距離はあるのだから、外野手の守備位置が特別に前なわけでもない。右中間、左中間の広がりがまったくないため、滅茶苦茶な打撃戦が展開されてしまう…そんな球場だった。
当時の各地区の大会はいろいろ見たし、決勝戦だけならスカイAの放送で全都道府県を観戦することができた。でも、秋田ほどインパクトがあった大会&球場はない。外野守備の連携はもちろん、走塁から投球術、打撃術、投手や打者の育成など、「秋田で勝つ」ためのチーム作りにおいて、球場がもたらす影響力は計り知れないはず。
「こんな球場をメイン会場に使っていたら、秋田の野球はおかしくなっちゃうぞ」
そう思ったものだ。
それから間もなく、秋田県勢の弱体化が顕著となり、やがて初戦敗退連続記録もスタートした。
その後は以前ほど高校野球観戦に熱心ではなくなったので、秋田の球場のことも忘れていた。
今回の件でそれを思い起こし、調べてみたところ…。現在のメイン球場は秋田県立野球場 こまちスタジアム(旧・県営球場)で、両翼100メートル、中堅122メートルの立派な球場らしい。実際に見たことはないけれど、おそらく「まともな野球」ができる球場なのだと思いたい。完成が2003年ということは、同年から秋田大会のメイン会場になったのだろうか。
だからと言って、そう簡単に従来の野球が変わるわけもない。
「秋田で勝つ」ための野球が全国レベルではないと浸透するには、ある程度の時間に加え、指導者の代替わりなども必要かもしれない。
何にせよ、秋田県勢の初戦敗退連続記録が、単独ワースト記録になってしまわないことを願いたい。
「野球」県民性 (祥伝社新書)
阪神・金本が自らスタメン落ちを申し出て、世界記録を更新中だった連続フルイニング出場記録が1492で途絶えることに。
正直、ようやく…か。という心境。
開幕からの打撃不振は元より、あの守備は悲惨でしたからね。前日の試合で送球を地面に叩きつけるという失策=失態を演じたことで、ようやく決心がついたのか。スポーツ紙に掲載された「チームに迷惑がかかる。特に投手陣に…」という本人談話は、まさにその通り。
以前にも(2009年10月9日の日記で)書いたように、故障を抱えた金本の左翼守備は、言うならラミレス並み…。先日の巨人戦でも、平凡なレフトフライで3塁ランナー・ラミレスが楽々とタッチアップ。ホームへの返球すらできない状況は、あまりと言えばあまり。スコアリングポジションにランナーがいて、左翼に打球が飛べば終わり。これではバッテリーの配球にも影響してしまう。
当然、ラミレスぐらい打ってくれなければ釣り合いが取れない。にも関わらず、まともにバットも振れないのでは…。
金本が4番に座ることで打線が落ち着き、チームの精神的な要であることに疑いの余地はない。阪神ファンなら、誰でもわかっていること。ただ、それを差し引いても、現状での出場はあり得ない。相手バッテリーの攻めを見ていても、「金本は安パイ」的な意図が見えるようでは…。5番・新井、6番・城島、7番・ブラゼル、それに1番・マートンが好調なのでそれなりに打てているとは言え、打線が完全に分断されているのは明らか。3番・鳥谷の不振にしても、4番・金本の前で相手が鳥谷に全力投球できるから、という側面が無視できない。
鳥谷に関しては、いい加減にしろよという思いがないわけではないけれど。
プロ入りして何年経ったら、開幕に合わせて調整できるようになるんだと。WBCに出場するわけでもなく、優勝して日本シリーズまで戦い、ボロボロになるわけでもない。にも関わらず、終盤戦にならないとまともに打てないシーズンを何年続けるつもりなんだ。(ショートとしては)さほど強肩でもなければ、守備範囲も広くはない。「ショートのレギュラーを確約されるレベルの選手じゃない」と言われても致し方ないと思う。
それはともかく。
金本にフルイニング連続出場記録がある以上、ベンチがそれを止めることは事実上、不可能。他の選手がそれを言えるわけもない。金本自身が決断し、言い出さなければコトは進まない。誰にとっても不幸なことだ。ボロボロの限界まで達して初めて…という金本流の美学はわかるけれど、正直、遅すぎた決断だと思う。
とりあえずは代打出場で、連続試合出場記録だけは続ければいい。それだって立派な勲章なのだから。
代わりの左翼には。。。せめて相手の先発が左投手のときは、浅井を使ってやって欲しい。去年、あれだけ頑張ったのだから。このまま埋もれさせてしまうには、あまりに惜しい選手だもの。
阪神の成績が伸び悩んでいる要因に、先発投手陣の不安が挙げられるのは当然のこと。同時に、と言うか投手陣の成績にも無関係ではない守備力の低さが、大きく影響しているのではないかと思う。
今年のチームはダイナマイト打線(古いね)、85年の再来などと言われているけれど、当時のチームとは大きな違いがある。それが守備力。
1(右)真弓、2(中)北村(弘田・吉竹)、3(一)バース、4(三)掛布、5(二)岡田、6(左)佐野(長崎)、7(遊)平田、8(捕)木戸。
この85年のオーダーと守備力を比較すると、捕手の木戸と城島は互角だとしても、他の全ポジションで現チームのほうが劣る。当時は今ほど守備力が重視されず、他チームの守備力がそれほど高くなかったこともあり、弱体投手陣を打撃&守備の両面からフォローできていた。が、現チームの守備力は、お世辞にも12球団で上位とは言えない。どのポジションもギリギリ及第点…な守備力で、投手陣に好投を期待するのも酷な話だ。
もうひとつ言えば、犠打の数も大違いなのだけれど。
85年の打線は、犠打数がリーグトップ。2番、7・8番のバントも目立ったし、何より中軸の犠飛が多かった点は見逃せない。一発打線でフライが多かった結果ではあるものの、ランナーが次の塁に進むことで、打線の迫力がさらに増す結果となっていた。
それに比べて現打線は…。相手チームの外野守備が当時と比較にならないとは言え、犠飛が少ない。どうせ強力打線を売りにするなら、無理矢理の進塁打を意識して内野ゴロを打つより、思い切り振って犠飛にしてくれ。それだけ相手バッテリーの(一発への)警戒が強まり、打線の凄みも増す。そんな風に思うファンも多いのでは。
何と言うか、良くも悪くも、もっと思い切って野球をしてくれ。それでダメでも、それが阪神。でしょ?
2001年より設けられた、センバツの21世紀枠。確かに初戦敗退も多いが、昨年は利府(宮城)が、2001年の宜野座(沖縄)以来のベスト4に進出。それなりの成果は見え始めたと言っていいだろう。当初から「2010年までの暫定的な出場枠」であり、つまり、今大会をもって見直すことが決まっている。
秋季大会が単なる予選と化していた過去の経緯からすれば、「センバツらしさ」を形にした成功例と言ってもいいと思う。ただし、選考方法の曖昧さには疑問を感じる面が否めないが…。選考基準は「県大会ベスト8以上(参加校数128校以上の都道府県ではベスト16以上)」のみ。21世紀枠らしい選考基準はと言えば、地域への奉仕活動など実態のよくわからないものが大半を占める。今どき、地域奉仕を無視している高校のほうが珍しいのでは? また、県大会止まりで地区大会に出場していない学校が選ばれるケースは滅多になく、事実上、地区大会で敗退した学校の救済措置的な面も大きい。
今大会にしても、東日本の大本命とされた新潟(新潟)の落ちた理由がよくわからない。推薦理由の「県内屈指の進学校で、県内最古の野球部(学校創立1892年、創部1894年)。明治時代に“野球”という日本語を作った中馬庚が校長を務めたこともある」は話題性十分。昨秋の県大会では準優勝、北信越大会では1回戦敗退ながら、県大会の準決勝では昨夏の甲子園での準優勝校・日本文理を破っている。出場していれば、台風の目になったかもしれないのだけれど。。
つまり、「なぜ選ばれたか」ではなく、「なぜ落ちたのか」に関して、明確な指針が何もない。そこが問題なのだと思う。選考というシステムである以上、どこかに必ず優劣をつけなければならない。その基準が公表されないから、曖昧な印象を強くしてしまう。
もっともその前に、東日本、中日本、西日本で3枠を分け合うという暗黙の了解ルールがいつの間にか出来上がっていること自体、おかしいと言えばおかしいのだが…。
さて今大会。21世紀枠で出場した3校、山形中央(山形)、川島(徳島)、向陽(和歌山)の初戦はと言えば。。。
- 山形中央(山形) 4-14 日大三(東京)
- 山形中央は山形大会・準優勝。準決勝で酒田南を破っている。東北大会では、準々決勝で優勝した秋田商に0-1で惜敗。
- 【推薦理由】 部の方針に「感謝心」を掲げ、冬季の土日曜を中心に施設を開放するなど地域との交流に力を入れている。
- 日大三は東京大会ベスト4。準決勝で優勝した帝京に1点差の敗退。準優勝の東海大菅生が不祥事により選抜を辞退したため、繰り上がる形で出場。
- 結果は日大三の圧勝だが、試合中盤までは互角の勝負。終盤の勝負どころで畳み掛けた日大三の攻撃力はさすが。厳しい勝負で勝機を逃さない、経験の差が明暗を分けた感も。点差ほどの実力差があったとは思えない。
- 川島(徳島) 2-3 大垣日大(岐阜) *延長10回サヨナラ
- 川島は徳島大会・準決勝で優勝した小松島に1-11で大敗。3位決定戦に勝利し進出した四国大会では、準々決勝で準優勝の高知に1点差敗退。
- 【推薦理由】 部員18人と少数なうえ、グラウンドが他部と共用でダイヤモンド程度の広さしか使えない。全力疾走を心掛け、練習場所を分割するなどの工夫を加えて、効率的なメニューに取り組んでいる。
- 大垣日大は岐阜大会、東海大会、明治神宮大会で優勝。
- 戦績から見れば大垣日大の圧勝かと思われた試合だが、予想に反して大接戦。エース・東谷の気迫あふれる投球、打者が弱気で打てないと見るや二死二塁でエンドランを仕掛ける采配など川島の積極的かつ超攻撃的な野球が、優勝候補の看板を背負ってか動きの重い大垣日大を圧倒する局面も。まったく互角の戦いで2-2のまま延長戦へ。10回裏のサヨナラ打は、詰まったライトへの飛球が強逆風に押し戻され、右翼手がグラブに当てながらも取れず。先攻後攻が逆であれば、結果はわからない。
- 向陽(和歌山) 2-1 開星(島根)
- 向陽は和歌山大会・準優勝。決勝では智弁和歌山に0-12と大敗。近畿大会では1回戦で天理に1点差敗退。
- 【推薦理由】 旧・海草中学の時代には、名投手・嶋清一などの活躍で1939~40年夏の大会を連覇した名門校。1974年春を最後に甲子園から遠ざかり、今秋の近畿大会は36年ぶりの出場。清掃活動など地域とつながりも深く、副主将は生徒会長を務めて学校生活にも熱心に取り組む。
- 開星は島根大会、中国大会で優勝。明治神宮大会では2回戦(初戦)で今治西に敗退。
- 実績から開星が有利かと思われたが、向陽のエース・藤田の緻密な投球術に、強力ながら大振りの目立つ開星打線が手こずる試合展開に。結果、1チャンスを生かした向陽が接戦を制す。開星のエース・白根は重い球質の剛球派ながら、四死球の連発から失点したように投球術が未熟。攻守ともに開星の粗さが目立ち、緻密な野球の向陽とは好対照。
- 試合後の監督インタビューで、開星の野々村監督は記者団の質疑応答に応じず。NHKの放送では「無言のまま向陽の監督インタビューを見つめていました」とのアナウンサーコメントが流されだけで、前代未聞の試合後会見に。その後、ようやく質疑応答に応じると、「21世紀枠に負けたのは末代までの恥。野球をやめたい。腹を切りたい」との暴言を放ち、報道が過熱。学校側に抗議が殺到したこともあり、数日後に監督は辞任。
21世紀枠の暫定期間が終わる年になって、開星・野々村監督から21世紀枠自体を否定するかのような発言が出るとは…。
後に「それは真意ではない」旨の謝罪もあったが、精度の根幹を揺るがす発言であることに変わりはないと思う。そもそも、「21世紀枠なんて意味ねーだろ」とでも思っていなければ、あそこまでの発言は出ないはず。
あながち間違いとも言い切れないし、開星からすれば胃が痛くなるような試合展開を考えれば、わからないでもない発言ではある。ただ、指導者としては、それを言ってはいけない。甲子園出場校の監督として、試合後のインタビューまでが仕事の一環であるという認識も足りない。稚拙で粗い開星の戦いぶりを象徴するかのような監督の姿勢に、正直、苦笑してしまった。また、マウンド上のエース・白根の態度も同様で、いただけない。朝青龍がマウンドに立っているのかと思った。。。
高校野球ファンであれば、無名の公立校・府中東が激戦区の広島を勝ち抜き、甲子園に出場(79年:選抜)したことを覚えていると思う。あのときの監督が野々村氏。その後は開星の前身・松江第一の監督に就任し、中国地区では名将、名物監督と呼ばれていたらしい。
と言っても、全国区では無名の存在。開星が島根でいくら強かろうが、中国大会で優勝しようが、やはり全国区レベルでは無名校。甲子園出場回数は春2回、夏6回。いっぽうの向陽=海草中は、春14回、夏7回(優勝2回)の甲子園出場を誇る古豪名門校。それを侮辱するような発言が的外れなことは、火を見るより明らか。逆に和歌山県勢から、「春夏を通じて優勝もなければ、勝利数も全都道府県で下から数えたほうが早い島根の代表が何を寝ぼけたことを言っているんだ」と見下されてもおかしくない。そうした奢りと実体とのギャップが、チーム構成、試合展開、敗戦、問題発言などの全てに反映されていたように思えてならない。
別に島根県に恨みがあるわけではないので、今回の件を引き合いに島根をどうこう言うつもりはない。ただ、その島根にしても、21世紀枠の候補校(出雲商)を推薦していることをお忘れなく。件の発言はそのまま、出雲商に対しても当てはまるのだから。
「愚かな行為によって学校だけでなく、島根県にもマイナスイメージとなった。大好きな故郷の島根が、私の言動のために悪く言われていることに一番心を痛めている。冷静になって考えたが、謝罪の意味を込めて監督業から引きたい」
辞任の理由をこう語ったそうだが、大好きだという島根に対しても、自ら暴言を発したことを認識するべきだと思う。死者に鞭打たない日本流の風習からすれば、極論かもしれないけれど。
今回の件に関しては、島根県高野連の姿勢にも責任の一端があるのでは。立正大学淞南、江の川、益田東といった「ベンチ入りメンバーに県内出身者は皆無」な野球留学校を黙認し、弱小な県勢の成績を上げるためなら何をやってもいいと考えるのは勝手だが、それならそれで21世紀枠に推薦などしないで欲しい。偽善そのものじゃないか。騒動の最中、県高野連が何の公式見解も発していないのはなぜなのか。
野球留学校と言えば、開星にしても同様のイメージがあるかもしれない。1998年には住民票をごまかして試合に出場していた関西からの留学生が問題となり、出場停止処分を受けていることからも。が、近年はそうした傾向が薄れ、今回のチームもベンチ入り18人中16人は県内出身者。「島根の野球を見せたい」と語っていた野々村監督の言葉は、嘘じゃない。野球留学が問題化した2007年には、「ゆくゆくは島根県の生徒だけでチームを作りたい。野球部寮も廃止の方向性」ともコメントしている。氏が島根の野球を愛していたという事実は、きちんと受け止めるべきだろう。
ちなみに、開星に対するバッシングには、試合当日に同校教師が校内の女子トイレに盗撮目的で侵入し、カメラを仕掛けた罪で逮捕された件も絡んでいると思われる。タイミングが悪いと言うか、良すぎると言うか…。
現在、同校の公式サイトは閉鎖中。以下の文面のみがアップされている。
お詫び
この度の本校職員による問題が、皆様に多大なご迷惑をおかけしております。大変申し訳なく、深くお詫び申し上げます。
当該職員につきましては、関係各所のご指導の下、できうる限り早期に対処する方向で厳正に処分をしてまいりたいと考えております。
また、学校内外の専門家とも協議しながら適切な事後措置を検討中です。
皆様への迅速な情報提供と、今後の再発防止に職員一同、誠心誠意尽力してまいる所存です。
本ホームページにおきましても、復旧次第その後の対処につきましてご報告させていただきますので、改めましてご理解ご協力のほどお願いいたします。
平成22年3月25日
開星中学校・高等学校
校 長 大多和 聡宏
サイト停止について
平素は本学のウェブサイトをご利用頂き、厚く御礼申し上げます。
この度、本学サイトへのアクセスが集中し、システム内にて不具合が起こりサイトへのアクセスが現在できない状態になっております。
現在、サイトの復旧作業を行っておりますので、ご迷惑をおかけいたしますが何卒ご了承下さい。
今日はプロ野球ドラフト会議。高校生、大学・社会人に分かれない一括でのドラフトには、これこそドラフトだなという実感が湧く。将来性なのか、即戦力なのか、各球団の思惑がいろいろあってこその競合というのも面白い。
2位以降はウェーバー順というのも、正しい方法だと思う。指名順は今季の成績順で、オールスターでパ・リーグが勝利したため、パが優先。つまり、オリックス、横浜、ロッテ、広島…という順序。3位は逆に、巨人、日本ハム、中日、楽天…となる。
注目の花巻東・菊池雄星は、日本ハム、楽天、西武、中日、ヤクルト、阪神の6球団競合の末、西武が交渉権を獲得。もともとパ・リーグ向け、パ・リーグのほうが育ちやすいとは考えていただけに、良かったのでは。
先発陣の駒不足は明らかなので、強力打線の援護の元、早く独り立ちして欲しいものです。捕手も細川なら、それなりにリードできるでしょう。捕手に難のあるチームでは、若手投手が本当の意味で育たないので。
阪神は、外れ1位で二神一人(法政大)を指名。うーん、微妙だな。。。
外れ1位は中澤雅人(トヨタ自動車)を筆頭候補にするはずが、中澤をオリックスが一本釣りしそうなので外れ1位を二神に…という事前情報もあったのだけれど? オリックスは古川秀一(日本文理大)を1位指名したので、中澤を指名することもできたはず。にもかかわらず、ヤクルトが単独指名とは。再競合を避けて二神に行ったのか? 弱気だなぁ。
毎年のように思うのだけれど、ヤクルトのドラフト戦略は実にうまい。巧妙。即戦力の有力投手を、次から次へと単独指名していく。その即戦力候補が本当に即戦力として活躍することからも、スカウト陣の優秀さが際だつと。ただ、大きな故障をするケースが多く、実働年数は意外に少ないのも確か。って、これは所属後の、チームのメンテナンス体制の問題ですね。
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パ・リーグCS第2ステージ、第4戦。8回裏、6-4とリードした日本ハムの攻撃は二死2・3塁。
投手・川岸に交代が告げられ、「エ? ここで福盛なの」と思ったら、「バッテリーの交代」という場内アナウンス…。あの岩隈の登板には、目頭が熱くなりました。完投後の中2日だとか、負けたら終わりだとか、そーゆーものよりね、もっと熱い何かを感じて。。。
応援する球団が消滅し、素直に楽天を応援することもできず、気持ちの整理がつかないまま、応援するチームを見つけられないまま、それでも楽天が気にはなる…。そんな元・近鉄ファンなら、誰もが同じ想いを抱いたはず。試合後の勝利監督インタビューで梨田も触れていたけれど、近鉄という十字架を背負った岩隈の想いは、確かに伝わったよ。近鉄最後の監督となった梨田にも、わかりすぎるほどわかったはずだ。
結果はスレッジのダメ押し3ランでも、いいじゃないか。久しぶりに、プロ野球に熱い想いを巡らせてくれたのだから。パ・リーグのCSをこんなに一生懸命に見たのは初めてで、いいものを見させてもらいました。ちょっぴり残念だけれども。
打者がスレッジでなく、日本人選手だったらね。何か違ったかもしれない…。
結果は4勝1敗(アドバンテージ1勝分を含む)で日本ハム。妥当と言えば妥当でしょう。日本ハムのほうが1枚も2枚も上だなと実感させられる戦いでしたし。そりゃ当初はね、楽天の勢いとダルビッシュ登板回避を考えれば五分五分か、むしろ楽天有利? ぐらいに考えていました。でも、初戦のスレッジの逆転満塁サヨナラホームランですべてが変わった…。福盛が全てをブチ壊したとも言えるのだけれど。。。あとは流れるがまま。その流れを引き戻し、逆流させるほどの力が、楽天にあるわけもなく。
短期勝負の接戦になればなるほど露呈する選手層の薄さ、先発が降板した後の継投への不安。いずれもシリーズ前から、いや、シーズン開幕前から指摘されていた弱点が、最後の最後で隠せなくなりましたから。未熟なチームをここまで引っ張り上げた野村の監督手腕が、改めて浮き彫りとなった結果ですね。
ホームグラウンドで日本シリーズ進出を決めた試合後、相手チームの野村監督を胴上げするシーンなんて…前代未聞でしょ。稲葉という先導役がいたとは言え、それを容認する雰囲気を作り上げていた日本ハムの選手、監督の梨田、札幌ドームのファンには、暖かいものも感じました。同時に、両軍の選手もベンチも、そしてファンも、皆が楽天球団に対し、無言の抗議をしているようでもあり…。
別にね、僕は野村シンパでも何でもない。でも、おかしいものはおかしい。
梨田もいい監督になったんだなぁ。。。そう実感できたことが、このシリーズいちばんの収穫だったかな(^^;;
セ・リーグが巨人、中日のどちらであれ、日本シリーズは日本ハムに頑張って欲しいですね。
パ・リーグ各球団に対してはそれぞれ嫌な部分があって、応援できずにいるんですよ。積極的に嫌いなチームも、むしろセ・リーグより多い。もともとパ・リーグ党だったのにね。その中で唯一、何の反感も抱かない球団が日本ハムなので。