ボンバルディア:DHC-8-Q400が高知龍馬空港に胴体着陸

[Traffic] Misc

 3月13日、高知龍馬空港で、ANA(エアーニッポン)のボンバルディアDHC-8-Q400型機(伊丹発高知行1603便)が胴体着陸しました。
 たまたまリアルタイムで実況中継を見ていたのですが、着陸自体は見事でしたね。思わず「おぉ~」と拍手(苦笑)。

 しかし、胴体着陸がTVで生中継されるというのも珍しい…。
 前輪が降りなかった原因は、「前脚の格納ドアを開閉するアーム部分のボルトが1本脱落していたため」だそうですが。(国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調査結果より)
 考えようによっては、前輪で良かったですよね。

 DHC-8-Q400のトラブル多発は有名な話で、中でも呪われたかのようにトラブル続出となっているのが、この伊丹-高知線。地元の高知では、今回の胴体着陸も「またか…」という目で見られているとか。同型機が問題を起こす度に、大きく報道されてきたそうです。
 同路線がほぼ1時間ヘッドで運航されているのも驚きですが、それだけ利用者が多い=地元の注目度も高い、ということなのでしょうね。

 にしても。
 伊丹空港の騒音問題から、プロペラ機のローカル路線導入を積極的に推進してきた背景もありますからね。今回の件は、様々な問題にも波及しそうで。
 輸送密度の低い路線に、低騒音かつ燃費のいいプロペラ機を導入しようにも、現状では同型機以外に選択肢がないですから。小型~中型機の雄だったサーブが同クラスから撤退してしまった現在、「ボンバルディアはダメ!」なんてことになったら、就航させる機体がない。各社とも、頭が痛いところでしょうね。
 機体サイズと燃費、巡航速度、座席数などを高バランスで実現させたDHC-8-Q400は、使い勝手の良さからも人気の機体ですし。おいそれと代替機が見つかるはずもなく。
 とはいえ、DHC-8-Q400が国内に導入された2003年以降、発生したトラブル件数は77件にも及ぶわけで。ANAグループの2006年4月~2007年2月期を見ても、同型機の欠航率は0.163%。B737の0.097%、B777の0.029%、B747-400の0.041%と比較しても、圧倒的な数値で(苦笑)。欠航率が0.1%を超えるだけでも問題なのに、この数値は異常でしょ。
 ちなみに、その前年度は欠航率0.3%だったそうで…。これはもう、欠陥機と言われても致し方ない?

 謎なのは、エアーニッポン(A-net)/ANA系列の所有機体ばかりにトラブルが続発すること。
 日本エアコミューター(JAC)/JAL系列の所有機では、トラブルこそあれ、発生頻度が全く異なるんですよね。「どの機体がいつ、何の事故を起こしたのか」までは詳しく報道されないのでわかりませんが、特定の機体に問題が多発しているのでは?

 国内ローカル路線の廃止や見直しが相次ぎ、その存続と方向性が問われている現在、今回のトラブルがもたらす波紋は少なくないでしょうね。
 その背景には、各自治体が見栄を張って作りまくった、地方空港の存在意義も見え隠れすると。
 その昔、国立大学が全都道府県に設けられた際には、《駅弁大学》などと呼称されたそうですが。現在の地方空港は《駅弁空港》ですか(苦笑)。
 空港があるから路線を設定しなければならないというのも、おかしな話。不採算を覚悟で就航させなければならない理不尽さは、各航空会社にすれば迷惑千万でしょ。その結果、こうした「欠陥機」が日本の空を飛びまくることになったわけで。

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