三江線、芸備線の不通が続く中国山地路線で、津山線に脱線事故

[Traffic] Railway

 岡山県のJR津山線、牧山−玉柏間で脱線事故が発生。
 津山04:29発・岡山行941D列車が同区間にさしかかったところ、線路上を覆う笹の木を運転士が発見。急制動をかけたものの、直後に車体が浮き、2両編成の2両ともが脱線。現場はレールが10数メートルに渡って湾曲しており、原因は落石の可能性が高いとのこと。
 現場付近では2004年10月、2005年2月にも土砂崩れが発生。2月の際は回送列車が突っ込み、運転士が軽傷を負ったそう。現場付近の斜面には露出した岩が残り、ワイヤで固定、防護ネットで覆うなどの応急措置を取っていたものの、運転士からは岩の除去など抜本的対策を求められていたという。

 中国山地を縦横断する路線は、いろいろな意味で、JR西日本のアキレス腱ですからねぇ。災害は多く保全に手間と金がかかるものの、赤字は進むいっぽうで…。今回の津山線事故は、まさに泣きっ面に蜂といった感じでしょうか。。。

 7月19日の豪雨により、三江線(全線)と芸備線(備後落合−備後西城/実際の不通区間は備後落合−比婆山)も不通のまま。これでさらに津山線も。。。津山線は利用者もそれなりに多い路線なので、早期復旧するとは思いますが。
 三江線に関しては、12月中旬から浜原−三次間で運転を再開することが11月13日に発表されたばかり。何かと廃線を噂される三江線ですが、広島・島根の県境越え区間にあたり、部分廃止の声もあった浜原−口羽間も運転再開区間に含まれるんですね。これで廃止はなさそうなので、何より。
 ただ、不通のままの江津−浜原間は、復旧までかなり時間がかかりそうな。。
 旧・三江北線として初期に開業した区間だけに、後に開業した三江南線(三次−口羽)や鉄建公団が建設した新線区間(口羽−浜原)とは作りが違いますからね。自然災害に弱く、抜本的な復旧改善は難しいのでは…。
 芸備線も同様でしょうか。不通となっているのは、平行道路もなく、山肌と渓流の間を細々と鉄道が走っているような区間。通常時から警戒区間に指定されているのか、自分が乗車した際も最徐行運転で、「よくこんなところに鉄路を敷いたものだ…」と驚愕した覚えがあります。
 もちろん、乗客数もかなり細々とした区間で。。。行き止まり盲腸線なら、間違いなく災害発生=廃止濃厚となりそうな…。

 何はともあれ、3路線の早期復旧を願いますです。

関連記事・資料
  • JR津山線:落石で列車脱線、乗客ら25人搬送 岡山 (2006.11.19/毎日新聞)
    • (元リンク先:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20061119k0000e040004000c.html)
  • 三江線の運転状況について (JR西日本)
    • (元リンク先:http://www.westjr.co.jp/traininfo/pdf/oshirase_sanko.pdf)
  • 三江線の一部運転再開 (2006.11.13/JR西日本ニュース)
    • (元リンク先:http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/061113a.html)
  • 芸備線の運転状況について (JR西日本)
    • (元リンク先:http://www.westjr.co.jp/traininfo/pdf/oshirase_geibi.pdf)


2006.12.13、追記

 JR西日本岡山支社によると、津山線の運転再開は2008年3月末になりそうだとのこと。崩落斜面に残る巨岩の対策に時間がかかるためで、それまでは並行する国道53号線を通る代行バスが、岡山−野々口−金川駅間で運行される。
 ただし、巨岩は撤去するのではなく、一部を削岩機で削り、あとはワイヤーネット掛け、根固め工など風化防止対策に重点を置くらしい。再び落下があるのでは…と、運転士の間では不安が拭えないでいるとか。予算との兼ね合いはもちろん、すべてを100%安全と言い切れるよう対策をしていたら、中国山地の路線はキリがないというのも実情でしょうから…何とも言えないところです。
 なお、列車は現在、牧山−津山、岡山−玉柏間を暫定ダイヤで運転し、実際の不通区間は玉柏−牧山間。が、牧山駅と玉柏駅には代行バスが入らないため、牧山駅から岡山方面へ、あるいは玉柏駅から津山方面へ向かう場合は、いったん列車で反対方向の金川駅or法界院駅に出て、そこから代行バスで逆戻りする形に。

関連記事・発表
  • JR津山線脱線:3月末運行再開へ バス利用者は「歓迎」 (2006.12.13/毎日新聞)
    • (元リンク先:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061213-00000204-mailo-l33)
  • 津山線・運行状況 (JR西日本)
    • (元リンク先:http://www.westjr.co.jp/traininfo/oshirase20061120_1.pdf)
  • 津山線・暫定ダイヤ (JR西日本)
    • (元リンク先:http://www.westjr.co.jp/traininfo/oshirase20061210.pdf)

追記

 津山線の不通区間は3月18日から運転再開。

 *津山線(玉柏から牧山駅間)の運転再開について (2007.02.26/JR西日本ニュース)
 (元リンク先:http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1172841_799.html)

津山線(玉柏から牧山駅間)の運転再開について

 平成18年11月19日津山線玉柏・牧山駅間で発生した落石事故により、当該区間の運転を見合わせていましたが、運転再開の予定についてお知らせします。

詳細

1.運転再開 3月18日(日) 初列車から運転再開
(初列車)
・下り(普通列車) 津山駅発(4:13)→牧山駅発(5:16)→玉柏駅発(5:23)→岡山駅着(5:34)
・上り(普通列車) 岡山駅発(5:55)→玉柏駅発(6:07)→牧山駅発(6:14)→津山駅着(7:28)
※上記時刻は、当日からの新ダイヤの時刻です。

2.運転再開に向けての落石対策概要
主な内容は以下のとおりです。
(1)落石発生源の巨岩については、ワイヤーネット掛けや根固めを行います。
(2)斜面中腹の大岩5個に対しては、てっ去または埋めるなどの安定化を行います。(処置済み)
(3)落石発生源より上部の山に点在する大岩については、ワイヤーネット掛けなどの安定化対策を行います。(処置済み)
(4)線路脇に落石止柵を設置します。(基礎部は処置済み)
(5)落石止柵に落石検知装置を設置します。

3.その他運転再開に向けて
(1)軌道整備を行います。
(2)事前に試運転列車を走行させ、安全を確認した上で開通いたします。(詳細検討中)
なお、当該箇所以外の玉柏から牧山駅間の3箇所について、落石危険箇所調査に基づく徐行運転を実施します。

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